霜後桃源記  

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そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

農事組合法人は誰のための組織か その九 違法仕入れを正当化することは不可能②

2021-11-30 20:58:24 | 社会
 「組合員の共同利益増進のため」に設立した農事組合法人が、組合員から
ではなくJAから餅米を仕入れることが違法であることは、常識的に考えても
明らかである。
 しかし、指導する立場にある市役所や県が全く理解出来ていないのは呆れ
るばかりである。
 もっとも、市や県の職員が法律や制度に疎いのは今に始まったことではな
いので、それを知りながら相手をしてしまった自分が馬鹿だった。

 同じ農政を担う役所でも農水省は別格で、市との対応で埒が明かない場合
は農水省に連絡して解決したことが何度もあった。
 その唯一の例外が多面的機能支払担当の課長補佐で、市の虚偽報告に惑わ
された気の毒な面もあったが、中味の無いハッタリ男だった。
 「道の駅」の違法仕入問題についても農水省に確認すれば直ぐに解決でき
たにも関わらず、その時の苦い経験が災いし徒に時間を費してしまった。

 その失敗に気付き、直ぐに農水省経営局協同組織課経営・組織対策室に
確認したところ明快な回答があり、「直ちに岩手県の団体指導担当を指導す
る」と約束してくれた。

 その根拠が下記の農協法(72条の10の三の3)だが、分かり易く解説して
くれたところによると、「レストランでJAの餅米を利用できるのは品質等の
善し悪しに関係なく全体の5分の1までに限定されている」とのこと。
 従って、「道の駅」のレストランのようにJA仕入れが100%の場合は、
80%が違法ということになるが、定款に定めが無いことから「その全部
違法」という結論に達する。

(今朝の栗駒山)
農協法第72条の10 
農事組合法人は、次の事業の全部又は一部を行うことができる。
一 農業に係る共同利用施設の設置(当該施設を利用して行う組合員の生産
  する物資の運搬、加工又は貯蔵の事業を含む。)又は農作業の共同化に
  関する事業
二 農業の経営(その行う農業に関連する事業であつて農畜産物を原料又は
  材料として使用する製造又は加工その他農林水産省令で定めるもの及び
  農業と併せ行う林業の経営を含む。)
三 前二号の事業に附帯する事業
2 組合員に出資をさせない農事組合法人(以下「非出資農事組合法人」と
  いう。)は、前項の規定にかかわらず、同項第2号の事業を行うことが
  できない。
3 第1項第1号の事業を行う農事組合法人は、定款の定めるところにより、
  組合員以外の者にその施設を利用させることができる。ただし、一事業
  年度における組合員以外の者の事業の利用分量の総額は、当該事業年度
  における組合員の事業の利用分量の総額の五分の一を超えてはならない。
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農事組合法人は誰のための組織か  その八 違法仕入れを正当化することは不可能①

2021-11-29 20:28:09 | 社会
 「JAの餅米はすべて一等米」と事実無根の主張をし、「組合員の生産する餅
米は品質が悪い」或いは「熊谷さんの餅米はとてもお客様に出せる品質ではな
い」との偽主張が破綻すると、今度は「安定供給、品質の均一を考慮してJAか
ら仕入れている」と主張し始めた。

   しかし、それも違法仕入れを正当化させるために後付けで捻り出した詭弁
であることは言うまでもない。 
  レストランの必要量は組合員のみで十分に供給可能であり、また、多数の
組合員から仕入れた餅米をブレンドして販売しているJAの餅米の品質が均一
であるはずもない。

   そして、最後に理事長等の弁護士は「農事組合法人には加工事業が認められ
ているから、レストランで餅米を加工して販売する場合は、組合員以外から餅
米を仕入れても構わない」と主張し始めた。
   残念ながら、この主張も法的根拠の無い詭弁でしかない。

 どんなに屁理屈を並べてみても、レストランで使用する餅米を組合員から
ではなく、JAから仕入れ続けて来た背任行為を正当化することは出来ないの
である。

(11月25日撮影の厳美渓) 

 参考として以下に農水省のHPに掲載されている農事組合法人の解説を
掲載する。その趣旨は農協法の条文としても明文化されている。

農事組合法人とは

 農事組合法人は農業生産の協業を図る法人です。農業生産の協業を図る
法人であることから組合員は原則として農民の方です。
 農業生産の協業を図る法人ですので、行うことが出来る事業は以下の事業
です。
(ア)農業に係る共同利用施設の設置(当該施設を利用して行う組合員の
   生産する物資の運搬、加工又は貯蔵の事業を含む。)又は農作業の
   共同化に関する事業。
(イ)農業の経営(その行う農業に関連する事業であって農畜産物を原料
   又は材料として使用する製造又は加工その他農林水産省令で定める
   もの及び農作業の受託など農業と併せ行う林業の経営を含む。)。
(ウ)(ア)及び(イ)に付帯する事業。

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徒労だったかもしれないが・・・

2021-11-28 18:05:50 | 
 昨日と今日の二日掛かりで市野々の大豆の収穫を終えた。
 コンバインで収穫すれば一時間程度で済む畑を二人のフル稼働だったが、
手間を掛けただけの収量があった訳ではない。
 
 稼働対効果を考えたら収穫を放棄した方が良かったかもしれないが、
夏以降の除草に手が回らなかった自分自身に対するペナルティの意味合い
もあった。

 やるべきことをタイムリーにこなさないと最後に落とし穴を待っている
ことを肝に銘じながらの二日間だった。

(11月25日撮影の厳美渓)
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祖父の写真

2021-11-27 21:29:58 | 家族
  先日、近隣から茶の間で上機嫌に酒を呑んでいる祖父の写真を頂戴した。
 私の記憶に残っている祖父は写真のような笑顔のみで、また、祖父写真
は殆ど残っていなかったことから極めて貴重な一枚となった。



 貧しい農家の労働力確保のため16歳で婿入りし、身を粉にして働き6人の
子供を育て上げ14人の孫を儲け、18年前に96歳で大往生した。
 
 酒もたばこも嗜まなかったが、50歳過ぎてから酒を覚え、60~70代は
食事の都度ドブロクを呑みながら働き続けた好々爺だった。

 しかも、単なる「お人好し」ではなく「人を見る目」は確かで、我を張るこ
とは無かったものの一家言を有し周囲からの信望も厚かった。

 若くして貧農の婿養子になったところまでは一緒だが、祖父と比較されたら
「人間力に関しては足許にも及ばない」と観念している。
コメント (2)
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大根と大豆の収穫

2021-11-26 18:52:14 | 果物
    冬将軍到来前に大根と大豆の収穫を急いでいる。
   大根は生産部長に任せ、市野々の大豆畑に向かった。



   市野々と後山の大豆は、倒れかかったのが多いためコンバインでの収穫
には馴染まない。
 日数を要するが面倒でも鎌を使って一本一本手刈りするしかない。

 市野々の畑は風の通り道となっていて夏は涼しいが冬は過酷極まる。
 指先が痛くなる北風との闘いもあって作業は思うように進まなかった。

 大根の収穫は明日で終わることから、明後日から二人掛かりで取り組む
ことにした。

※昨年の大雪で雨樋が何カ所も破損や曲がる被害があった。
 業者に修復を依頼したのは2月だったが、被害家屋が多いため未だに
「手が回らない状態」が続いているようだ。
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