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〈七つの原則〉の人類への応用 第5原則〈独創性〉第6原則〈ユビキタス〉第7原則〈革命的な思考力〉

『危機とサバイバル』より 日本は〝21世紀の危機〟をサバイバルできるか? ジャック・アタリ

危機は人類が進化するためのチャンス--第5原則〈独創性〉

人類は、自分たち自身の存在に迫りくる脅威を、チャンスに変えることができるようにならなければならない。人類は今後、例えば、宇宙や水中、極端な気温においても、食糧を確保できる新たな方法を考察せねばなるまい。また人類は、人類の活動が原因である気候変動を地球工学によって阻止しなければならない。例えば、植林によるC02の吸収や、地表の反射率を上昇させて太陽の幅射の一部を変動させることである。

しかし今日、ほとんど誰もこうした懸念を抱いていない。これら脅威を意識している者はまだほとんどいないし、サバイバルだけでなく人類の大きな飛躍のためにも、こうした脅威を研究しようという意欲や、研究法を探り出そうとする者もほとんどいない。

「未来の人類」を構想する--第6原則〈ユビキタス〉

人類の未来を考えると、SF的な話にならざるをえないが、人類の本質を存続するために、人類は、ほかの惑星に移住する、あるいは根本的に異なる生活条件に対応可能となるために自己の遺伝子を組み換えて「超生命力」を発揮するなど、かなり大胆な戦略を考察する必要に迫られる時が訪れるかもしれない。つまり「未来の人類」の構想である。

サバイバルのためには、人間固有の意識のアイデンティティは確保しつつも、他者になる、あるいは想像世界に入り込むこともありうる。

グローバル・ガバナンスと不服従者の決起--第7原則〈革命的な思考力〉

世界の大混乱をガバナンスするには、革命的な変革を起こす以外、現実的解決策とならない場合もありうる。

襲撃すべき世界版の〝バスティーユ〟など存在しないにせよ、きわめてユートピア的な世界政府の樹立を提唱する前に、少なくとも地球規模の「大議会」を設立すべきだろう。この地球大会議の目的は、人類的・地球的な危機や脅威に対して緊急に対策を進めることだ。そして、地球大会議は、これらの原則を大規模に実行に移すことを検討するため、各国政府の代理となるのである。

地球大会議では、「人類の権利および義務に関する憲章」を練りあげ、これを実行に移す地球規模の機関を設立する。地球大会議の役割は次の通りである。世界機関による世界的な共通財の保護、世界単一通貨の発行、資金分配の公的システムの設置、金融市場の制御システムの設立、武器の密売・売春・麻薬の闇取引の摘発など。

この前提となる革命的変革は、遠い彼方にあるとしても、すでにわれわれの視野には入っている。それを実現するためには、人類の自滅に向けた現在の歩みに服従しない人々の決起が必要となる。

第二次世界大戦前に、フランスの作家アンドレージッドは、日記に次のように書き残している。

「世界が救済されるとすれば、それは服従しない人々によってであろう。彼らがいなければ、われわれの文明や文化、そしてわれわれが愛したものや、地球に暮らすわれわれの存在に隠された根拠を与えたものは、もうおしまいだ。こうした服従しない人々こそ、〝地の塩〟〔模範となる人々の意〕であり、。神の責任者‘である」。
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未唯空間大分類の変更

