<3245> 大和の花 (1139) トダシバ (戸田芝) イネ科 トダシバ属
荒川の戸田原(埼玉県)に多く見られたことによりこの名があるといわれる多年草で、日当たりのよい山野の草原に生え、群生することが多い。茎は直立し、高さが30センチから1.2メートルほどになる。葉は長さが15センチから40センチほどの線形。
花期は8月から10月ごろで、茎頂に長さが8センチから30センチの円錐花序を出し、紫色を帯びた小穂を多数つける。小穂は長さが数ミリで、2個の小花があり、上部の小花は両性で結実するが、下部の小花は雄性で結実しない。芒はあっても短い。
北海道、本州、四国、九州に分布し、朝鮮、中国、台湾、ロシアに見られるという。私は葛城山の草地で群生するのを見かけた。別名バレンシバ(馬簾芝)。なお、毛の有無により、ケトダシバとウスゲトダシバに分ける考えもある。 写真は花期のトダシバ。 ありがたし師走 湯舟に漂へり