竹で作られた箱が通りに置かれている。蓋もついている。両端に竹で作られた花さしには花が飾られている。黒い板塀に良く似合う。時代劇の町並みかとも思わせる。
この竹の箱が置かれたとき「なんの役目を担うのだろうか」と不思議に思った。今は若竹のころの濃い緑色の鮮やかさは遠のいたが、趣のある渋い黄色みに変わった。色変わりにつれ箱の用途への関心は薄くなり何年か経つ。
先日、朝ウオーキングのとき「燃えるゴミ」の袋をその箱へ入れる人を見た。市全域でゴミの分別持ち出しと有料化はかなり前から実施されている。その持ち出したゴミを入れておく箱だったのだ、のどにつかえていたものが落ちたような気がした。
ゴミの散乱やカラスの餌さアサリを防ぐためそれぞれのところで苦心苦労されている。ブルーシートやネットで全体を覆う風景は多くある。猪の出没する地区のそれは、底は鉄板で四方を鉄棒で囲み重そうな蓋が付けられ、転倒しないように固定された頑丈な作りの檻が置いてある。
持ち出したゴミを竹の箱へ入れておく。どなたの作かは知らないが、散乱などの防止だけでなく美観の観点からもいいアイディアと思う。ゴミ置き場へ花を飾る心遣いもこの地域の人たちなのだろうか。付近に同じ箱がもう1ヵ所ある。箱を眺めながら肝心なことはゴミ持ち出しのルールを守ることが大切でありマナーでもある、改めて言い聞かせた。
(写真:ゴミ入れには勿体ないような竹の箱)
味があります。暖かさがあります。