霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

「黄金の海」が消えても…

2010-09-30 22:05:27 | 
「戸別所得補償制度により米の取引価格が下がった」という農家の嘆きをよく耳にしていたが、我が家にはあまり関係のない話しかと思っていた。
しかし、長い付き合いとなっている取引先から一方的に「値下げを通告」をされてからその深刻さに初めて気付かされた。

全国的に常識となりつつあるこの現象は、政府の政策の良し悪しではなく契約当事者である「農家の力不足」から来ているのではないかと捉えている。
価格に不満があれば契約をしなければいいだけの話しだが、そうはできないガンジガラメの環境を農家自らが作って来たように思える。
我が家も不満タラタラながらこの一方的な提案を受け入れるより選択肢がない立場に置かれている。

元々農家はJAや市場にオンブにダッコで「あなた任せ」の価格設定に甘んじて来た長い歴史がある。
急に「自力営業に徹して対等な契約関係に立て」と言われたとしても出来るはずも無い。
しかし、心ある農業者ならこんな「屈辱的な取引関係」から早く脱却したいと考えるのは当然のこと。
以前からその志しを持って取り組んで来たつもりだったが、今回の件で更にその思いを強くした。



今日でモチ米分の稲刈りが終わった。
稲刈りが進むに連れて集落内の「黄金の海」の景色も変わりつつある。
残念ながら収獲が無事に済んでも農家には「黄金」どころか「小金」さえも残らない可能性が高い。
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「秘伝」

2010-09-29 20:04:10 | 野菜
「枝豆の王様」と言われている「秘伝」が順調に生育している。
一方、お彼岸の時季に最盛期となるはずの「かほり豆」の生育が遅れてしまい、このままだと同時出荷もありそうだ。

順番に襷をつなぎ「美味しい枝豆シリーズ」のアンカーを予定していた「秘伝」だったが、予定変更で金曜日に初出荷して反応を見ようかと思っている。



雨が二日続いたことを忘れさせるような爽やかな秋晴れとなり適度に風まで吹いて絶好の稲刈り日和となった。
息子と交代しながらコンバインをフル稼働させたので、三時過ぎには乾燥機を満杯にすることができた。
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固定費

2010-09-28 21:24:16 | 
昨年のウルチ米は何故か売れ残ってしまった。
こんなことは今まで無かったことで、しかもその現象は我が家に限ったことではなかったらしい。
「いずれは現われる」と予想していたが、こんなに急激に変化すのは想定外だった。
需要量に合わせて来年からは作付け面積を減らすつもりでいる。

稲作事業は田植機、コンバイン、乾燥機、籾摺機、精米機等々専用の機械代が固定費として占める割合が高いので、減らした分がそのまま赤字となる可能性が高い。
できれば撤退したいぐらいの気持ちだが、「主食作り」を簡単に放棄する訳には行かないのが辛いところ。


(雨の日は「米作り」と呼んでいる「籾摺り」を行う。玄米にさえしておけば何時でも出荷が可能となる。)

例年の稲刈りはウルチ米を済ませてからモチ米に移行していたが、今年はモチ米が在庫切れとなっていることもありモチ米から始めている。

天気さえ良ければ一週間で終えられる我が家の稲刈りも、こう雨が続くとダラダラと長引いてしまいそうだ。
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シソの実 その二

2010-09-27 20:07:44 | 野菜
廃棄直前のシソの穂を売り出す作戦は「ビッグビジネス」どころかホンの僅かしか売れずスモールビジネスにもならなかった。
シソの葉や実を単独で購入するよりも鮮度も良く得なはずだが、お客さまは「できるだけ手のかからないもの」を選ぶ傾向が強いようだ。

悔しいので作戦を変更して、葉と塩漬けにした実を出荷したら結構売れたので少し溜飲を下げることができた。



シソの葉を揃えてパッキングするのも手がかかるが、シソの実を収獲する手間はその比ではない。
写真の2kgのシソの実を収獲するには二時間以上も畑で頑張らなければならず、非常に根気の要る仕事。
早朝にバアチャンが収獲して来たこのシソの実、写真だけでなくシソ独特の爽やかな香りを届けられないのが惜しいまれる。

「新鮮館おおまち」で食堂を経営しているSさんは、仕事に疲れた時に「店頭に並べてあったシソの穂の香りを嗅いで元気を貰った」と話してくれた。
失敗はした「シソの穂作戦」だったが、別のところで十分に役立っていたようだ。
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ミョウガの価格

2010-09-26 21:03:33 | 野菜
ミョウガを重点商品の一つとしているが、改めて産直での各生産者の価格設定をチェックしてみると大きな幅があるのに驚かされる。

一関COOPで三個の189円で売られている時に厳美の「道の駅」では7~8個入って80円もあれば20個程度入って100円もある。
一方「新鮮館おおまち」では130~150g(7~10個程度)で80~100円という価格設定が今年は一般的なようだ。

産直では生産者が値付けするので価格にバラツキがあるのは当然だが、一時的な供給過多状態を見て「安売り」に走る傾向が強いように見受けられる。
勿論、消費者側から見れば「お買い得」であることは間違いなく、安価の時に大量に購入して漬物にする方法もありそうだ。

そんなミョウガも来月になると殆んど出荷されなくなる。
そんな季節外れになってもミョウカの需要は根強いものがあるので、そこを狙って出荷するようにうしたいと色々智恵を絞っている。



稲刈り三日目にしてようやく晴天に恵まれた。
天気がいいと気持ちが乗ってくるし稲の乾きもいいので作業も順調に進むようだ。
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