夜行バス


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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夜行バスに乗るのは、はじめての体験であった。
Mrs.COLKIDは経験していて、結婚して間もない頃、名古屋で限定発売されるテディベアを買う為に、夜行バスで行ってもらったことがある。
あの頃は私も若かったから・・と、夜行バスがどういうものか知っている当人は、初めから少々心配しているようだった。

夜12時少し前に、東京駅を出発するバスを選んだ。
翌朝6時半に京都駅に着く。
奈良に直行するバスは数が少なかったので、便数の多い京都行きにした。

バスは2階建てで、我々の座る椅子は2階にあった。
3列シートという、スペースに余裕のある金額の高いタイプを選んだが、椅子自体はそれほど広いわけではない。(写真参照)
一応1階にトイレがあるのだが、固形物が流せないので「小」のみに使って欲しいと言われた。

椅子に座った体勢では熟睡は出来ない。
夜中に何度も目が覚めた。
さらにはサービスエリアなどで停まると、車内に大きな音で休憩を告げるアナウンスが流れるので、ほとんど強制的に起こされた。

こんな状態ではほとんど眠れないのではないかと思ったが、実際には意外に寝ているようだ。
休憩の時にMrs.COLKIDが外に出たのも、後から言われるまで知らなかった。
途中走行が危なく感じるほどの大雨にも遭遇したと聞いたが、それさえ気付かずにぐっすり眠っていた(笑)
考えてみれば、飛行機の中ではもっと苦しい思いをしている。
アンカレッジ経由の頃は、ヨーロッパまでかなりの時間を要したし、エジプトに行った時など27時間もかかった。

むしろ酷い目に遭ったのは、Mrs.COLKIDの方らしい。
走り出してすぐに、僕の後ろの席の乗客が大きな音でいびきをかきはじめた。
はて、後ろは女性だったはずと思い見てみると、20歳代の若い女性がガーガーといびきをかいて寝ている。
その連れの男性はそんなことは気にもとめない様子で、靴下を履いた足を持ち上げて、もぞもぞと動かしている。
時折車の助手席でインパネに足を乗せている下品な男性を見るが、どうやらあの手の人物らしい。

気にもせず僕は寝てしまったが、そのうち僕自身が寝息を立て始めたそうで、隣のMrs.COLKIDは三方から攻撃を受ける形になった。
女性のうるさいいびきに悩まされて、やっと眠りかけると後ろの男性の足が椅子に当たって起こされ、そのうち隣の僕が寝息を立て始める。
いびき女と足男と寝息男・・・私は散々な目に遭ったと洩らしていた。

どうせ夜行なのだから、完全なベッド形式にして、車内で上下に何段か重ねる構造にした方がいいのではないかとも思ったが、誰もやらないところを見ると、安全上の問題などがあるのだろう。
布団やシーツのクリーニングのコストもかかるし、その車両は日中には使えなくなってしまう。

目的地に到着すると、疲れた状態で街中に降ろされる。
当たり前ではあるが、ベースとなる宿があるわけではないので、休むことも出来ずにとぼとぼと歩くしかない。
地上に降りるやバリバリ仕事を始めることの出来る、タフな人に向いた乗り物だと思った。

スペースの広い席を選んだものだから、金額的にも新幹線とそう変わらない。
帰りはグリーン車の新幹線だったが、速いし、電源は使えるし、無線LANも完備されている。
その上乗務員の女性が、何回もゴミを回収しに来てくれる。

夜行バスを使うとしたら、どうしても新幹線より1、2時間早く到着したいという事情がある時だろうか・・・
当然目的地に直行でないと意味が薄れる。
僕は意外に元気に行動できたが、Mrs.COLKIDは疲労が激しかったようで、もう二度と嫌だと言っている(笑)

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