大変な一日 2


D800E + AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

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工場内に天井から水が漏れ出したとしても、納期が迫っている大きな仕事を抱えていることに違いは無い。
仕事の手を止める訳には行かない。
今日やらなくてはならない仕事が山のようにあるのだ。

大雪で出社できないパートが数名いるので、車で迎えに行くから出て欲しいと頼んだ。
排水作業は任せて、僕は車を停めた駐車場に向かった。
激しい風が吹いており、車に辿り着くまでに、横殴りの雨で体がビショビショになった。
寒さを別とすれば、まるで真夏に台風の中を歩いているようだ。

かなりの量の雪が積もった後に、激しい雨が降り、その上に大量の水が被さる。
今までに体験したことの無い、不思議な状況だ。
冷たいコップの水のように、砕いた氷の浮かんだ水溜りが足元に広がっている。
その中を車のドアの前まで行こうとすると、靴がくるぶしの辺りまで完全に水没した。
バシャバシャと、水の中を進んでいく。
ブーツでなければ、靴の中に水が流れ込んでいたろう。

走り出すと、道路は異様な状態であった。
雪は道の両端に追いやられ、中央部分は冠水している。
冠水?

対向車が水を跳ね上げ、フロントガラスに大量に降りかかった。
ドーンという衝撃とともに、しばらく何も見えなくなる。
ガラスが割れたかと思った。
ただの水ではない。
水と氷の混ざったものが、激しく車にぶつかってきたのだ。

道路に積っていた雪が、道路の両側に押しのけられ、それが固まって土手を形成している。
その内側に、プールのように雨水が溜まっているのだ。
しかも部分的に凍結し、氷の塊を含んだ水である。
その中を進んでいかなければならない。

道路の外側を見ると、一段下がったところに、普通に雪が積もっている。
洪水の場合は、水位が同じ高さになるはずなのに、道路上の水はずっと高い位置にある。
押しのけられた雪で作られた氷の土手が、そこで水を遮断しているのだ。
さらに激しい雨がどんどん水を補給している。

途中知人の家の前を通過した。
庭先の車庫の庇がV字型にひしゃげ、車が下敷きになっている。
知人が立ちすくんでいるのが一瞬見えた。
そのまま進んでいくと、その並びにさらに数件、同じように車庫が倒壊した家があった。
ここまできて、町中でかなりの被害が出ているのがわかった。
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