電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【都市の陰影】
【都市の陰影】
ここ数年、太陽の日差しがどうもおかしい。
秋だというのに、肌を刺すように痛いし、都市の影は毒々しいほどに、くっきりと強い。
その一方で、路上に柔らかく美しい陰影を見る機会が増えてきた。
ビル内の電力消費を押さえるため、強い日差しを遮る硝子壁で覆われた建物が増えてきたせいだろう。
「あっ、綺麗だな」
と立ち止まると影の方向がおかしい。
午後になって日が西に傾きかけているのに、陰影は北東方向から伸びているのである。
よく見れば、若干青みがかっていて、大通りを挟んだ向こう側のビルディングが反射している光であることがわかる。
室内撮影にしろ、屋外撮影にしろ、レフ板を上手に使うと、モノを美しく撮影することができるけれど、ビル街外壁の反射が織りなす路上の陰影は、さながら照明技術の学校のようでもある。
(閉鎖した電脳六義園通信所 2002 年 10 月 30日、19 年前の今日の日記に加筆のうえ再掲載。)
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