朝、手帳を開くと「今日は5節句の一つの重陽」とあり、菊の花を生けるとある。そうなのか、と思うくらいで格別に思うところはなかった。ところが、スーパーの花店で品のいい婦人が「今日は菊を生ける日なので」と店員さんと話している。そういえば重陽は菊の花、という手帳の1行を思い出したが、菊の購入はしなかった。
日本の5節句は1月7日の人日(じんじつ)、3月3日の上巳(じょうし)、5月5日の端午(たんご)、7月7日の七夕(しちせき)、9月9日の重(ちょうよう)。七夕まではどれもなじみのもので、多少の真似事はしていたが、重陽は気にしたことはなかった。時代劇ではよく聞くそうです。
旧暦の9月9日頃は収穫の秋であり菊が咲く時期でもあり菊の節句とも呼ばれるそうだ。行事としては秋の味覚を楽しむのがいいそうで、菊には邪気を払う風習から酒に食用菊を浮かべて飲み不老長寿を願うという。花屋に重陽と菊がどのくらい浸透しているか知らないが、大型の菊の花は見えず仏花が並んでいた。
今まで上巳、端午の二つは雛節句、端午の節句として意識していたが、他の3つに節句という意味のあることをしらなかったし、何もしてこなかった。いや、店頭での「菊の花を生ける」話を耳にしなければ今日のブログにはならなかった。手帳に載っている小さな文字のこうした注記を「これはなに」という子ども心になって探ってみるのも面白そうだ。
(今日の575) 酒に浮く食用菊の色冴える
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