大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2015年08月16日 | 写詩・写歌・写俳

<1345> 新続々々我が家の雨蛙

         逝きし人 ありて今夏の 暑さかな

 猛暑の八月はじめ、身近にもこの猛暑に倒れ亡くなった人が出た。ひつっこいようだが、この猛烈な暑さに耐えながら姿を見せている我が家の雨蛙ぷくぷくのお父さんについて。お盆の間ずっと、今日も所定の二階ベランダ下の雨樋の上に鎮座して居間の方に顔を向けている。動く気配のないのはいつもの通り。ときに姿を消すが、気にしていると帰って来るという次第で、この繰り返しは五月から。既に三ヶ月になる。

            

  これだけ長いと、この雨蛙はお客さんというよりも家族の一員のように思え、何か愛しい気持ちが湧いて来る。雨戸を開けると一番にぷくぷくのお父さんの姿を確認するのが我が家の日課になって、この夏はある。で、妻との朝の会話も、まず、ぷくぷくのお父さんに始まるという具合である。

  それにしても、このぷくぷくのお父さんは雨蛙の本来の色である緑色の姿を見せない。居場所の背景に合せる本能が働くからだろうが、いつも写真のような白っぽい茶系統の色をしている。今日も日中はじりじりと暑く、隣家のサルスベリは真っ赤な花を旺盛に咲かせている。ぷくぷくのお父さんには耐えの一手という感じがうかがえる。 写真は左から十四、十五、十六日のぷくぷくのお父さんと隣家の庭に咲くサルスベリ。

    百日紅 隣家の庭に 燃え盛る 午後の道には 人ひとりなく