霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

防衛費増額問題 その四

2022-12-31 17:16:28 | 社会
 今朝の毎日新聞社説は「日本政治この一年 国会軽視で進んだ大転換」と題し
主張していた。

 「ロシアによるウクライナ侵攻を受け、専守防衛の原則に基づく戦後の安全
保障政策を大きく変えた。
 増額する防衛費の財源は、借金や増税で賄う。東日本大震災による事故の
反省を踏まえて控えていた原発の新増設にも乗り出した。いずれも、秋の臨時
国会が閉会した後、国民的な議論を尽くすことなく政府が相次いで決定した。」

 
 同様に、若い頃、NHKの朝の顔だった下重暁子さんも「気がついた時は
遅し」(週刊朝日2023年1月6-13日合併号) と題し、自らの戦争体験を踏まえ
書いていた。

 なんとも、もやもやしている。このもやもやを引きずったまま、新しい年を
迎えるのがやりきれない。
 例の安全保障関連三文書である。日本が軍拡の世界的流れに乗るのか、違う
方向はないのか。国会での論戦もなく、閣議決定してしまう。何のために私た
ち国民の代表たる国会議員がいるのか。国民はもっと怒らねばならない。
 敵基地攻撃能力を持つことが抑止力になるという、一見もっともらしい理屈に
疑問を持たないではいられない。そのあたりがあいまいなまま次の段階に踏み
込んでいく恐ろしさ!
 私は太平洋戦争を知っているから、国民は何も知らず納得しないまま、気がつい
たら空襲警報のただ中にいたことを忘れない。いつだってそうなのだ。気がついた
時には戦争にすでに入っている。
 なぜその前に国民に知らせ、議論する過程が明らかにされないのか。閣議決
定とは何と為政者に都合のいいものか。しかも今回は、首相自身の考えがどこ
にあるのかはっきりしないうちに、うやむやに進んでしまう。
 果たして首相としての肝の据わった判断があるのか。世情の流れを見て、
合のいい方に乗っている気がする。だからこそふわふわとして国民は落ち着か
ないのだ。気のせいか首相の言葉にも重みや決意が感じられず、どことなく頼
りない。
 日本は何かを決定する過程が常にはっきりしない。うやむやのうちに事は進
行している。気がついた時はすでに遅しである。岸田首相は事の決定が遅いと
いわれるが、日本の将来の運命を決める大事には、時間をかけて、納得できる
論議と説明が欲しい。でなければ、再び前の戦争の二の舞いになる。二度とご
めんだ。

 2022年を表す文字は戦だという。ウクライナをはじめとする紛争がその
理由だろうが、実は来たるべき戦を示唆しているといってもいい。
 気がついたら戦争に巻きこまれているということのないよう、教育費や復興
予算などにあてるべき税金が知らぬ間に防衛費に使われないよう、見張らねば
ならない。

 マスコミの役割は大きい。財源もうやむやなまま、経済界を巻きこんだ経済
効率から戦争を考えるなどとんでもない。
 もっとも冷静であるべきマスコミが、まっ先に国のお先棒をかついで、自己
防衛に走るのはいかがなものか。
 かつてそれに似たことが太平洋戦争の始まりにもあった。もう一歩、人と人
との話し合いや日頃からの信頼があれば避けられたこともあったのではないか。
 ここは、日本の舵取りが試される時だ!

 サッカーワールドカップ決勝戦の結果を決めたのは、アルゼンチンの監督の
采配だった。
 優勝を決定したPK戦で全員が決めたのは、長い試合を見越して疲れのない
選手を残しておいたから。フランスはすでに疲れ切っていた。
 長い目で何が勝利に値するか。人と人が積み上げた実績が最後に物を言うの
ではなかろうか。
コメント (2)
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対症療法でしかないローカルルール

2022-12-30 17:42:28 | 産直
  私は「物言わぬ農民ではない。闘う百姓だ」を標榜している以上、理不尽な
要求に安易に従う訳には行かない。
 年末繁忙の最終日の今朝、JAファーマーズの担当者と口論になった。
 理屈に合ない的外れなルールを作って無理強いするので反論したが、「聞く
耳持たず」だった。
 止むを得ず店長にメールで抗議することにし、ネットで検索したら受付窓口は
(株)Aコープ東日本本社のHPだった。
 抗議文の生々しい部分を一部割愛して紹介したい。


