夏はもう少し先だが「外出は強い紫外線対策をしっかりして下さい」と気象予報士が朝から注意を呼びかけていた。予報にたがわず暑い日、最高気温は27度近くで夏日だった。日替わの大きな温度差に体がまだ慣れていない。
あれだけ賑わっていた桜のトンネル、あのときからひと月と少し、そこは緑一色に変わりまるで別の場所かと思わせる。日差しを避けてこの葉陰のトンネルに入る。吹きよせる川風は天然クーラーが迎えてくれたくれたようで、散歩の速度を少し下げる。ひんやりとした空気から緑のエネルギーが伝わる。寝ていた先客の猫が1匹、退屈そうにゆっくり場所を変えた。
桜の葉が茂るとやって来るものがいる。あまり好かれることのない毛虫。すーと目の前にぶら下がってくることもある。花のあるころに姿を見せないのはせめもの幸い。それは人に遠慮しているのかそれとも怖いからかのどちらかだろう。丁寧に見てみたが見つけられなかった。小鳥たちにとっては貴重な餌になる。むやみに捕ってつぶしてはいけない気もする。
そんな緑濃い桜の葉が茂る枝に、夜桜を演出したぼんぼりが風に揺れている。そのぎこちなさが「花は過ぎた、早く休ませてくれよ」と駄々っ子のように見えて面白い。トンネルを出たところで少し早足に。白いコンクリートの舗装道で暑さが戻った。
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