みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

私は無力だ

2024年08月02日 | サムエル記第二

サムエル記第二 3章22−39節

 8月最初の日の当地は、昨日とは違い気温も上がらず、涼風が吹き抜ける一日となりました。少し体がホッとしています。

 3章後半には、サウル王に仕え今はダビデを全イスラエルの王とすべく動いたアブネルを、ダビデ側の武将ヨアブが殺したという事件が記されています。

 昨日の本欄最後に記しましたが、22、23節にもアブネルが「安心して出て行った」ということばが置かれています。自分が今為すべきことは為し終えたという充足感を持ちながら、アブネルはヘブロンを立ち去ったことが、「安心して」ということばから伝わります。

 しかし、その「安心」はすぐに終わってしまいました。アブネルを殺害したのはヨアブ。彼がアブネルをそのままにしておくべきではないと考えた理由は二つあります。

 一つは25節です。ヨアブはアブネルがダビデを惑わそうとしていると進言しています。この理由はヨアブ側からすればわが王ダビデを惑わす由々しき事態だというのですが、底にはアブネルに対するヨアブのライバル心、危機感があるように思います。

 2つ目の理由は、弟アサエルをアブネルが殺したことです。しかし、事件を振り返るとアブネルが何度制止を促してもアサエルは聞かず、アサエルのアブネルを追う勢いが死を招いたとも言えます。しかし、ヨアブはアブネルを許すことができませんでした。

 ダビデはヨアブによるアブネル殺害と自分は関係がないとし、アブネルの死を悼(いた)み悲しみます。この章最後のことばは、ダビデが重い課題を抱えてしまったことを伝えます。

 「きょうの私は無力だ」というからこそ、彼は「主が…報いてくださるように」と家来たちに言いえたのです。


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