みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

神が告げる

2019年10月03日 | イザヤ書

イザヤ書 21章

 色づく木の葉は陽射しの中でひときわ鮮やかです。

 本章には「宣告」ということばが1、11、13節にあります。バビロン、エドム、そしてアラビアへの神のことばが届けられます。そして、これらに共通しているのは、どの国も倒れるということです。

 預言者イザヤの時代、バビロンはアッシリアのあとに台頭する世界大の国家でした。

 イザヤが預言者として活動していた時からおよそ100年後に、南王国ユダもバビロンにとどめを刺されてしまいます。そして、ユダの主だった人々はバビロンへと捕囚されてしまうのです。9節の「倒れた。バビロンは倒れた」ということばに注目します。ここでのバビロンは歴史上出現した国家ですが、使徒ペテロが書いた手紙の中で、ペテロはローマ帝国をバビロンと呼びました。さらに、黙示録には「大バビロン」と呼ばれる勢力が登場します。これは、当時の大国ローマを指すとともに、やがてこの世界に出現する神に敵対する世界大の権力のことも指しています。

 そのバビロンが倒れるのです。バビロンの支配下にあった国やそこに住む人々は、自分たちの苦しみがいつまで続くのか思っていたことでしょうが、どんなに世界を制覇し、その頂点を極めた権力、権力者にも終わりが来るのです。

 この章の最後にある「まことに、イスラエルの神、主が告げられる」ということばを思い巡らしてみました。私たちが口にすることばの中には、無駄なものも、いい加減なものもあります。人をだますような巧言もあります。

「わたしの口から出るわたしのことばも、 わたしのところに、空しく帰って来ることはない。 それは、わたしが望むことを成し遂げ、 わたしが言い送ったことを成功させる」という55章11節にある神のことばを思います。


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