大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2020年12月02日 | 植物

<3245> 大和の花 (1139) トダシバ (戸田芝)                                                    イネ科 トダシバ属

                                                                                 

 荒川の戸田原(埼玉県)に多く見られたことによりこの名があるといわれる多年草で、日当たりのよい山野の草原に生え、群生することが多い。茎は直立し、高さが30センチから1.2メートルほどになる。葉は長さが15センチから40センチほどの線形。

 花期は8月から10月ごろで、茎頂に長さが8センチから30センチの円錐花序を出し、紫色を帯びた小穂を多数つける。小穂は長さが数ミリで、2個の小花があり、上部の小花は両性で結実するが、下部の小花は雄性で結実しない。芒はあっても短い。

 北海道、本州、四国、九州に分布し、朝鮮、中国、台湾、ロシアに見られるという。私は葛城山の草地で群生するのを見かけた。別名バレンシバ(馬簾芝)。なお、毛の有無により、ケトダシバとウスゲトダシバに分ける考えもある。 写真は花期のトダシバ。 ありがたし師走 湯舟に漂へり