 (ハクモクレンの冬芽)
                    
「JAファーマーズいわて平泉」店長 様

 産直コーナーに出品している生産者の熊谷千代子と申します。
 生産物を出品する際の「値札シールの切り取りルール」についてのクレーム
です。
 貴店では、値札打ち出しの際に機械に備え付けてあるカッターを利用せず、
一枚余分にシールを出し、その半分をハサミで切るよう指導しています。
 これは、一部の生産者がカッターで切り取る際に、適正な切り取り方をしな
いため次に利用する生産者が「シールがロールに絡まるトラブルに遭遇する」
ことから、その対処策として決めたルールです。
 しかし、このルールは折角機械に備え付けてあるカッターを活用しないばか
りか、シールを無駄にするだけでなく生産者に余分な稼働を掛けさせ時間も
浪費する「天下の愚策」と言える代物です。
 解決のためには、トラブルの原因となっている値札シールの正しい切り取り方
を指導すれば済むものです。 
 本件については、昨年末にも店長に文書で改善を要望していましたが、解決
されないままとなっています。
「トラブル解決は対症療法ではなく原因療法とすべし」はマネジメントの基本
です。
 改めて、再度の指導をお願いする次第です。

(参考)
1. 私は、15年以上に亘り他の数カ所の産直に、毎日出品を続けています
 が、他の生産者仲間同様に機械備え付けのカッターを利用し何のトラブル
 も発生していません。
  当然のことながら一関以外のJAファーマーズも同様にカッターを利用
 していてるものと思われます。
  このことからも、貴店の対処策が如何に愚策であるかが明らかです。
2. 私は 貴店で出品の際、数種類のシールを打ち出す場合は、種類毎に機械
 のカッターを利用して切り取っていますが、それによってトラブルとなった
 例は皆無です。
  しかし、最後の打ち出しの時だけは一枚白紙のシールを打ち出して終える
 ようにしています。
  それは全く無駄なことと知りつつも「おかしなローカルルール」との妥協
 の産物で、止むを得ず行っているものです。
                              以 上 
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「倫理観も夢も失った官僚」 その二

2022-12-30 04:10:43 | 社会
 一昨日の「倫理観も夢も失った官僚」に対し、お二人の方からコメントが
寄せられていたので本欄でも紹介したい。
 国を憂うる同志がいることは嬉しい限り。
 日本の民主主義は「死に体状態」ですが、諦めることなく声を上げ投票所に
向かいたいものです。


二流続くよどこまでも・・ (南部の不安)
2022-12-29 07:09:13
 いつも楽しみにして読ませてもらっております。道楽菜園で心地よい毎日を
過ごしてきましたがシーズン終了で手持無沙汰です。
 現在の政治を見ると、板の間稼ぎと、何かをやっているというアリバイ作り
に終始している感じがしてなりません。従って、実態を知っているまともな官僚に
はやりきれなさだけが残ると思います。少子化対策として打ち上げた出産一時金の
増額も、コロナ給付金の国民への給付も所詮目くらましにしか見えません。
 まともな国民を馬鹿にした話しで、国民をやめたい気持ちです。

政治って何 (sunasan)
2022-12-29 11:00:28
 南部の不安さんに同意します。国民をやめたいも同感ですが、老い先短い
小生にとっては、自然の摂理で寿命が尽き国民を続けることができないのですが、
孫子のためにも声を上げないといけないですね。
 昔は、総理がコロコロ変わっても、官僚がしっかりしていたし、経済界、
労働界もそれなりに役割を果たしていたので、ある意味安心していました。
 総理がコロコロ変わって困るのは外交力が強くならないことでした。
 しかし、戦後最長になった政権でも外交力は変わらなかった。好きな国だけ
訪問して金をバラまき、韓国、中国と絶交状況を作り出してしまった。
 この両国とは昔から心を許して国交を保っていたわけではない。
 しかし、それを超えて経済での結びつきで三国の利益が向上したのに、長期
政権で壊してしまった。
 この経済損失はナントカマスクの比ではない。
 官僚の凋落は本当に困ったものです。官僚政治も困りますが、私利私欲に
徹している政治家の政治よりましです。
 ランキングが下がったとは云え、まだ世界で通用する東京大学の出身者も
芸能界で頑張るのではなく、国の為に頑張る有為な人材を官界、政界に送っ
て欲しいものです。
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鶏舎

