アサガオの弦を「取り除くのはあっという間」、という家内の感想。種まきからおよそ4カ月、ネットに絡まった弦や茂った葉、向こう側が見えなくなるほどに育った。そして、気候不順な夏にひと言の小言も言わず、朝夕の水だけで何千個もの花を咲かせ、楽しませてくれた。ネットの広さは2メートル四角、ネットを破損しないように注意して弦を短く切る。
こまごました切り方をしていると、先般の土砂災害での救助捜索のスコップ作業の映像を思い出さす。重機での捜索が始まってもスコップでなければ掘りかえせないところもある。床下に流れ込んだ土砂撤去、これはスコップしか頼る道具はない。子どものころ経験した土砂被害、床下のヘドロの粘っこさを思い出す。少量でも、そのひと掬いをしなければ前に進めないことを今も記憶している。
何十年もの計画で建てられた住宅、これを1時間あまりの降雨が無残な姿に変えてしまう土砂という自然の猛威にはクレームはつけられない。防ぐには防災の策を講ずるしかない。今日は、1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災にちなみ制定された「防災の日」。震災に係る訓練が多く行われているが、想定困難かもしれないが土砂災害を折り込んだ訓練も必要を感じる。
4カ月かけて育った弦を休憩も必要ない短時間で取り除ける。台風が来ても倒れないようにそれなりに工夫した支えも今夏は用をなさなかった。弦は無造作に伸びているようでも、しっかり絡まり合って助力しあいネットから離れないようになっている。小さな一粒に包み込まれた不思議さをいつももう。人は自然をまだ追い越せない。
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