黒の外羽根式プレーントゥ


D800E + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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リーガル系のショップであるシュー・アンド・コーの外羽根式プレーントゥ。
黒のプレーントゥ・・・極めてオーソドックスな靴である。
この靴に始まり、この靴に終わる。
靴をひとつだけ選ぶなら、やはり外羽根式のプレーントゥ、それも色は黒である。



その割りに、実は持っていない・・という矛盾があった(笑)
先日も書いたが、シュー・アンド・コーのお店で、木型の異なる3種類のプレーントゥの履き比べをさせてもらった。
同店で今後増やしていくというブリタニーラストのもの、足の形を考慮して作られたオブリークラストのもの、それに昔からある古典的形状のラストのもの・・・
とても贅沢で貴重な経験である。

その結果、皮肉にも足の形を考えて作られた新しい木型ほど、僕の足には合わないことがわかった(笑)
前者二つは土踏まずが当り、古典的木型のポッテリとしたもののみが、すんなりと足にマッチした。
悲しい話であるが、そういう形をした足なのだ。

黒の外羽根式プレーントゥの靴を、ひとつは持っていなければ・・と思っていた。
お店の主流がブリタニーラストに入れ替わってしまうので、少数だけ入荷した旧型ラストのものを押さえてもらった。
シュー・アンド・コー・ブランドの製品なので、リーガル・ブランドと比べると一捻りしてある。
大きな違いは、アウトソールが一周縫われて張り出しているところだろう。
それが隠し味としてよく効いている。

素材にはキップガラスが使われている。
コードヴァンに近い質感を安価に実現させようと、牛革の表面に樹脂加工を施し光沢を出した素材だ。
以前はガラスに張り付けて圧力をかけて製造したため、ガラスレザーと呼ばれるようになったという。

基本的には牛革なので、手入れ方法は通常のカーフやキップと同じである。
最初から人工的な光沢があり、クリームを入れても大きく変化しないので、靴好きには嫌がる人の多い素材だ。
靴に興味の無い人、たまにしか磨かない人でも、靴はいつも程々にきれい・・という、70点主義の素材といえる。
だがチャーチのシャノンなど、プレーントゥの代表格が、この素材を採用している。
ガンガン履くのだ・・という、実用に徹したプロ的な割り切りを、逆に楽しむべきだろう。

フォーマル系の靴ではあるが、カジュアルにも無理なく使える。
その万能さを考えても、やはりひとつは持っていたい。
一見、何の変哲も無いシンプルなデザインであるが、飽きることなく長く使える。
黒の外羽根式プレーントゥは、そういう靴である。
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