2022-12-29 18:18:26 | 家畜
 鶏舎からの堆肥搬出は年内に終わらせるつもりだったが、年末でヤボ用が多い
ばかりか、畑でトラクタが動けなくなるトラブルもあって遅々として進んでいな
い。 
 寒波が到来して大地が凍った朝とか、或いは積雪なってからでないと畑に入れ
ないようだ。

 鶏舎内の堆肥の量も半端ではないが、体力的に半日稼働が限界なので長期戦
を覚悟せざるを得ない。

 (暗くなって止まり木に並び始めた鶏達)

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「倫理観も夢も失った官僚達」

2022-12-28 18:19:47 | 社会
 日本が急成長した時代、「官僚は一流だが政治は二流」という言葉をよく耳に
した。
 ところが、今は「政治主導」の名のもとで人事権を握られた官僚達は「政治家
下僕」と化してしまった。
 
 
 そんな官僚について、古賀茂明氏が「倫理観も夢も失った官僚」と題して
書いていた。

 かなり前から、霞が関の若手官僚が次々に退職して行くことが話題になって
いる。その原因について、幹部職員の不祥事、長時間の無報酬での残業など
職場のブラック化、低い給与水準、スキルアップ機会の欠如などが挙げられ
ている。
 これを前提に各省庁は、残業時間縮減や国会業務の効率化などの対策を
少しずつ進めているが、私から見ると、残念ながら、ピント外れだ。
 実は、最近、それをあらためて強く感じることがあった。それは、私が
幹部候補の中堅官僚2人に匿名を条件に取材した時のことだ。
 この2人は、省庁の利権などには目もくれず、タブーなく改革を進めようと
する志の高い官僚たちだ。
 彼らへの覆面インタビューで、私は、近畿財務局の職員で、財務省の佐川
宣寿理財局長(当時)の指示で公文書改ざんという犯罪行為を強要され、
後に自殺に追い込まれた赤木俊夫さんのことを取り上げた。
 私の質問は、財務省では多くの人がかかわっていたのに、何故誰も異論を
唱えなかったのか、官僚の倫理観はどうなっているのかというものだった。
 私が予想したのは、安倍晋三総理(当時)の進退に直接かかわる重大局面
で、通常とは違った特殊な圧力を感じて、迷いはあったが、最後はやむにや
まれずやってしまったのだろうというような回答だったが、彼らの答えは
違った。
 こんなことは日常茶飯事だというのだ。
 霞が関では幹部クラスが皆、事務次官や大臣、官邸、声の大きい有力議員
の方を向いて仕事をしていて、しかもその内容が政治家や役所の利益のため
のものである場合が非常に多いが、公僕意識が希薄化し、まっとうな倫理観
に反することでも、それを止める力が働きにくくなってしまった。
 安倍政権で特徴的なのは、仕事の内容が国民のためになっているのかなど
と考えたり議論すること自体がなくなったことだ。
 今や、おかしいと思っても、部下たちが声を上げることなどほとんど考えら
れないという。稀にそういうことを試みても、周囲から冷たい目で見られた
上に議論さえされず、何もなかったかのようにスルーされてしまうから、どう
にもならない。幹部から、官邸に逆らうようなことはするなとあらかじめ釘を
刺されることさえ経験したというから驚きだ。
 この2人の官僚は、霞が関は絶望的だとためらいなく証言した。
「残業とか安月給などは承知のうえで官僚になった。それでも、国民のために
なる大きな仕事ができれば、やりがいがあると思って官僚を続けて来たが、今
や、そんなことは夢のまた夢。どこにも希望が見えない」と途方に暮れる。
 若手官僚の中でも大志を抱く人ほど現実との落差を強く感じ、優秀な人ほど
先を見て辞めて行く。もはや、若手に対して、国のために頑張ろうというのは、
白々しくて口にすることができないという。
 この話を聞くと、霞が関改革の議論の中心が職場のホワイト化というので
は、全くピント外れだということがよくわかる。
 一番大事なのは、国民のための政治が行われ、官僚がそのために働ける環境
の整備だ。
 霞が関再生には、党利党略で動く政治家、省庁利権にまみれ自己保身に走る
幹部官僚の一掃から始めるしかない。
 (週刊朝日 2023年1月6-13合併号)
コメント (3)
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