久しぶりの雨。日頃見慣れた川沿いの風景が、雨の日のそれは水墨画風景へと変わる。谷間の霧は濃く、遠くの峰を覆う霧は淡白く、風景全体は薄いシルク透して見るよう。カーブを曲がるごとに違った光景が表れ、そのたびに濃淡も変化し長尺の屏風画を見ているようで飽きることは無い。
こんな錦川沿いには国や県市指定の無形民族文化財や天然記念物が数多くある。これは錦川の神秘な力が長い歴史の中でなせた技だろう。
文化財はその伝統が守られ引き継がれている。天然記念物は地域住民が協働でその保護に当っておられる。
そのうちの1つ、7年に1度行われる国指定重要無形民族文化財「行波の神舞」は4月7日から行われる。近郊近在から多勢の見物の人が訪れる由緒ある行事だ。1度訪れたことがあるが、ユックリと腰を落着けて見る神舞、そんな記憶が残っている。
菜種梅雨、桜のころはよく雨が降る。意地悪なもので土、日曜日が多い。週間予報では来週末も下り坂の予報だ。せっかくお見えになった方へ、錦川上流の素晴らしい水墨画をご覧いただきたいものだ。
このところ少雨で乾燥続き、先日見たダム湖の上流は湖底が表れていた。このままでは夏場の渇水が心配される、話しながら湖面を覗き込んだ。湖底となる前の庭石様の並びが見えた。今日の雨が慈雨となってくれれば良いが。
錦川の力を知らず、自然という画家が描いた水墨画の一角を、レンズを通して持ち帰る。この屏風絵はTVのお宝鑑定では幾らの値が付くだろうか。
(写真は車窓から見た錦川支流の風景)
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