みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

その日

2019年10月09日 | イザヤ書

イザヤ書 27章

 お気づきかもしれませんが、毎日載せている写真の色合いは、めっきり赤が増えました。「こちらの紅葉は黄色が多くて」などと思っていましたが、近寄ってよく見ると、とっても美しい! ただ、その美しさがどれほど表されているかは別の話ですが…。

 本章も「その日」ということばから始まります。ここには、「ヤコブ」「イスラエル」という名前が何度か出てきます。預言者イザヤは、間もなく北王国イスラエルがアッシリアによって滅ぼされ、100年後には南王国ユダがバビロンによって滅ぼされるという危機を前にして、神がイスラエルを恵み、あわれんで、救ってくださるという、神の恵みの約束を語っているのです。

 10節の「城壁のある町」とは、神を主としてあがめることをどこかに置き去りにして、営々として自分たちの王国を作り上げようとした人々が頼りにしていたものを象徴しているようです。城壁があるからこの町はだいじょうぶだと安心し切っていた人々は、神のさばきの前には全く無力なのだという現実を、詩的に描いています。

 一方で12節の後半には、「イスラエルの子らよ、あなたがたは一人ひとり拾い上げられる」とあります。「一人ひとり」ということばに目が留まります。神が一人ひとりをご覧になり、一人ひとりにご自分の手を差し伸べ、声をかけ、力強く引き上げるような場面が心に浮かびます。そこで思い出したのは「十把一絡げ(じっぱひとからげ)ということば。何でもかんでも雑然とまとめて扱うという意味でしょうか。

 私たちの神は、そうではなく、一人ひとりを拾い上げられるのです。ありがたいことです。


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