COLKIDが日々の出来事を気軽に書き込む小さな日記です。
COLKID プチ日記
液体窒素
SIGMA DP1 Merrill
大きな画像
髪の毛の中の頭皮に、小さなできものがあった。
もう十数年も前からで、床屋で櫛でとかしてもらうと、ドンと石に乗り上げるようになる。
慌てた店員さんから、すいませんと謝られ、かえって恐縮していた。
それに何かで傷をつけてしまったらしく、ここ数日出血していた。
けっこう大量に血が出て、テッシュを当てて上から押すと、血で染まって真っ赤になる。
やめればいいのに、つい面白くて、どんどん押して血を絞り出してしまう。
赤い染みだらけのテッシュを頭に当てているので、Mrs.COLKIDが驚いて悲鳴を上げる。
そのうち大きなかさぶたが出来てしまった。
頭を洗うたびに傷つけてしまうのか、風呂上りになると出血する。
体が温まって血流がよくなるのだろう。
さすがにこれではまずかろうと、今日の夕方皮膚科に行ってきた。
ベテランの腕のいい先生だ。
しばらくかさぶたを睨んでいた先生が、決めたように「取ろう」と言った。
カルテの手術という欄に何か書いている。
液体窒素で患部を凍結させるという。
「あの、来週結婚式なんですが・・・」
「あんたの?」
「いえ、親戚のです」
「それが何か」
「髪の毛を剃られたら困ると思って」
「新郎でないなら、気にする必要ないだろう」
「そうもいきません」
「毛は剃らないから大丈夫だよ」
処置室に連れて行かれ、手術台に寝かされた。
看護婦さんが、痛いですよ・・と教えてくれた。
一時間くらい痛みが続くという。
そのまま麻酔もなしに液体窒素治療が始まった。
超低温の液体窒素を染み込ませた綿棒のようなもので、かさぶたを凍らせているようだ。
やられている当人には見えないから、よく分からない。
確かに、けっこう痛い。
先生から「我慢できる?」と聞かれて、ハイと答えたが、齢50の男が痛いですなんて言えない。
しかし何かで焼かれるような痛さだ。
表面は火傷に似た痛みで、そこから頭の中にガンガンと刺さるような頭痛が加わる。
まあ歯の治療のキーンと響く痛みに比べれば少しましか・・というところ。
どうなっているのかモニタで見てみたかったが、それだとさらに痛く感じそうだ。
三週間後にもう一度来るように言われた。
抗生物質と軟膏をもらった。
手で触れてみると、かさぶたは取れたわけではなくそのまま残っている。
少し経つとポロリと取れるのだろうか?
ネットで調べてみたら、この治療法は表面を凍結させて細胞を殺し、その下の皮膚を再生させる・・という工程を繰り返すことで、やがてずっと下の方にある細菌に感染した層まで壊滅させるのだという。
つまり何度か治療を繰り返さないと完治しない。
その痛みに耐えられず、途中で放棄する人も多いという。
突き刺さるような痛みは、一時間ほど続いていたが、やがてすっと治まった。
看護婦さんに言われた通りだった。
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