今日は父の命日、満50年になる。その時のことを、毎日新聞「はがき随筆」に「虫の知らせ」として投稿、掲載された。
夕食になってすぐ「明日病院へ行く」と母に言った。食事中、何かにせかされている気がした。 食べ終えて「今から行ってくる」と病院へ。父は急な訪問に驚いたが、笑顔だった。
消灯近くになった。帰り支度を始めた時、「お母さんを頼む」と言った言葉が最後になった。くも膜下出血の再発。当直は主治医だったが、2時間後に父は両親のもとへ逝った。
なぜ夕食後、急に病院へ急いだのかわからないが、これを虫の知らせというのだろう。そのため父の最期の言葉を聞き、臨終に立会えた。40年前のことだが、父の享年を10歳超えた今も思い出す。(2006.12.20掲載)
その日は3交替の1番方勤務で15時に職場を離れた。臥せている母は入院の父を見舞うことが叶わず、代わりに子ども5人が交替で病院へ出向いた。主治医の退院はまじかという説明に安堵していた矢先のことだった。50代半ば現役の公務員として急逝した。
50回忌は縁あるものが集い昨年済ませた。次の回忌は次代に委ねることになる。姉妹が仏壇に手を合わせに来宅。あの日のあれこれが話になる。半世紀、思い出せばいろいろあるが、若くして授かった試練だったと思う。一家、穏やかな日々を過ごしていることに感謝している。
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