火事を知らせるサイレンが鳴った。火災の方角は、消防車の吹鳴する音で分かる。見ると黒煙が昇っていた。電話で場所を確認する。直線で1.5㌔あまり南の方角。問い合わせる知人は思い出せなかった。
数分間、黒煙が立ち昇っていた。
定年など思いもしないころ、会社の独身寮が放火により焼け落ちた。このとき警察と消防の現場検証へ立ち会った。と言っても見ているだけの立会いだった。出火場所が分かっていたので、その付近を中心に行われた。地味だが大変な作業をされていたことを思い出した。
隣家から火の手があがった方の話を思い出した。
防火のため、隣家との境界の壁にバケツで水をかけた。近所の方の手伝いを得ながら、手押しポンプで水を汲みながらかけた。幸い類焼は免れた。終わって気づいたという。手押しポンプの側に池があり、少し離れた所には散水用の蛇口があった。それらの水を使うということに誰も気づかなかった。
もう1つ、荷物を持ち出そうとした。一生懸命、箪笥の中から持ち出す衣類を選んだ。これも終わって気づかれたという。選ばなくても中の物をみんな持ち出せば良かったのにと。
火事場のばか力、米1俵でも石臼でもひょうい持ち上げるという。1度経験がある。小火ということで側にあった消火器を持って駆けつけた。使わなくて済みよかった、肩に担ごうとしてその重かったこと。駆けつけるときは全く感じなかった消火器の重さを知った。
「盗人は物は取るが家は残す。火事は物も家も失う」、どちらもいけないが火を出さない注意が肝心と、うすくなっていく煙を見ながら思った。
(写真:自宅の2階から見た、火事と思われる黒煙)
大変な火事だったんですね。
場所を見たら近くだったのでビックリしました。
お留守の間の出来事だったようですね。
怪我人などないようですが、
ご自宅が無くなりお気の毒です。