庭の春と太田道灌

2014年4月20日(日)
庭の春と太田道灌


00
義母が暮らす老人ホームの居室は南に向いて全面ガラスで開閉する窓がある。晴れた日には布団が干されるベランダに出て庭を覗くと、建物に沿って木々が植えられている。

01
左端にはブドウ棚があり、その隣にはカリン、その右隣にはユズがあって、夏から秋になるとそれらは次々に実を付ける。

|ブドウの春|

02
ブドウ、カリン、ユズとくればそれらに隣り合う木々にも何かの実りを期待してしまうが、「七重八重 花は咲けども ホニャララの 実のひとつだに なきぞ悲しき」で、実をつけたのを見たことがない。

|カリンの春|

03
実を付けないのでホニャララの名前がわからない。4月19日土曜日の面会でベランダから見たら、ユズのとなりは白い花が満開、さらにそのとなりは咲き終えたのか、葉っぱばかりになっていた。

|ユズの春|

04
日差しを浴びてポカポカになった布団の上に身を乗り出し、それらの木々に訪れた春をカメラにおさめてきた。

|開花が遅くいま満開ホニャララの春|

05
ホニャララの名前がわからない八五郎はご隠居に書いてもらったヤマブキの歌をうろ覚えに、友達に尋ねようとし
「ナナヘヤエハナハサケドモヤマブシノ、ミソヒトダルトナベトカマシキ」
などと言ってしまう。
「なんだい、そりゃァ。都々逸か?おめえ、よっぽど華道に暗ェなァ」
「だから写真を撮ってきた」(落語「道灌」風)

|開花を終えたのか葉ばかりになった隣のホニャララの春|

コメント ( 2 ) | Trackback ( )
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コメント
 
 
 
Unknown (浮雲)
2014-04-20 13:42:17
カリンの花を初めてみました。
清楚で可愛くて、気に入りました。
 
 
 
Unknown ()
2014-04-21 08:40:18
本当ですね。
義母の居室の窓にカリンがあるようになって、初めて花が愛らしいことを知りました。
 
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