衰退


SIGMA DP2

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つい先ほど、ダンボール箱に梱包したJBLのウーファーを、近所のコンビニまで台車に乗せて運び、宅配便で出荷してきた。
とりあえず作業の第一段階が終了した(笑)

いよいよCDプレイヤーの製造から撤退するメーカーが出てきたという。
パッケージソフトの衰退である。
もうCDなんてやめましょう・・ということだ。
物質的な無駄が無く、より理想の姿に近い「配信」を主流にしようという動きである。
同時に下落する一方のソフトの価格も、上手く制御してしまおうという目論見があるらしい。

そんな時代にアナログを復活させようなんて、時代錯誤も甚だしいが、どうしたものかと考えている。
あなたはアホですかと言われそうだ(笑)

もしかすると、アナログをまったく知らない世代からは、逆にカッコいいと言われるかもしれない。
アナログディスクの時代が、オーディオ界の全盛期だったということもあり、この世界ではアナログの経験が無い人を下に見る向きが強い。
もちろんこれは今のベテランマニアから、という意味で、もっと上の世代が生きていれば、蓄音機の時代を知らなければ半人前に見られるのかもしれないが(笑)

ところで配信音楽というのも、ちゃんと音質を意識した機器に一度データを溜め込んで再生・・というのならいいのかもしれないが、パソコンなどを使ったホームオーディオでは、まだ音質的に未開発の部分があるようだ。
先日ジローさんのお宅で、マックのHDDから再生した音楽を聞かせていただいたが、耳のいいmachinistさんが、すぐにHDDからの再生は音が悪いと指摘された。
古典的なアナログプレイヤーやCDプレイヤーの方が、音に実在感があるのである。

ジローさんもそのことは承知していて、気がつきましたか・・という感じであった(笑)
音は確かに出るのだが、音質的にはまだこれからの世界であるという。
主流にするには危険な印象もあるが、オーディオそのものが、衰退して多くのものを失ってしまったので、平均点自体が大幅に落ちて、世間一般ではこの程度で十分なのかもしれない。

また、その時さらにいくつかの面白い現象に気付いた。
ジローさんが、ご自分の再生装置に、見えないところでいろいろ秘密の工夫をされていたのだが、それらがCDやSACDといったデジタルの音源には有効でも、アナログのソフトにはかえって何もしない方がいいのではないか・・という話になった。

アナログディスクの音は、それだけで不思議な説得力があり、何もせずストレートに再生した方がいいのである。
それはアナログ時代にオーディオに本格的に取り組んでいた方なら、意味がお分かりになるなると思う。
生の音がどうとかいう問題ではなく、良く鳴った時のアナログディスクには、スパーンと抜けきったようなオーディオ的快感と強い説得力がある。
それが体験したくて、みなオーディオをやっていたのだ。

もっとも僕自身は、もうあの頃ほど理想に燃えた音は必要としていない。
今の方が音質的にずっと進んでいる部分もあるし、逆に衰退している部分もあるような気がするが、いずれにしてもあまり生活を侵食してくるような音であって欲しくはない。
ほどほどでいいのだ。

ただ頭の中に欲しい音の基準ははっきりと出来ているので、それに沿った音であれば満足である。
アナログディスクの再生系も、多少なりともその気持ちよさを味わえるなら、復活させてもいいかな・・と思う。
マイクロのハイスピードイナーシャみたいな大袈裟なのを、棚の奥から引っ張り出すのはさすがに躊躇するが・・・(笑)
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コメント
 
 
 
Unknown (ジロー)
2010-01-14 12:16:51
COLKIDさん、おはようございます。

呼ばれたみたいで、ノコノコ出てきました。(笑)
いよいよJBLのウーハーの修理ですね。
ネットワークの改造諦めちゃったんですね。
この際、チャンデバ(デジタルダイナミックプロセッサー)を使ったらどうでしょう。

