ルカの福音書 23章1−12節
「この日、ヘロデとピラトは親しくなった。それまでは互いに敵対していたのである。」23章12節
爽やかな9月の晴天。受診した歯医者さんも「気持ちがいい日ね。楽しんで!」と送り出してくれました。
23章は、金曜日の出来事を記します。早朝の最高法院での審問で神を冒瀆すると判決を下されたイエスは、ローマ総督ピラトの所に連れて行かれます。彼は普段はカイサリアにいるのですが、過越の祭のエルサレムには大勢の人が詰めかけるために、暴動などが起こらないようにと、エルサレムに滞在していました。
イエスが十字架につけられたのは朝9時ですので、最高法院の審問、そしてピラトによる審問、さらにはガリラヤの国主ヘロデの審問と、三つの審問は朝早いうちに立て続けに行われたことが分かります。
そしてそのどれもが偽りに満ちたものでした。ユダヤ人の指導者たちはイエスを何としても亡きものにしたいとでっち上げの証拠を採用し、ピラトはイエスには死に定められるようなことが何もないと知っていながら自分の権威を歪め、ヘロデはイエスによって個人的な喜びを満たそうとしました。ピラトとヘロデが親しくなるということも、自分のことを考えてのことでした。
誰一人としてイエスのことを考えてはいないのです。自分(たち)のことばかり…。それらの偽りの審問のすべてを受けながら、イエスは何を考えておられたのでしょうか。神のみこころがご自分の身によって、ご自分が受ける苦しみと死によって為されることを、ずっとこの間思っておられたのではないでしょうか。