<3269> 余聞 余話 「新型コロナウイルス禍におけるNHK紅白歌合戦」
コロナ禍の年越しこれやこの思ひ
今年は新型コロナウイルスの感染症に振り回された一年だった。年末に第三波のうねりで、第一波からの間隔で見るならば年に四回の波が来ることになる。波が来るごとに感染者を増やしているが、これはこれまでと同じような対策では感染拡大が免れないことを示すものである。何故なら感染者が増えた状態では、少ないときよりも感染者数が確率的に多くなるからである。
つまり、一波より二波、二波よりも三波の方が波が大きくなり、以後に続く。とすれば、四波はもっと大きい波になるわけで、そう考えておいた方がよいということになる。もちろん、季節の変動によるウイルスの変容やワクチンの有無等の条件に左右されるだろうが、最悪のケースを想定しておいた方がよい。医療体制に余裕がない状況においては、これは当然と言える。
それはそうと、新型コロナウイルスを思うに、大晦日恒例のNHK紅白歌合戦は要注意である。無観客でライブ配信されると言われるが、感染者が増えている状況下、自粛要請が出され、自宅に籠って年末年始の休日を過ごすことを推奨しているので、紅白歌合戦の視聴率は上がると想定される。
NHKにとっては喜ばしいことであろうが、老若男女が一つ部屋に集まってテレビを囲むというようなことが増えれば、そこには密の状況が生じ、感染しやすくなる。家族間では気が緩み、マスクなどせずに歌合戦を一部屋に集まって一同に会して観ることになる。この家族の中に無症状の陽性者が一人でもいればたちまち感染してしまう。第三波では家庭内感染が増えているというデータが報告されている。この報告を思うに、紅白歌合戦は要注意である。ましてや、人数が多く、高齢者を交える家庭ではより注意が必要になる。
番組が往く年来る年の深夜に及ぶ時間帯であるのも、このコロナ禍にあってはよくない。こうした点を総合してみると、NHKの紅白歌合戦は感染症において注視すべき番組のように思える。主催者として視聴者国民に向かって注意喚起の呼びかけをしなくてよいのだろうかと思ったりする。 写真はネット配信されたNHKの二十五日の都道府県の感染者数地図。