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名古屋・旧松岡旅館見学

2020-12-14 | 名古屋&多治見2020

名古屋では中村の旧松岡旅館を見学の機会を頂いた。
大正元年に妓楼として建てられた建物で、昭和35年に料理旅館に、
平成13年には、一階がデイサービス施設松岡健遊館となっている。


車寄せには、料理旅館時代の「松岡西店」と入った看板が下がり、
松の形の透かし彫りの入った欄間が囲む。
平たい照明器具には四つの角に繊細な装飾が。


玄関ホール。


衝立には白い鷹と松の木がリアルに浮き彫りで描かれていて、


裏側には水の中に鯉が三匹。


玄関入って右手にあった透かし彫りの入った扉。


一階はデイサービス施設となっていて、立ち入ることはできないので、二階へ案内して頂いた。


階段を上がると、いきなりの大広間。
「松欅殿」と呼ばれ、料理旅館時代には宴会場として使われていたそう。


ここのシャンデリアがすごい迫力。
16個もの照明が二段にサークル状に組まれている。
一つ一つは和風な照明だけど、こんな風に集まると洋風のシャンデリアに見える。


舞台の襖には松の木が描かれていて、



その襖を開けると神棚が祀られていた。


舞台を挟んで両脇に床の間や書院があり、全国から集められた銘木が使用されているという。
節だらけの存在感ある床柱。


書院の欄間には扇子の透かし彫りが入れられている。


開いた扇子、閉じた扇子などがバランスよく配置される。
宴会場にぴったりな意匠。


向かって右手にある床の間上部には、これまた立体彫刻かと思うような
厚みのある鷹と松の浮彫が施されている。


その天井にも鶴と亀のレリーフが貼られてた。


宴会場脇の通路。
下がり壁には松の透かし彫り。


こちらはお手洗い。
黒の大理石がリッチな雰囲気で、奥には透かしの入ったガラス窓もある。


足元には、色とりどりの大理石でデザインされた孔雀。


窓は擦りガラスに、花やぶどう、さくらんぼなどの植物が可愛く描かれている。


奥への扉にはバラの花のエッチングが素敵。


ここから各部屋を見学させて頂いた。
「桐の間」
玄関を入ったところにあるくり抜かれた火灯窓。
下部には巾着や打ち出の小槌などのお目出たい文様。


部屋と廊下の間にある窓は無双窓になっていて、
松の透かし彫りがずらりと並んでる。


「福寿の間」の玄関には蛍の意匠が珍しい。


床の間には格子が細かく入った丸窓。


細い格子の桟にも繊細な透かし彫りがされていたりと、
細かい所にも目が離せない。


壁面に絵が描かれていたのも珍しかった。
壁一面に大きな橋が描かれていた。


松の意匠があちこちで繰り返し使われていて、こちらは浜辺?に松林がデザインされた欄間。


これまで和風空間だったのに突然、廊下にアールデコぽいデザインの丸窓が並ぶ。


そしてお手洗いはモザイクタイルがびっしりと貼られている。
松を象った透かし彫りも。


床のモザイクタイル、可愛いなあ。





モザイクタイル貼りの洗面台。


くるくるとねじれたような奇木


菊の間。


菊の間は菊尽くし。


書院欄間には菊の透かし彫り。


やはり菊の花を象ったもの。


一階のデイサービスのお風呂にはステンドグラスが使われていて、
中からは見ることはできないのだけど、この部屋の窓から見えると
見せて頂けた。
三つのアーチ窓が並び、幾何学模様のカラフルなステンドグラスが左右対称に
入っているのが見える。
アーチの周りはモザイクタイルが囲ってる。


廊下に面した飾り窓に蝶々の透かし彫り


桜の間の入口には桜の木が使われ、


古材の水車板が欄間に入れられていた。


鯛と海老




鼓がデザインされた欄間。


宝珠の形をした飾り窓も


最後は桔梗の間だったかな?




各部屋それぞれ違ったデザインで、凝った意匠細工が見られて
楽しかった。


裏階段?のある辺りは洋風の造りが見られて、


こんな細工が細やかな洋風の扉があった。


扉の下部には花輪とリボンの模様が象嵌細工で入れられている。


八角形のガラスの窓




模様のモチーフがよく分からないのだけど、繊細で凝った造り。



ベランダへ出る扉にはこんな色ガラスが入れられていた。
ここでやっと、広い建物を一周してきた。
広間の広さや部屋数の多さも半端なく、各部屋凝った意匠が見られて、
見どころ多く楽しめた。
お忙しい中、案内して頂いてありがとうございました。

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