舐める


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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書類や本など、束になった紙をめくる時に、指をペロリと舐める人がいる。
一定以上の年齢になると、肌が乾燥して、指が上手く紙にくっついてくれず、めくるのが大変なのだ。
それで指先をペロリとやって湿らせる。

これは自分がその年齢にならないと、分からない事ではある。
だから歳をとるとペロリとやるようになるのだ・・という意見もある。
しかしこんな事をするのは、やはりある年代から上の人であろう。
僕は現在59歳で、既に紙をめくるのに難儀しているが、自分ではもちろんやらないし、同世代でそれをする人も、ほとんど見た事が無い。

ただけっこう若い頃に、同級生が目の前でペロッとやるのを見た記憶はある。
自分は一切やらないので、ちょっとギョッとなった。
地域によってそういう習慣があるのか、あるいは家のお年寄りから、こうやるものと教わって育ったのか。

いずれにしても、新型コロナの感染拡大以降は、やってはいけない事のひとつになった。
さあウイルスをばら撒きますよと、言っているようなものだ。
過去にパンデミックが世界を何度と無く蹂躙したにもかかわらず、こういう習慣が残っているのは不思議な事ではある。
あるいは、当時はそれが原因で病気がうつるとは思っていなかったのか・・・

ただ紙をめくるという行為は、そもそも指先の脂に頼ってやっているのだろう。
だから唾がついていないとしても、書類にはその人の分泌物がくっつくのに違いは無い。
世の中の多くのもの・・・特にスマホの画面、キーボード、お札、古本、ドアの取っ手、車のハンドルなどは、人の分泌した脂でベットリのはずである。
潔癖症の人なら震え上がるところだが、いちいちそんな事を気にしていたら生きていくことが出来ない。

だいいち新型コロナの感染拡大は、多くが感染者と会話をしたことが原因になっている。
特に大きな声を出す場所で、クラスターが発生している。
つまり人の口から飛んだ唾液が空気中を浮遊して、口などから体内に入ってくるのだ。

どんなに嫌だとしても、そういう現象が日常的に起きているのだ・・・
今回のパンデミックで、我々はそれを思い知らされた。
世の中とはそういうものなのだと、受け入れて生きていくしかない・・ということだ。
ただ目の前で指をペロリとやるのは、やっぱり勘弁して欲しいなあ・・・(笑)
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