冷たい風もなく晴れて暖かい日、歩いていると汗ばむほどでジャージのファスナーを開ける。
芽の膨らみ始めた梅の木を幾本か見つけた。それが咲くとカメラ好きの人が訪れる1本だけ立っている紅梅の木がある。崩れた土壁と紅梅の組み合わせは風情があっていい。その木は芽が膨らもうとしている。それを撮る人もいた。
その近くで塀の外の花壇に菜の花が咲いている。菜の花は春の風物詩で桜の先導役のように咲くものと思っていたが、2本ほど咲いている。本番のころのそれより茎や葉が太く力強く感じたのは冬に耐えるためか、そんなことを思いながら撮っているときその家の主人が話しかけてこられた。
「正月に咲かせようと苦心したが失敗した」と話す。原因は「土つくりをしなかった。何でも基礎が大切ですいの」と苦笑いされながら、咲いていない葉に触れる。そういえば咲いている2本以外は背丈も半分ほどしか育っていない。自然の中で3カ月も早咲きさせ、通る人を楽しませる御仁なのだろうか。
今日は鏡開き。鏡餅を切るとか割るという言葉を避けて「開く」というのは縁起をかつぐ昔からの言い伝えという。鏡は円満を、開くは末広がりを意味するそうだ。また、鏡餅を食すことを「歯固め」という。これは、硬いものを食べ、歯を丈夫にして、年神様に長寿を祈る意味があるとか。
鏡餅のひび割れが多いほど豊作になるともいう。最近はプラ容器に入っておりひび割れはなく、開くときも柔らかい。早咲きの菜の花にひと足早い春を味わった日、善哉を口にしながら老いても粘りけのある健康体をと願った。
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