酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

新緑の京都雑感

2014-05-06 22:41:28 | 戯れ言
 京都から先ほど帰ってきた。GWで感じたことを手短に記したい。メーンの行事は妹の三回忌で、敬虔かつ厳粛に過ごすべきなのに普段通り馬券を購入する。POG指名馬は明暗くっきりで、ピオネロは青葉賞⑤着でダービー出走を逃したが、ベッラレジーナはスイートピーS②着でオークスに挑む。2年前の指名馬フェノーメノが天皇賞を制したこともあり、満足いく週末だった。

 法要後の宴で親族と歓談した。体調不良で列席できなかったり、体のあちこちに軋みを抱えていたりと、忍び寄る老いには抗えない。膝と肩の痛みが治まらない俺だが、緩和するための最高の方策がダイエットであることは重々自覚している。

 いつものように親戚の寺に宿泊し、母が暮らすケアハウスに通った。寺で従姉妹と話し、彼女の夫と長男が大のギャンブラーであることを知る。競馬はリアル馬主、麻雀はかなりの打ち手という。帰省した折、卓を囲む機会はあるだろうか。

 住職の従兄弟とニュースを見ていたら、緊迫したウクライナ情勢が映し出された。「ようわからん」と言うと、従兄弟からプロの見解を教えてもらった。従兄弟の高校の1年先輩は元ウクライナ・モルドバ大使で、つい先日、話をしたらしい。日本のメディアは<プーチン=悪、欧米=善>の図式で報じているが、元大使の見解は「欧米のウクライナ政策は酷いの一言。プーチンは間違っていない」……。何の蓄積もない俺は、首を傾げつつ頷いていた。

 住職を継ぐ次男は28歳のサーファーで週1~2回、主に丹後半島で波乗りに興じている。前稿で「緑の党が最も浸透しているのは京都」と記した。試しに彼に「緑の党、知ってる?」と聞いたところ、即座に「三宅洋平のとこですか」と答えが返ってきたから驚いた。サーファー仲間には緑の党支持者が多いという。環境保護の思いとアート志向の強さが、認知度の高い理由だろう。進取の気性に富んだ京都の土壌も大きい。

 ケアハウスで母とぼんやりワイドショーを眺めていたが、韓国の客船沈没と地下鉄事故に時間を大きく割いていた。韓国は安全に無頓着な国と言いたげだが、安全を掲げていた福島の原発事故を徹底的に追及したマスメディアが日本にあっただろうか。最大の課題である若い世代の内部被曝から目を逸らし、自然エネルギーを煽る向きにも違和感を覚える。

 ストーカー殺人もしつこく伝えられていた。罪を憎みつつ、同年齢(57歳)の犯人と自分を重ねてしまった。仕事もなく、同性異性を問わす親しい人間がいなければ、心はパサパサの砂漠になる。俺にしたって、歯車が二つ三つ狂っていれば、取り巻く景色は全くの別物になっていたはずで、何かやらかしていても不思議はない。そんなことを考えながら眠りに就いたら、殺人犯にでっち上げられた夢を見た。

 「光陰矢の如し」というが、俺ぐらいの年になると、ジェット機の如く時は後方に流れていく。死を覚悟して生きていた妹が示してくれたのは<どんな状況でも希望と目標を失わないこと>……。アラカンの俺が前向きなのは、全て妹のおかげだ。
コメント
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