<3257> 余聞 余話 「花と実」
それぞれにそれぞれの花それぞれにそれぞれの実の草木の姿
花は結実への夢であり、結実への働きを負う。花の魅力はその結実を叶える所以によってある。つまり、花は命を繋ぎ、種を保持し、発展させるという生に共通する大義名分を秘めてある。ゆえに共感される。花の多様性は、実の多様性で、草木の多様性を意味する。花の充実は実の充実に繋がり、それは、即ち、草木の充実にほかならない。
冬は実の時期で、霜枯れた草地を覗いてみると、結構いろんな実が見られる。その実は花の成果で、霜枯れる前の旺盛な草木のあるは春、または夏に見られた花の働きの結果である。その草木の姿は四季を彩り、私たちの感性にも関わりを持ちながら存在している。これは、つまり、生の共存の一つの姿であり、自然が則るところの風情ということになる。
写真は散策の道端で見かけた草木の実。左からニラ、ハゼノキ、クズ、ワルナスビ、ジシバリ(冠毛の下側に痩果がついている)。