DBX ( ディービーエックス ) / DRIVERACK PA+ 65,800円(税込)
http://www.soundhouse.co.jp/shop/ProductDetail.asp?Item=262^DRIVERACKPAPLUS^^
これは優れもので、ぼくも使いたい機種です。24bit/48kHzのADコンバーターを搭載でリアルタイムアナライザーもあり、パラメトリックイコライザーまで出来ます。

>>古典的なアナログプレイヤーやCDプレイヤーの方が、音に実在感があるのである。

そうですね、ま~自分の所ではという前提ですが、そんな感じはします。でも今はまだPCオーディオの方も電源とか弄っていないので、どこでCD再生を超えるか分からない感じでは有ります。
でもやはりPCオーディオがアナログを超えるのは僕の所ではまだかなり先の様です。(笑)

あれから再生音はかなり変わりました。秘密の2個を外しまして、セッテイングを詰めて、より実在感のあるキレのいい音に変身しています。あっ!PCオーディオは24Bit 192000Hzで再生するようにしました。これはやはり一味違います。
また是非、聞いてみて下さい。
 
 
 
Unknown (COLKID@会社)
2010-01-14 17:08:36
ジローさん。こんにちは。
今ウーファーを外した状態なので、時折中を覗いています。気が向いたら、ネットワークをいじるかもしれません(笑)
チャンデバのご紹介をありがとうございます。確かに下手なネットワークを組むよりマルチにした方が早いですね。
ただあくまで個人的な趣味の問題なのですが、実は僕はLCネットワークをいじるのが大好きなんですよ(笑)
マルチアンプは25年位前にやっていた(エスプリのベッセル函数フィルターの機種でした)のですが、基本的にスピーカー自作から入っているので、ネットワークを作るのが好きな人間なんでしょうね。
今はシンプルにアンプ1台+スピーカーの形に戻ってしまいました。
特にこのJBLはそれほど本気で聞く仕組みではないので、シンプルに行きたいところです。
ただいじっているうちにどちらに向かうかは分からないですね。
管球アンプは買うつもりでいます。
 
 
 
Unknown (Mr.X)
2010-01-14 23:45:17
貴殿のブログ、折々に拝見しております。

アナログ復活、大いに結構ではありませんか。
ここにも大アホが居ります。ただし、他人から
カッコいいと思われたいとか、他人を下に見る
とかいう気持ちは微塵も有りませんが。

私は5年ほど前にLP鑑賞を再開しました。そして
最近、大学生の頃に投売りされていたオーディオ
製品を購入・死蔵していた物を、一部実戦投入し
始めました。例えば、ELAC STS455E、SHUREV15
TYPE3、SME3009S2-imp等です。

SP盤も2年前にカムバックしました。再開といって
も、子供の頃に祖父母や両親と一緒に聴いていた
盤を聴くために、蓄音機を購入しただけですが…。
帯域は広くありませんが、美空ひばり、コルトー、
クロスビー、コルトー、カルソー等等、往年の名手
の気合の入った演奏に魅了されています。盤も新たに
買い込む始末。卓上型の機械も買いそうな勢いです。

私が初めてLPやSPを掛けた時、何を掛けているのか
と言って、義母が、妻が、娘が、別室から集って
来ました。彼らは機械のことを何も知りませんが、
いつも聴いているCDとは、音の実体感や演奏が全く
違うので飛んで来たそうです。

不思議なものですね。
 
 
 
Unknown (COLKID@自分の部屋)
2010-01-15 01:18:55
Mr.Xさん。はじめまして。
いつも見ていただきありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。

5年前にLP復活ですか。
しかもSPまで!
オーディオの本流はそちらにあり・・ですかね?