1.自分

 1.1 存在と無からの出発

 1.2 生まれてきた意味から存在の力

 1.3 存在することは考えること

 1.4 ローカルとグローバルで社会を見る

 1.5 内なる自分から未唯空間

 1.6 未唯空間で考えを体系化

 1.7 未唯空間からサファイア革命

 1.8 全てを知ることで自己肯定

2.数学

 2.1 真理があるとしたら、数学にある

 2.2 トポロジーを社会に適用

 2.3 トポロジーは変革の先駆け

 2.4 サファイア循環を発見

 2.5 サファイア循環を理論化

 2.6 未唯空間で社会を表現

 2.7 新しい数学で変革シナリオ

 2.8 LL=GGで二元化を予測

3.社会

 3.1 社会の全体像がつかめない

 3.2 社会は地域と全体からなっている

 3.3 環境社会の4つの方策

 3.4 サファイア循環での見方

 3.5 クライシスには地域が主体になる

 3.6 コミュニティに知識と意識を集約

 3.7 コミュニティから新しい行政

 3.8 分化と統合の新しい民主主義

4.歴史

 4.1 国民国家から全体主義

 4.2 各国の歴史から世界の流れを知る

 4.3 国民国家の課題と対応

 4.4 分化と統合で幸せへの道

 4.5 クライシスには地域主体で対応

 4.6 市民と国の間にコミュニティが存在

 4.7 ソーシャルで多様な組み合わせ

 4.8 内なる歴史でLL=GGの未来予測

5.仕事

 5.1 システムで皆の夢をかなえる

 5.2 サファイア循環を見つけた

 5.3 サファイア循環を販売店環境に適用

 5.4 販売店中心の二重ループ構造

 5.5 サファイア循環をシステム化

 5.6 お客様とつながり、クルマを使う

 5.7 クルマを使う、いい社会

 5.8 店舗コミュニティを地域に展開

6. 本・図書館

 6.1 多読により、市民の分化が始まる

 6.2 図書館活用で町を活性化させる

 6.3 著者の思いを市民に拡げる

 6.4 図書館はコミュニティを支える

 6.5 知の入口は情報センターとアゴラ

 6.6 ライブラリ環境で思いをまとめる

 6.7 ポータルと電子書籍で図書館を変える

 6.8 本で今を知り、未来を考える

7. 生活

 7.1 考え抜くための時間をもつ

 7.2 ミッションから内なる生活を追求

 7.3 孤立した存在で夢をもつ

 7.4 存在の力で全てを知る

 7.5 最後まで考えること

 7.6 未唯空間から社会の位相化

 7.7 全てを知り、全てを表わす

 7.8 歴史の変革を預言する

8.販売店

 8.1 販売店要望を絞り込む

 8.2 スタッフに情報を集約

 8.3 メーカーがお客様とつながる

 8.4 いい町・いい社会を志向する

 8.5 ポータルでコミュニティを構築

 8.6 コミュニティで知識と意識

 8.7 企業は社会の位相化に対応

 8.8 企業は環境社会を支援

9.環境社会

 9.1 地球規模の課題と環境社会

 9.2 環境社会に地域と企業で対応

 9.3 2030年までの環境社会シナリオ

 9.4 地域の環境社会への移行

 9.5 分化と統合の関係

 9.6 シェアする社会

 9.7 環境社会の政治・経済

 9.8 超国家と地域社会の二元化

10.次の世界

 10.1 コミュニティで個人から組織の分化

 10.2 存在の力から公共意識を育成

 10.3 超国家=個人の関係で未来を極める

 10.4 環境社会で市民主体民主主義

 10.5 歴史哲学が歴史を変える

 10.6 情報共有で社会の位相化を実現

 10.7 全てを知ることで存在を確認

 10.8 存在と無から存在の無へ帰する
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〈七つの原則〉の人類への応用 第2原則〈緊張感〉第3原則〈共感力〉第4原則(レジリエンス〉

『危機とサバイバル』より 日本は〝21世紀の危機〟をサバイバルできるか? ジャック・アタリ

「未来の歴史」という思考を持つこと--第2原則〈緊張感〉

人類は超長期的に人類を脅かす恐れのある出来事の重要性を意識し、そうした事態に備えなければならない。

この目的のためには、人類はまず自らの過去を知り、人類が数千年ものあいだをサバイバルしてきた苦難を確認しなければならない。次に、人類は自己の存在意義を見つけると同時に、長期計画を打ち立てなければならない。

この長期計画では、人口・経済・エコロジーの面から、少なくとも一世紀先の出来事を織り込む必要がある。

さらには、宇宙における人類の存在意義の確立を目指す計画も立てなければならない。例えば、宇宙に進出して暮らす、純粋な精神「ノウアスフィア」となるなどである。

地球環境に対する合理的利他精神--第3原則〈共感力〉

最近の調査によると、これまでの七回の大量絶滅のたびに、生物種が大量に減少しはじめるかなり以前から、植物群の減少、さらには個別の植物種の減少など、エコシステムが衰退する予兆があったという。言い換えると、さまざまな生命の様子をきちんと分析していた者なら、種の絶滅を予測できたということである。

