みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

あなた自身の良心でなく……

2023年07月19日 | コリント人への手紙第一

コリント人への手紙第一 10章14−33節

 公園や道端で何度もばったり会ったことがきっかけで友だちになった方が帰国することになり、訪ねて来られました。日本に送る荷物は段ボールに4つと聞いてびっくり。「断捨離(だんしゃり)」をしたとのことでした。

 ここを読んで、「知識は人を高ぶらせ、愛は人を育てます」との8章1節のことばを思いました。

 すでにパウロは8章で、偶像に献げた肉について語っています。コリント教会の「知識ある人々」は、偶像などは元々はない、だから偶像に献げた肉を食べても汚れることはないと考え、それを実行していました。けれども、教会にはそのような「知識ある人々」の行動を見て心を痛める「弱い人々」がいたのです。

 ここでパウロは、一歩踏み込んで「偶像礼拝を避けなさい」と命じています。その理由は、彼らの知識の危うさにあります。パウロは偶像礼拝の背後には悪霊の働きがある、しかし「知識ある人々」はそのことに気づいていないと指摘しています。彼らは「すべてのことが許されている」と言います。だから、偶像に献げる肉を食べても平気だという理屈です。

 「自由」ということばはいつの時代も、誰にとっても大切な人間のあり方です。しかし、その自由が誤用されるとき、ある人の心は痛むのです。神への愛、隣人への愛が、自由とは何かを考えるときの、自由をどのように用いるかの鍵となるのだと、ここから考えます。「神の栄光を現すためにする」とはどのようなことなのかを……。


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