みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

彼の言うことを聞きなさい

2024年02月13日 | マタイの福音書

マタイの福音書 17章1−13節

 日本に一ヶ月ほど滞在します。さまざまな課題を抱えての帰国ですが、良い出会いがあるようににと、神に祈りつついます。

 子どものための聖書絵本や教材などに描かれているイエスの姿は、優しそうな表情をしているものが多いのですが、ここでのお姿はそうではありません。

 連れて行ってもらったペテロやヤコブ、そしてヨハネは、山上でのイエスの変貌を目撃して、感動で胸が張り裂けるばかりだったようです。

 さらに、彼らはモーセとエリヤがイエスといっしょに語り合っている場に立ち合います。モーセは律法を、エリヤは預言者を代表していると考えるならば、イエスが旧約聖書の律法と預言者が指し示していた約束を実現したメシアだということが明らかにされるのです。

 三人の驚きはさらに続きます。天からの声です。イエスがヨハネからバプテスマを受けられた時と同じ声です。3章17節に「これはわたしの愛する子。わたしはこれを喜ぶ」とあります。しかし、その時にはなかったことばがここで加えられます。それは「彼の言うことを聞きなさい」です。

 前章には、イエスがご自分の受難と十字架、そして復活を予告された時に、ペテロが「そんなことがあなたに起こるはずがありません」と言ったことがありました。ペテロは子のことばだけでなく、変貌されたイエスとモーセとエリヤとがいっしょにいるのを見て、勝手な「提案」をしています。

 「彼の言うことを聞きなさい」は、そのようなペテロ(たち)のことを前提にしての天からの御声でした。しかし、主イエスの言うことを聞くのは、その時の弟子たちだけでなくて、イエスを主、メシアと信じる人々が、いや、すべての人々が心すべき御声なのです。


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