サムエル記第二 15章1−18節
「みことばの光」は今、11月号の編集をしています。執筆者の方とのやりとりを通して、より良い表現、気づかなかったミスなどの発見がいつもあります。
8月号。本日の箇所はアブサロムが父王ダビデに反旗を翻すために、大きく人生のかじを切ったことが記されています。
アムノンに妹タマルを凌辱されて以来、アブサロムはどれほどの時を費やしたのでしょうか。まず、アムノン憎しの思いを抱いての2年間、アムノンを殺害して国外に逃れての3年間、エルサレムに戻りながらダビデに会えずに2年間と、7年が過ぎていました。
そして彼は、父から王位を奪取するためにさらに4年をかけます。合わせると11年。これはつまり、ダビデとアブサロムとの心が通い合わなかった期間でもあります。
ここから、アブサロムの忍耐のようなものを覚えますが、今日の箇所ではさらに彼の賢さが伝わってきます。王のところに訴えに来る人々の心を「あなたの訴えは良いし、正しい」と持ち上げつつ、残念なことに王の側にはそのあなたの訴えを取り上げる者がいない、しかし私は、正しくさばくことができるとアピールするアブサロム。
このようなことを4年も続けるなら、多くの人の心を自分に引きつけることができたに違いありません。しかし読者の一人として、これが知恵の正しい用い方なのだろうかという疑問をぬぐうことができません。
7−9節に目が留まります。ほんのわずかの王との対話が、謀反の実行に通じるものだというのは悲劇です。