したがって今日、人類は、人類の同胞となる味方を作るために、そして人類を破壊する恐れのある脅威を見抜くために、人類以外の生物種を正しく理解することを目的とする恒常的な監視体制を組織しなければならない。ここでもまた、合理的利他主義(ここでは自然に対する)がサバイバルの条件となる。

人類を取り巻く環境、とくにすべての生命の在り方そのものに対して〈共感力〉を持つためには、人類は現存する専門能力を結集させなければならない。とくに、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」がまとめあげた専門家の総括テクニックを利用すべきである。IPCCとは、非常に多くの気候の専門家の知見を常時凝集させる、きわめて特殊な国際組織である。人類は、こうした総括テクニックを利用して、人類を脅かす恐れのあるあらゆる危機を分析する技術を会得し、監視制御モニターのようなものをつくり、透明性のある警戒指標を掲げる必要がある。

世界的な共通財の保護--第4原則(レジリエンス〉

人類の進化の過程で、ヒト属がまだ複数存在して枝分かれしていたとき、つまり地球上の各地でさまざまなやり方でサバイバルしていた数十万年前、わが人類は、著しい〈レジリエンス〉を持っていた。ところが、ホモ・サピエンスーサピエンスと呼ばれるわが人類は、唯一の人類となった瞬間に、持っていた〈レジリエンス〉を大幅に失ってしまった。そのときから、人類の民族的・文化的な多様性は失われはじめ、人類を構成するグループ間の差異は縮まっていった。人類は、人類全体が絶滅する危険性に対する最後の砦となる〈レジリエンス〉を失わないように配慮しなければならなくなったのである。

また、人類は、人類を破壊する危険性のある脅威、あるいは人類に甚大な損害を与える恐れのある脅威に対して備えなければならない。人類は、予見される危機に備え、行動計画を練りあげなければならないのだ。さらには予見できない危機に対して警戒計画も練りあげなければならない。人類はとくに世界的な共通財を定義しなければならない。世界的な共通財とは、大気・水・エネルギー・食料を生産する耕作地などの人類のサバイバルに絶対条件として必要不可欠なものである。それらの財には、〈レジリエンス〉が要求される。つまり、人類はそのような世界的な共通財を聖域化しなければならない。世界的な共通財を人類に役立てるには、必要に応じて、それらの財に市場原理を適用しないようにすることだ。
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〈七つの原則〉の人類への応用 第1原則〈自己の尊重〉

『危機とサバイバル』より 日本は〝21世紀の危機〟をサバイバルできるか? ジャック・アタリ

人類の敵は人類自身である--第1原則〈自己の尊重〉

私たち人類には、いまだに「人類」であるという自覚があるとは言えない。また自分たちの存在意義を明確に意識しているわけでもないため、人類は〈自己の尊重〉を欠いているのである。

ところが、人類の最悪の敵とは人類自身であるので、人類の〈自己の尊重〉こそが必要なのである。実際に、人類は人類自らの手による無意識の自殺的行為によって、いとも簡単に自己破壊してしまう恐れがある。

つまり、人類全体の存在に襲いかかる危機を、人類に意識させることが最初の戦いとなる。

この戦いは、人類の構成員である一人一人の個人の権利の戦いとは何の関係もない。つまり、「各人の人権」と「人類の権利の地球的尊重」とは何の関係もないのである。

人類の存在意義は、完全に哲学的な謎に包まれたままである。

個人・企業・国家とは異なり、人類には存在意義があるのか、また、存在する権利があるのかも知るよしもない。

例えば、人類の究極目的を自問することなく、単純に人類はサバイバルすることが重要だと考える者がいる。また、人類の崇高な行為を完璧に仕上げる、あるいはこれを保護することが重要であると考える者もいる。さらには、ほかの惑星に入植することが重要だと考える者さえいる。いずれにしても、人類の権利は、基本的にわれわれ全員のものである以上、絶対的なものと考えなければならない。

