日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

二人旅

2024年05月08日 | エッセイサロン
2024年5月8日 毎日新聞「男の気持ち」掲載

 5月は息子の義母の十三回忌に当たる。生前は地域の話役として多くの人から頼りにされておられた。しかし、病には勝てず60代半ばで他界された。そんな息子の嫁の母と妻の二人旅を思い出す。
 2人の旅は関西に住む孫の誕生から始まった。どちらどう誘っていたのか私には分からないが、私は妻から2人分の乗車券の手配を頼まれる。約束の日、2人は広島駅で落ち合い、乗車後すぐに車内販売のコーヒーを買い、持参の菓子を食べながら話し込んでいたという。
 2人で出かければ3、4日は孫と楽しみ、息子の嫁の案内で観光名所などを訪ねた。帰宅すると旅の話はよく聞かされた。そして次の旅を楽しみにしていたから、よほど気の合う2人だったのだろう。
 こんな話をなじみの飲み屋のママさんにした。「嫁の母と息子の母が仲良く二人旅、1年に何回もなんて珍しい」と驚いたが、そのうち羨ましい関係ねと認めてしまった。
 妻は、嫁の案内で訪れた観光名所がテレビに映ると、旅のあれこれを今でも思い出し、折々の孫の成長を交えながら話してくれる。
 いろいろな事情で家族旅行の少なかった我が家。子供から手が離れ、初孫を抱き、その成長をじかに感じる楽しい旅は、嫁の母も同じだったのだろう。今は孫からの写真と一緒に届く「ばあちゃん元気ですか」のLINE(ライン)を楽しみに待っている。

 (今日の575) 文字打てば孫とつながり旅費要らず
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