1920年代


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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ネットフリックスで「パワー・オブ・ザ・ドッグ」という映画を観た。
1920年代のアメリカ・モンタナ州の大牧場を舞台とした作品で、アカデミー賞の作品賞の有力候補となっている。
舞台は雄大な米国西部の牧場(ロケ地はニュージーランドらしい)であるが、いわゆる西部劇の時代からは半世紀ほど経っている。

主人公の一人であるピーター役のコディ・スミット=マクフィーが、母親と町の雑貨店に買い物に行くシーンがある。
1920年代ということで、お店の作りやディスプレイが、西部劇の時代より近代的で洗練されている。
置いてある商品もしっかり作られていて、品質が高そうに見えるところが興味深い。

お店では主に帽子や服、靴などを扱っているのだが、革靴やブーツに混ざってスニーカーが飾られていた。
そこにどうもハイカットのコンバース・オールスターと思われるモデルが置いてあった。
オールスターはバスケットボール用のシューズとして、1917年に製造が開始されているので、当時は最新の靴だったはずだ。



先進的な感性の持ち主のピーターは、早速その靴に目をつけて手に取って見る。
(実際に購入するのは白いローカットのテニスシューズのようだが・・・)
しかし場所は保守的かつ古典的なアメリカ西部である。
男のくせになよなよしていると、カウボーイ達から馬鹿にされていたところに、白いスニーカーを履いて行ったものだから、火に油を注ぐ形となった。

作品はいわゆる「有毒な男らしさ」と同性愛がテーマで、終始ピリピリとした緊張感のある人間関係が続く。
世間では演技や描写のクオリティが高く評価されており、確かにその点は素晴らしいのだが、個人的にはストーリーにいまひとつ共感できなかった。
むしろ、皆がどういう理由でこの作品を評価するのか・・の方が興味がある。

ただこの年代の空気が新鮮に感じられたのは事実だ。
上の画像では切り取っているが、画面の左側にはブローグの入った革靴や、白黒のスペクテイターシューズらしきものも飾られていた。
そういう細かいグッズに注目して、映画を楽しむのも悪く無い。
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