食材


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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先日テレビの番組で広島にあるハーブ農園の特集をしていた。
梶谷農園オフィシャルサイト
カンパネラ 三ツ星レストランに卸す農業をやる、と決めました。
そのオーナーの発想の柔軟さ、行動力、実力に感心した。

ところでこの連休中、何ヵ所かのレストランで食事をした。
そのうちの一つは、隣町の商店街にある小さなイタリアンのお店であった。
何でも人気店のようで、なかなか予約が取れないという。
Mrs.COLKIDが何度か接触して、やっと連休中に予約が取れたというので、母親と3人で行ってきた。

そこで出た料理を食べて驚いた。
美味しいのだ。
これなら都心の有名店に引けを取らない。
それどころか勝っているかもしれない。
満足度が非常に高く、母親もこんなに美味しいのは久しぶりと喜んでいた。

今まで郊外や下町にある個人経営規模のお店で食べた料理と比べて、味のランクがひとつ違う印象を受けた。
料理を褒めたので、シェフが挨拶に出てきてくれた。
料理にハーブが多用されているので、例の有名なハーブ園から仕入れているのかと思った。
さり気なく聞いてみたが、具体的にどことは言わず、お肉など他の食材も、作っている方たちがお店まで食べに来られて、話し合っているんですよ、と教えてくれた。

それで美味しさの理由のひとつが分かったような気がした。
実際にお店まで足を運んで研究するというのは、まさに前述の広島の農園のオーナーが実行したことである。
しかしハーブに限らず、各食材の生産者が同じようにお店に出向き、お店と協力し合って料理を作り上げているのだ。

シェフだけでなく、食材の生産者が一流の味というものを理解し、そういうお店で使われることを前提で食材を作る。
お店が必要としている食材に柔軟に対応し、実際に皿の上に盛り付けられる状態を頭に描きながら作っているのだ。
恐らくお店と直結することで流通経路も短くなり、食材の新鮮さが上がることも味の向上に貢献しているのだろう。

前述のハーブ園のオーナーは海外に留学した経験があり、英語を自在に話すことが出来るので、世界各地の最高峰と言われるレストランを回り、実際に有名シェフと話し、どんどん最新の情報を取り入れているという。
テレビ番組でも、カメラが欧州のお店に同行したが、こちらがハーブの生産農家と知ると、先方のシェフが非常に協力的で、いろいろな食材を惜しげなく見せてくれていた。
まさにマーケティングの勝利である。
自分の足で最新の情報を収集し、エンドユーザーの要求に確実に応え、さらには新しい情報の発信も行っていく。

以前より、海外の有名店では地元の農家に専属で食材を作ってもらい、中にはお店の庭で独自に作物を作っているところもあるという話は聞いていた。
確かに料理の質は食材で決まる部分が大きい。
いつも行く京都の料亭でも、お米を自分たちで植えているという話がよく出る。
日本もそういう時代になり、料理の味が一段上がってきたのかもしれない。
料理もどんどん進化しているということだ。
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