僕も父親の聞いていたSP盤が残っており、それを聞くために例の有名なSP屋さんにいろいろ問い合わせたことがあります。
結局蓄音機購入までは行きませんでしたが、別の趣味(テディベア関連)で研究の資料のSP盤をかける必要が生じて、やむなく78回転つきのテクニクスのプレイヤーを買ってモノのカートリッジをつけたものを専用に揃えました。
でも電気増幅なしの蓄音機こそが究極ですね(笑)

オーディオを知らない方々が別の部屋から驚いてやってくる・・ということが、時折ありますが、それだけ強烈な説得力を持った音だということですね。
ウチでもオーディオに興味の無いMrs.COLKIDが反応を示す時が稀にあります。
いい音への感性は共通した価値観があるようです。

ウチには20歳前後の頃購入したアナログ機器が山のようにあります。マイクロのTTとか、SAEC、クラフト、テクニカのアームとか、FRのカートリッジなどです。
勿体無いので再開しようかな・・・
 
 
 
Unknown (Mr.X)
2010-01-15 09:53:23
オーディオ的快感と説得力という観点では、
オーディオの本流はLP、さらにSPでしょう。
デジタルではありえません。

音源からして、ちまちまとしたスタジオ・
ワークで制作された楽曲と、一発録りで制作
された楽曲では、演奏家の精神的高揚を始め
違いが有りすぎます。

SPの真髄は蓄音機による再生だと思います。
Shure V15用のSP針のデッドストックを入手し、
電気再生にもトライしたのですが、蓄音機の
方が良い結果でした。幼少期の記憶を辿ると、
父自慢の電蓄より、祖父のHMVポータブル蓄音機
の方が好きだったような気がします。

フロア型蓄音機で聴くSPは、究極の再生芸術
かも知れません。もっとも私はポータブル型
しか持ち合わせておりませんし、超高価な
名盤を購入する財力もありませんが…。しかし
ポータブル形でも、演奏家の魂とか気迫の様な
ものを強烈に感じる事ができ、相当楽しめます。


30年前の大学時代にCDがデビューし、アナログ
プレーヤー機材は投売り状態になりました。
その時に新品で購入し死蔵していた物を、最近
使い始めました。当時の名機は、現代でも通用
する説得力を持っていると思います。

中古LPは投売り状態。クラシックの盤は未聴に
近い物が多数。お手持ちの機材を有効活用され
たら如何でしょうか。
 
 
 
Unknown (COLKID@会社)
2010-01-15 10:48:23
おはようございます。
そうですか。
それを聞くとフロア型の蓄音機も聞きたくなりますね。
さすがに今からそこまでディープな世界に飛び込むことはないと思いますが・・・
LPの方は何とか再開してみようと思います。

大学時代にCDがデビューというと、僕とほぼ同じ世代ですね。
レコード屋で売り出したばかりのCDを買っていき、大学の教室で、これがCDというものだ・・と皆で虹色の盤を見たのを思い出します。
しかしそれが不幸の始まりで(笑)アナログの時代には、もしかしたら今聞いている音は世界一良い音なのではなかろうか・・という瞬間が、時々あったのですが、CDになってからほぼ皆無です。
それでも必死になってオーディオを続けていたのですが、20年ほどがんばって嫌になってやめました。

最近デジタルアンプが上手く鳴った時に、あの頃の感動の片鱗を味わえたような気がしたので、また再開した次第です。
そういう意味ではオーディオという趣味もかなり変質したような気がしますね。
 
 
 
Unknown (やまだ)
2010-01-15 13:30:29
なんかよく分かりませんが、妙な説得力がありますね。
例のベルカントの「母音の音質の純化」と相通じるものがありそうです。
 
 
 
Unknown (COLKID@会社)
2010-01-15 18:40:41
よくわからんのがオーディオの世界です(笑)
でも説得力を感じられますか?

まあ、僕は理屈はどうでもよくて、好きな音が出ればそれでいいです。
さらに演奏がよければ申し分なしです。

怒られてしまいそうですが、僕の場合は音を単純な快感体験と捉えている面もあります。
すいません、それは演奏の良し悪しとは少し違う次元の話です。

アナログ時代のオーディオの音は、後輪駆動車で、テールスライドさせてコーナーを駆け抜けるのに近い快感でした。
ところがCDになってからFF車みたいになってしまって、速いことは速いけれど、抜け切った快感がない。
これだと分り易い!(笑)
遅くたって気持ちいいものは気持ちいいですからね。
アナログというよりアナクロ?
 
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