大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2015年08月11日 | 写詩・写歌・写俳

<1342> 猛 暑 の 夏

           老いの身へ少し踏み入る感 猛暑 路傍の草の日照りに萎れ

                         

  尋常でない猛暑が続いている。今日も日中は強烈な暑さだった。この暑さの中、甲子園では高校野球が行なわれている。辟易する暑さにも選手たちは元気いっぱいにプレイしている。今年は戦後七十年の節目の年であるとともに、戦争が出来る国にする安保法制案が国会で議論され、反対意見の多い中で、法案は自民、公明の与党多数により可決の方向にある。で、市井には反対の行動が見られ、世の中はいよいよ熱くなっている。では、今年の夏の様相に関して詠んだ幾首かを以下に。  写真はイメージ。昇り来る太陽と草いきれの空地。

     また一人逝きし人あり 無常とは移ろふ時の定めの言葉

   暑の午後の住宅街は人気なし 高齢化社会の病弊抱へ

   草いきれの激しき空地より募る暑のただ中に 鳴くきりぎりす

   我らみな生あるものは死に至る旅を行くもの 酷さに尽きる

   救急車暑のただ中を走り行くいま限界を生きゐる人よ

    熱中症我がこの身にも迫り来る 敗者のごとき意識ふと差し