◉ナセルとハウ

2018年3月29日
僕の寄り道――◉ナセルとハウ

「『なせばなるなさねばならぬなにごとも…って、昔の大人はよく言ったよね」
と妻が言い
「そのあとなんだっけ」
と聞くので
「為せば成る為さねば成らぬ何事もナセルはアラブの大統領」
と答える。子どもの頃、東京下町では大人も子どももそう言って笑っていた。

エジプトとシリアが一つになって建国されたアラブ連合共和国の大統領にナセルが就任したのが 1956(昭和31)年で、亡くなる1970年まで在職したので、確かに子ども時代ずっと「ナセルはアラブの大統領」だった。

『為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり』は出羽米沢藩9代藩主上杉治憲である鷹山の言葉だが、ナセル大統領の言葉のように覚えており、限られた世代だけで通じる他愛のない言葉遊びである。

駒込富士神社(富士神社古墳)に諸葛菜が咲いている

わが家では声を出して大あくびをするとき
「はうはうはうはう、ハウ外相」
と言って笑う。

英国にサッチャー政権が存在したのが1979年から1990年であり、その政権下でジェフリー・ハウが外相を努めたのが1983年から1990年なので、あくび言葉
「はうはうはうはう、ハウ外相」
はその期間に成立し、わが家庭内で大口を開けながら今も語り継がれている。

「人口に膾炙(かいしゃ)する」と言うけれど、自然に語り継がれる笑いとはそういう馬鹿馬鹿しいものかもしれない。(2018/03/29)


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