人類による人類の尊重には、まず人類の権利が何なのかを知る必要がある。ところが、多くの人類は、自分たちの言語や文化から遠い人々と交わることもなければ、友愛を分かちあうこともない。人類全体が団結することは、さらに少ない。

しかしながら、人類は、過去・現在・未来の人類全体として、かなり明確に定義できる。生物学上、人類という種が誕生してから、せいぜい数万年しか経過していないという点において、人類を定義することは簡単である。ある者は人類を「ホモ・サピエンス・サピエンス」と呼び、また人種で「人類」を定義する者もいる。

次に、この人類の権利を定義して尊重しなければならない。この権利は、ほかの生き物の権利と区分することはできないと考える者もいる。彼らは次のような疑問を抱く。人類が人類を殺してはならないとすれば、人類がほかの生命を殺すことは許されるのであろうか。許されるとすれば、一定の限度があるのではないか。とくに、人類が人類以外の生き物を絶滅させることを許してはならないのではないか。

一方、人類には特別な権利があると考える者もいる。いずれにせよ、そういった者たちは、人類がサバイバルしようとするのは、人類の義務だと考える。

人類のサバイバルのための最初の課題は、お互いに憎しみ合うことをやめ、人類の永続性を重視し、人類が自己を貴重な存在であると認識することである。

しかし、今までのところ、この権利がきちんと謳われている法的文書はまったくない。

人類の存在意義についてさえ、ほとんど言及されていない。一般的に、国際条約の前文などにおいて人類の権利について軽く触れられているが、実際には、これは各人に認められた権利を単純にまとめあげたものに過ぎない。

例えば、一九七八年に採択された「人種および人種差別に関するユネスコ宣言」の前文の五段落目には、次のように記されている。

「人類の本質的な単一性、したがって、すべての人間やすべての民族基本的な平等性は、哲学・道徳・宗教の最も崇高な表現によって確認されているが、これは今日では倫理と科学が収束する理想を反映していると確信している……」。

この前文では、人類を保護することではなく、人類各人の権利の平等を宣言しているだけなのだ。

同様にして欧州議会で練りあげられ、T九九七年一一月▽九日に採択された「人権と生物学・医学とに関する協約」においても、その前文のI〇段落目で「人類」について言及している。だが、この一文も人類各人を保護することしか述べていない。その一部を引用すると、「人間の尊厳を保証する必要性を認識し、人類の一員として、また、個人として人間を尊重する必要性を確認して……」という具合である。

また、ドイツなどの法律と同様に、フランスの法律は生物種としての人類の保護を定めている。フランス民法の一段落目二(条の四項、人間の身体に関する一九九四年七月二九日の法律によると、「何人たりとも人類の健全性を侵害することはできない」と記してある。これは、優生学・クローン人間・人類に対する犯罪などを禁止する、そのほかの法律で補強されている。

つまり全人類を対象とする〈自己の尊重〉は、過去および未来の生きとし生ける者の利益に懸念を抱く、各人の利他主義を前提としている。

同時に、人類は、自己のサバイバルにとって必要なほかの生物種のサバイバルに対しても〈共感力〉を示さなければならない。人類の〈自己の尊重〉により、人類はすべての生命を尊重しなければならない。個人・企業・国家がすべての生命を尊重しないために、人類全体の運命に悪影響をおよぼす危険性があるときには、断固として戦わなければならない。

そのためには、われわれ人類は、〈自己の尊重〉という理念に基づく制裁措置を備えた「人類ならびに生命の権利と責務に関する憲章」を練りあげ、これを実践する必要がある。だが現在、こうした状況とは程遠い。
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1分間のあいさつ

1分間のあいさつ

 案内と誘導担当であったが、わざわざ、カウンターを譲ってもらったみたいです。おかげで、1分間、話すことが出来ました

 今年の流行色は黄色かなという話をしました。この一瞬のためだけに、お互いに努力しています。それにしても、なんと短くて、なんと凝縮していることなのか。

 次は、木曜日です。長いなあ~。
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