みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

平和の神なのだから

2023年07月26日 | コリント人への手紙第一

コリント人への手紙第一 14章20−40節

 昨日は四人で、来週開催されるクリスチャンの集まりのための準備をしました。ハンドブックに誤りを発見、修正ラベルを一冊ずつ貼って行く作業も加わりましたが、3時間半かけてほとんどの準備を終えることができました。

 コリント教会を混乱に陥れていた「異言問題」について書いてきたパウロは、異言を否定しているのではありません。賜物が誤って用いられることの弊害の大きさに気づくようにと促しています。

 26節に「すべてのことを、成長に役立てるためにしなさい」とあります。パウロは異言だけでなく預言する場合にも、秩序を重んじることを勧めています。意味が分からないことばの場合でも、意味が分かることばの場合でも、教会の公の集まりの時にはわきまえなければならないことがあるのです。

 「女の人は教会では黙っていなさい」とのことばが気になる人は少なくありません。このことばだけ切り取って用い、キリスト教は差別をしていると声を荒げる人が出てくるかもしれません。あるいは、このことばのゆえに教会で女性が発言すること、教えることが許されないということもありました。今でもあるかもしれません。

 しかし、このようなことばが出てくるときには、歴史的な背景や前後関係などを考える必要があります。33節にある「神は混乱の神ではなく、平和の神なのです」、また40節にある「すべてのことを適切に、秩序正しく行いなさい」などのことばが、「女は教会では黙っていなさい」の意味を解く鍵となるようです。

 コリント教会のある女性が、所構わず意味の分からないことばを発して混乱をきたしていたのかもしれないと想像されます。語るべき時に語り、黙しているときには黙しているのは大切なこと。語るべきときに語らないままでいるのも問題だということにも、気づきたい、です。


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