<1342> 猛 暑 の 夏
老いの身へ少し踏み入る感 猛暑 路傍の草の日照りに萎れ
尋常でない猛暑が続いている。今日も日中は強烈な暑さだった。この暑さの中、甲子園では高校野球が行なわれている。辟易する暑さにも選手たちは元気いっぱいにプレイしている。今年は戦後七十年の節目の年であるとともに、戦争が出来る国にする安保法制案が国会で議論され、反対意見の多い中で、法案は自民、公明の与党多数により可決の方向にある。で、市井には反対の行動が見られ、世の中はいよいよ熱くなっている。では、今年の夏の様相に関して詠んだ幾首かを以下に。 写真はイメージ。昇り来る太陽と草いきれの空地。
また一人逝きし人あり 無常とは移ろふ時の定めの言葉
暑の午後の住宅街は人気なし 高齢化社会の病弊抱へ
草いきれの激しき空地より募る暑のただ中に 鳴くきりぎりす
我らみな生あるものは死に至る旅を行くもの 酷さに尽きる
救急車暑のただ中を走り行くいま限界を生きゐる人よ
熱中症我がこの身にも迫り来る 敗者のごとき意識ふと差し