電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【江戸と駿河台と庵原と第二東名】
(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2007年 5 月 29 日の日記再掲)
江戸の町は海岸の埋め立てによって整備され、埋め立て用の土は駿河台(神田山)の土が使われた。
削られた大地は平坦になって屋敷町となり(神田神保町辺り)、切り通しに作られた水路(お茶の水脇の神田川)は洪水から江戸の町を救い、工事に当たって伊達家が掘削した神田川水路切り通しの土もまた江戸湾埋め立てのために供された。
■静岡県清水原。建設中のループの下がそうであるように、この地域一帯は入り組んだ小さな谷ででこぼこの地形だった。
OLYMPUS E-410 ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6
静岡県清水庵原。
友人夫婦の案内で庵原の高台に上る。急峻だったミカン山が平坦に整地されミカン畑のすぐ脇まで農作業用の自動車が入れるようになっている。ミカン栽培くらいにしか適さない山を守ってきた農家も高齢化が進み、そのままでは荒れ果てた山が残るだけだと言う。
中学生時代、ミカン狩りを体験させて貰った祖父母の家近くの山もかつては立派なミカン山だったが、今は手入れをされていない竹やぶに覆われており、母の墓に参ってくれた両河内でタケノコを生産している友人も
「この山はすごい事になってるなぁ」
と驚いていた。
■静岡県清水原。農作業の労力軽減のためにこういうモノレールやリフトがミカン山に作られたけれど、農家の高齢化はどんどん進んで山の上り下りはますます困難になっている。
OLYMPUS E-410 ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6
第二東名高速道路の建設が進み、ジャンクションとなる道の建設が進む庵原。
小高い山が入り組んで耕作が大変だった場所には大量の土が入れられて平坦な台地となり、畑脇まで車が入れる日当たりの良い農地に生まれ変わって行く。そうしなければ高齢化に伴う農業離れと地域の荒廃に歯止めがかからないという。
■谷間がトンネル工事で掘り出された土で埋め立てられて作られた新たな農地。
OLYMPUS E-410 ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6
高速道路とともに整備されて行く農地造成には平坦化された山の土と第二東名高速道路トンネル掘削で掘り出された土が当てられているそうで、それは江戸の町と駿河台の関係に似ている。
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