畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載92-3「烏」

2016-12-11 04:42:08 | 暮らし

   (父がタバコの煙を吹きかけると、陶酔したような様子になった)

    「烏」-3

そして、畑で他のカラスの群れを見ても何の反応も示さず、

「カッコ」は自分をカラスだと思っていないぞ、なんて家族では話していた。

 

家族の誰の腕にも平気でとまり、目の後ろ辺りを軽く息を吹きかけると、

直径数ミリの耳の穴が見えるのも初めて知った。

 飼ってみなければ分からない、不思議な習性もあった。

いや、「カッコ」だけの習性だろうが、煙に敏感に反応するのだ。

父が吐くタバコの煙に、肩に乗った「カッコ」がうっとりとし、

頭の毛を逆立て、両羽根をだらりと下げている写真が残っている。

 

あるときゴミを燃やす煙を見つけてシメタとばかりに、飛んで行き、

羽を広げて被さったものだからたまらない。

哀れ片羽根はボロボロに焼け焦げてしまった。それからしばらくは斜めになって飛んでいた。

 

 近所の猫は勿論、犬さえ馬鹿にしきって、突っついては脅かしていた。

挙句大きなシェパードもなめてかかり、鼻面を突っついたものだから、犬も堪忍袋の緒が切れた。

ガブリとやられてしまい、片方の羽が骨折したらしく、だらりと垂れ下がるほどの大怪我をした。

 

 しばらく小屋に入って「ガー」なんて情けない鳴き声を上げていたが、

付けてやった「赤チンキ」が効いたのかいつの間にか全快し、そして悪戯もまた復活していた。

                (続く)

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雪の中で最後の収穫(その1)

2016-12-11 04:24:39 | 

 昨日は朝方から天候は雪に変わっていた。

根雪になるかどうかは分からないが、かなりの積雪量になるという予報で最後を覚悟で山の畑へ。

 

 まだ雪は数センチしか積もっては居ないけれども、辺り一面は真っ白な世界。

気温の高い秋で、餌が十分に取れたのか、野ウサギの足跡は全く見られない。

 

 この雪の下はニンジンだけれども、これもごく一部の小さなものを除きすべて収穫済み。

今年はずいぶんたくさんのニンジンを播いたけれども、暑い夏で管理に難渋したものだった。

 暑さと日照りで、間引きができず混み合ったニンジンの成長が遅れてしまった。

でも、考え方でその成長が遅れたニンジンも後半には成長し、今までになかったほど量になった。

 

 軽トラに、最後の収穫物と一輪車を載せて帰宅の準備が終わる。

雪が多くなり、30センチを超えると軽トラの四駆でも帰られなくなってしまいます。

 

 「おーい、帰るぞー」と声をかけるが、まだニンジンを探っている。

十分に取りつくしたと思うのだが、まだ未練がありそうですね。

 

 まだ荷台には隙間があるけれど、実はここにも途中で積みたいものがあった。

さて、何を最後に積んだのでしょうか。次のアップで答えはお見せしましょうか。

           (続く)

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連載92-2「烏」

2016-12-10 04:32:04 | 暮らし

    (烏のカッコと母と妹)

         「烏」-2

 ある日の事、小学生たちがはしごを担ぎ賑やかに来る。見るとまだ羽根の生え揃わない、

カラスの雛を何羽か抱いている。私が独活(ウド)を採りに行った際に見つけて、

巣の在りかを教えたカラスの巣から、親の襲撃をかわしつつ、捕まえてきたのである。

 

 私が教えたのだから、一羽を譲ってくれと頼み、小柄ではあるが気の強そうな一羽を選んだ。

幸い家族全員が動物好きな我が家。誰も非を唱えることも無く、私のいない日中は、

母が面倒を見ることになった。

 

 他の家に行った子カラスは、全て死んでしまったが、母の世話のお陰か「カッコ」と名付けた、

我が家のカラスはすくすくと成長した。雑食性であり、餌に困ることも無い。

猫と同じに家に上がり込み、食卓のおかずをさりげなく見回し、気に入ったとなると、

すばやく咥えてしまうのだった。

 

畑仕事には当然のような顔をして付いてくる。母の背負った籠の縁にとまり、

坂道をゆらりゆらりと揺れて行く。畑ではコオロギなどの昆虫が大好物で探し回る。

 

赤い布切れを首に巻いてあげていたので、隣の畑に行ったりすると、

その畑の主は「赤い首飾りをしたカラスがいる」なんて大声を上げて驚いていたものだった。

            (続く)

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雪大根を採った後は・・・。

2016-12-10 04:02:13 | 山菜

 一人で大根を採り終えたけれど、お昼までには時間に余裕がある。

むくむくと、起こるキノコ採りの気持ちにあらがえず、藪に入るとほら、やっぱりありましたよ。

 

 木の高くて手は届かない幹に出ていた。周りを見て手頃な枯れ枝を見つけてつつき落とした。

はい、これはスーパーに「シメジ」として売られているキノコの原種で「平茸」と言う美味しいキノコ。

 こんな美味しい宝物が、少し農道を外れて探すだけで見つかるのだから田舎って良いですよ。

先日の「ナメコ」と言い昨日の「平茸」と言い、野性味たっぷりのまさに山の贈り物です。

 

 はいはい、遊んでばかりいる訳にも行きませんね。

昼食後はまたも一人で大根洗い。凍える手で束子を持ち雪大根を磨き上げました。

 

 大根は青首系だけではなく、残っていた変わり大根も採ってきました。

この大根だって、雪を浴びきっと甘さが増していることと思います。

 

 さて、大根を洗い終えても仕事に終わりは来ない。

今日の「越後の台所 すずきち」さんの仕入れに向けてクレソン採りに行きました。

 いやー、日が当たってきたとは言え、水が冷たい事冷たい事。

たちまち手は凍え、体は寒さで固まってしまいました。クレソンもそろそろ終わりかも知れませんが。

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連載92-1「烏」

2016-12-09 05:44:54 | 暮らし

     

     (カッコおはよう。起きたばかりでスベルべの瞼がはれて、一重だぞ)


          「烏」

 

 あーあ、今年もまたやられてしまった。あいつの好奇心の強さにはいつも参ってしまう。

せっかく植えたサツマイモの苗が、畑から抜かれそして並べられている。

そうカラスの仕業である。

 

 人間の奴め、何を面白そうに植えているのかなー。よし、居なくなったら調べてみよう。

とばかりに引き抜くのである。いやただ引き抜くばかりでは無くて、

またしっかりと並べておくのだから始末が悪い。

 

まるで、苗は配ったのに植え忘れたかのように見えるのだ。

テレビで紹介されたこともあったように、レールの上に石を並べる事さえあると言う。

 

 いたずら者の代表。悪知恵の持ち主。と悪評ばかりのカラスだが、本当は実に知能指数が高く、

驚くべき頭脳の持ち主でもある。

 

 子供のときから、動物好きだった私の愛読書に、「シートン動物記」がある。

その中にもいくつかの言葉を持ち、仲間とコミュニケーションを図る、カラスの生活が紹介されている。

 

 そんな、不思議な小動物、カラスを私は飼育したことがある。

残っている写真で私がその後名付けた「カッコ」の頭を撫でている写真では、

中学校の制帽を冠って写っているから、そんな年齢の時代の事である。

                          (続く)

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