【乙鳥】

【乙鳥】

「鴻雁の北に去りて乙鳥の南に来るさえ、鳥の身になっては相当の弁解があるはず」(漱石『野分』)とあった。

鴻雁(こうがん)は鴻と雁なので鳥の種類は字から推しはかれるけれど、乙鳥ってなんだろう、乙な鳥だから人が食べて食味のよい鳥のことだろうかと調べたら、「おつどり」などとは読まなくて「いっちょう」と読みツバメのことだという。

仕事をしながら夏空を見ていると、ときおり鳥が一羽また一羽と、思い思いの方角に急ぎの用事を思い出したような羽ばたきかたですっ飛んでいくのが見え、鳥の身になっては相当の弁解があるのだろなあと漱石を読みながら思いつつ辞書に寄り道した。

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