COLKIDが日々の出来事を気軽に書き込む小さな日記です。
COLKID プチ日記
そっくりさん
D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2
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アメ横の靴店で、英国T社のそっくりさんの靴を見ていた。
そっくりさんと言っても、日本で作らせているので、作りはむしろ本家より丁寧である。
グリーンのものや真っ赤なもの、部分的にスエードを使ったものなど、仕様も大胆である。
見ると欲しくなるのだが、僕の歳でそういう「偽物」を履くのは、やはり少しカッコ悪い。
だから実際に買う気はなかったが、お店の人にいろいろ聞いてみた。
T社のカントリー・コレクションそっくりに作られた、短靴とブーツが用意されている。
よく聞くと、木型はどちらもオリジナルの短靴をベースにしているようだ。(本物は短靴とブーツとでラストが違う)
となると、ブーツの場合も4444ラストだから、僕にとっては都合がいい(笑)
サイズもUK表記と、変なところに凝っている。
本物との一番の違いは、グッドイヤーウエルト製法ではなく、マッケイ製法である点だという。
上から見るとウエルト部分にステッチが入っているが、それはダミーのようで、ひっくり返すとその位置ではなく、ビブラムのソールの少し内側にステッチが見える。
国内でグッドイヤーで作る設備を持つ工場は限られており、浅草にも3軒しかなく、金額的にも高くなってしまうのだという。
自分の足は短靴のラストに合っているから丁度いいと言ったら、マッケイなので同じサイズが合うとは限らないと教えてくれた。
グッドイヤーのように、履くにつれてコルクが沈み、足に馴染んでくる・・ということは少ないのだそうだ。
そっくりさんの靴のことで、話がどんどん専門的になってしまい、何だかおかしかった(笑)
ウォークオーバーのダービー。
甲革はチョコレート色のスエードである。
ちなみにダービーというのは外羽根式のことである。
ずっと以前より、ダークブラウンのスエードの靴が欲しかった。
濃いめのブラウンのチャッカブーツは持っているのだが、自分の中で好きな色の定義があって、その色は少し外れていた。
僕が欲しいのは、クッと目に染みるような、濃いブラウンのスエードだ。
そういう靴を履いている人を見ると、目が靴に釘付けになる。
似たタイプの靴が比較的安価に、いくつかの会社から出ている。
お店に行くたびに、それらを手に取ってみた。
しかし価格が安いなりに出来もいまいちで、何となく購入する決断が出来ずに今に至っていた。
なかなか気に入ったものに巡り合えず、宮城興業にオーダーしようかとさえ考えていた。
しかし、ふと立ち寄ったお店で試着させてもらったウォークオーバーのダービーが、結局はコレクションに加わることになった。
「雨だし、特別に負けてあげるよ」
というお店のおじさんの一言が決め手となった(笑)
ネット検索すると出てくるが、ウォークオーバー社は、1758年創業という、米国の老舗靴メーカーである。
戦後アメリカン・トラッドを代表する靴メーカーであったが、1990年代にブームが去ると、工場は閉鎖に追い込まれ、ブランド名も消滅・・という状態に陥った。
その商標権をイタリアのASAP社が取得し、アメリカのマーク・マックネイリー氏をデザイナーに迎えて、2010年に復活した。
トレードマークであったレッドブリックソールも再現され、細部にこだわりながら現代的リファインがなされている。
以前は細長いラストが特徴であったが、新しくなった時点で少し幅が広がったようだという。
それでもせいぜいE程度の幅で、足を入れてみるとやはり幅方向が窮屈に感じる。
26に相当するサイズ8を履いてみたが、土踏まずの部分が少し押されるのが気になる。
とは言え、それ以上のサイズではしっくりこないので、選ぶとしたらやはり8が適正だと思う。
紐を締めると、踵もしっかり固定される。
スエードは伸びる傾向の強い素材なので、多少どこかが当たっても何とかなると考え、思い切って購入することにした。
履いているうちに、だんだん馴染んでくるだろう。
ダークブラウンのスエードは、彩度の高い深みのある茶色で、目に軽い刺激を与えてくれる。
履いてみると、レンガ色のレッドブリックソールが、やはり目立つようだ。(上から見るので本人には見えない)
デザイン上合っているかはともかく、これこそがアメリカントラッドであるという証なのだ。
この素材は減りやすいのが欠点だというが、しなやかに曲がるので履きやすい。
グッドイヤー・ウエルテッドの本格的な作りの靴である。
しかし履き味はしなやかで、柔らかくて軽い。
紳士靴とスニーカーの中間的な位置にある靴・・といわれるのがよくわかる。
足を入れてみると、素材のスエードが柔らかいために、足の形に合わせて靴のサイドが少し膨らむ。
もともと丸っこいシェイプの靴であるが、形の悪い足に合わせて、さらに変形してしまうのは計算外であった(笑)
歩き出すと、土踏まずが押されて多少違和感はあるのだが、それが痛みに繋がる様子はない。
実際、半日も履いたら、足の形に馴染んでしまい、何の問題もなくなった。
段々と気に入ってきた。
このシリーズは、いろいろな種類が揃っており、価格も手頃である。
他の色も欲しくなってきた(笑)
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