そこから見上げる

マタイの福音書１０章１６－３３節


　日曜日、当地では「鉄剣マラソン」がありました。「鉄剣…」と言いましても、参加者が鉄剣を持って走るのではありません。国宝になっている鉄剣が発掘された古墳群がこの町にあることにちなんだ市民マラソン大会です。きのうは、マラソン中継の解説では定評のある増田明美さんがいっしょに走ったとのこと。盛り上がったようですね。
　例年、礼拝開始時刻近くから交通規制が始まるので礼拝への遅刻者が必ずあるのですが、皆さん学習しておられるようです。

　主イエスは宣教に遣わそうとしている弟子たちにご自分の心を明かし、「心構え」を伝えておられます。
　「あなたがたを遣わすのは、狼の中に羊を送り出すようなもの」だと主は弟子たちを思っておられます。楽なことではない、むしろいのちの危険がいつもあるのだと案じておられるのです。そして、狼よりも強くなれと装備させるのではなくて、弱い羊たちがどのようにしたら務めを行なえるのかを伝えておられるのです。

　迫害は避けられない、家族の間にもあつれきが生じる、殺されるかもしれないと、主は起こりうることを包み隠さず弟子たちに話されました。「あまりにも大変だからだまっていよう」というような配慮ではなく…。

　きょうの箇所から、「みことばの光」が繰り返すさとさとすなおさとは、「そこから天を見上げる」ことではないかと思いました。
　「厳しい試練がある。けれども、あなたがたは天のお父さんに覚えられている。」主イエスの厳しくも愛のこもった一言一言が、弱い羊たちによって福音が世界に届けられて行く力になっていったことを覚えます。