【総排泄腔】

【総排泄腔】

スズメに関する本を買って、拾い読みしただけで最初から最後まで通読していないことに気づいたので、一気に読み通してみたらあらためておもしろかった。

行間を読むことの大切さがしばしば説かれるけれど、行間に何か大切なものが落ちているというわけではなくて、通して流れを読むことの「流れ」こそが大切なのだろう。行間に流れがある。流れさえおもしろく読めてしまえば細部は見落としてしまっても構わない。いちど流れを読めた本は再読が苦にならない。

スズメは一日一個ずつ 4 〜 6 日かけて卵を産み、全部産み終えたところであたためはじめるのだけれど、その最後の一個だけ色が違うのだという。不思議だ。

卵を産む前にはまず雄スズメが雌スズメの背中に乗って交尾をする。あれは総排泄腔(そうはいせつこう)という消化管(腸管)末端の糞管(肛門管)、泌尿器からの輸尿管、生殖器からの生殖輸管(卵管・精管)、それらのすべてが総排出腔としてあつまって開口したものを、ぴったり合わせているのだ。宇宙船のドッキングである。雀の眼からみた宇宙誌のように読んだ。

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