【退嬰】

 【退嬰】

退嬰(たいえい)の字義に興味をひかれて辞書をひくと、退でしりぞき嬰でまわることを意味する。嬰の字はまといつき、かこみ、かまい、ふれるといった意味の広がりをもっている。

嬰とは胸の前のことをいう。そして胸の前へ抱き抱えて乳を飲ませることも嬰といい、そうあつかわれる対象を嬰児(えいじ)という。そういう嬰児の状態に自ら退いて回ろうとするのが退嬰的なのであり、社会への出口に背を向けて引きこもろうとする意識のかたむきを、漱石は退嬰主義(たいえいしゅぎ)だと書いている。

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