今日、夜明けの気温は12度ほど、それでも昼間は22度くらいで風もなく、青空の下では気持ちよい日和だった。散歩には絶好の日より、マスクを手にもってさわやかな空気を吸う。金木犀が塀の上から青い空にいい香りを贈っている。今年は柿が不作らしいが、数個の柿が日を浴びている。
そんなさわやかな日ざしの下で、私よりも高齢に見えるご夫婦、家の前で長椅子に並んで腰掛て語らい中。私は「こんにちは、いいお天気で」と声を掛け通り過ぎた。ふと、最近知った「偕老同穴(かいろうどうけつ)」という言葉を思い出した。それを知った発端は、最近は墓じまいや無縁墓が増えたという、ちょっとやりきれない話の中でだった。
その意味は「夫婦がむつまじく添い遂げること」という。「偕」は共にの意、「同穴」は墓を同じくするの意という。夫婦仲良く歳を重ね、死後は同じ墓に葬られることから、夫婦の愛情が厚く、契りが硬いことを意味するという。誰の結婚披露宴か覚えていないが、そんな意味の祝辞があったように思う。
偕老同穴という高尚な言葉など知ることもなく結婚して金婚式は過ぎた。同穴の日がいつ来るのか分かればそれなりの策はあろうが、定かでないことがたまに老後の心配や不安に連なることがある。それを気に病んでも仕方ない、「安居楽業」現状に満足し自分らのこれからを楽しんでいきたい、いい政治が行われることを願いながら。
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