m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

神戸モダン建築祭2023その一

2023-11-30 | 建築巡り・街歩き【京都】


神戸モダン建築祭、25日に1件ツアーが当たっていたので、それに合わせて参戦。
大まかに、午前山側、昼から海側、そして、15時15分からの神戸山手女子中高のツアーに間に合わせるという計画で。
三宮からぶらぶら歩きながら、1軒目の神戸パブテスト教会を目指す。



目的地へ着くまで、あちこちの小道を縫うように歩く。
歩いていると、密集した住宅街の中から突如、ブルーの玉ねぎ頭の教会が出てきてうれしくなる。
神戸ハリストス正教会。
残念ながらまだ中には入る機会は得てないのだけど。



フクロウのモチーフが可愛いお店発見。
カフェだったら絶対入ってみたいお店だったが、バーのようだった。



この木の看板もかわいい。


神戸パブテスト教会に到着。
昭和27年に、洋画家小磯良平の邸宅の敷地を譲り受けて建てられたという教会。





尖塔アーチ窓が並ぶ聖堂内。

華美な装飾もなく、シンプルでこじんまりとした美しい教会だった。






そして中華民國留日神戸華僑總會へやって来た。
明治42年にA.N.ハンセル(推定)設計により、ドイツ人実業家の邸宅として建てられた。



玄関たたきのタイル



居間で存在感を放っていたのは、周りが石貼りの暖炉。






鋳物といわれてたけど、表面は陶製?のようで、興味深い暖炉だった。



ベイウィンドウのある明るい応接室。



応接室の暖炉だけ違った形。


二つあった家具は、同じ意匠が使われていてお揃いのようだった。








居間に面して、広々としたサンルームも設けられていた。



そしてダイニングルームとして使われていた部屋。



こちらにも居間とお揃いの暖炉が設置されてる。



ドイツ語が書かれていたので、ドイツ製のもののよう。




ドアノブの意匠や、


家具の意匠も興味深かった。






玄関のコート掛け。


庭からコロニアル様式の外観を眺める。

次にやって来たのは、メディウム邸。
築135年の北野最古の異人館。
大きく育った椰子の木が印象的。


入口の石段の間にわずかに貼られてた市松模様のモザイクタイル。


現在1階はアフタヌーンティー&カフェ、2階はコワーキングスペース、土日は1棟貸しとして活用されているそう。



2階の居間。



サンルーム。







マーブル模様のタイルが貼られた暖炉。


ちょうどパーソナルカラー診断というのをされていて、10分くらいで済むので
と言われて診断してもらった。
同じ色の束の中で、summer、winter、spring、autumnと分かれていて、私は、青系のsummerかwinterとのこと(黄色系はspringとautum)



winerの自分に合う異人館だそう。
ちょっとよくわからないけど、、一緒に撮ったら映えるとか。
どちらかというとくすんだ色系のautumnが好きだったのだけど、鮮やかな色winterか淡い色summerが合うというのが知れた。


次は北野アレイへ。
初期の安藤忠雄設計のコンクリート打ち放しの建物。



ちょうど屋上から、お隣のマンション、和光ハイマートが見えた。
茶色のテントが可愛い。


面格子もいいなあ。


お次はシュウエケ邸へ。
明治29年にA.N.ハンセルの自邸として建てられたコロニアル様式の建物。
現在はシリア人のご夫妻が住まわれているとのことで、今回は1階部分のみ
公開されいていた。



玄関たたきの蜀江文様に貼られたタイル。


ベイウィンドウやボウウィンドウに囲まれた明るい応接室。




窓以外の壁面には、浮世絵他、絵画が所狭しと掛けられていた。




暖炉前の床面はタイル貼りに。


幾何学模様を描いたモザイク状の型押しタイルが一面に貼られてた。
縁は飴色の役物タイルが囲む。



中央のリビングも暖炉を中心に、壁面には絵画や調度品、


クリスタルのシャンデリアは、三部屋共に。



こちらの暖炉のタイルは、シンプル目。



ゴブラン織り刺繍のソファや椅子などの家具や、


床に敷き詰められているペルシャ絨毯などもただ物ではなさそう。



そしてリビングにつく広いサンルームスペース。


ダイニングルームは、テーブルセッティングも豪華で、やはり壁面は、絵画で埋め尽くされていた。







洗面所&バスルームは、真っ白なタイル貼り。




バスルームの隣にあった小部屋は、船などのモチーフが螺鈿で細かく象嵌されたチェストが置かれ、
掛けられた絵画も中国趣味のものだった。


階段から上は、現在もお住まいのプライベート空間の為、立入禁止。


勝手口のそばに、シルエットがきれいな照明がついていた。



庭園からの建物。
左右対称の建物の屋根の上には鯱が乗っていたり、菊の文や瓦が使われるなど、和風の要素や、ベランダの軒の形はアラブ風だったりと、折衷様式が興味深い外観。


シュウエケ邸のお隣にもハンセル設計の邸宅があり、こちらも現役で、お住まいされてるとこと。

この後、松廼家 以前ランチをしたこともあったので、パスして海側へ下ることに。


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久安寺の紅葉2023

2023-11-28 | 季節の花・自然

今年も久安寺に紅葉を観に訪れた。
少し遅れてたようなので、ちょうどベストな時期に来れたみたいでよかった。


久安寺に来ると、いつも撮りたいスポットがいくつか決まっていて、
そこを順に巡る。
どのスポットも色づきがよくて、大満足の紅葉日和だった。
昼から予定があったので、最後は駆け足になったけど、
今年も写真に収められてよかった。。

































































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神戸山手女子中学校高等学校見学ツアー

2023-11-27 | 建築巡り・街歩き【兵庫】


神戸モダン建築祭、今回唯一当選した神戸山手女子中学校高等学校の見学ツアーへ行ってきた。
学校へ着くと、生徒さんや先生方に迎えて頂き、ツアーは、こちらの学校に縁のある建築科の大学院生の方から説明を受けながら本館と南館を回り、
後ほど本館のみ自由撮影させて頂けるという至れり尽くせりの見学会だった。


神戸山手女子中学校高等学校の前身は、大正13年に創設され、来年100周年を迎えられるという歴史ある学校。
こちらの本館は、昭和11年に建てられた鉄筋コンクリート造3階建の校舎。
両脇に北館と南館があり、敷地に制限があった為、三階部分は、ほぼ講堂の面積で占められている。
柱のない講堂の上部には、学校のシンボルとなるような塔屋が置けなかったとのこと。
外観は、屋上まで伸びる柱や縦長窓がすっきりと、最上階には連続アーチが軽やか。



本館の玄関部分は、コーナーが丸みを帯びた柱や照明などアール・デコの意匠が美しい。


玄関ホール。
クワトロフォイル型の天井装飾は、当初はペンダント照明がぶら下がっていたのだろうか。


もう一歩中には、こちらの照明。
クワトロフォイルの中に正方形の照明が組み込まれている素敵なデザイン。


玄関ホールにある受付窓口には、こんな和風の持ち送りのついた大理石のカウンター、その下には、モザイクタイルが貼られてた。


タイルは、やわらかなミントグリーン系の色合いで、正方形のモザイクタイル四つを一纏まりにして貼られていて、
今までありそうで、ない貼り方だった。


階段の柱には、玄関の柱と同じく、横のラインが入り、
渦巻文様のレリーフの入った幾何学的な装飾が等間隔で入れられていて、等間隔を守ったからか、端の三角形だけになった部分を発見して萌えた。






3階の講堂。
入口扉上部は、緩やかにアーチが付けられていて、


扉には植物文様らしきレリーフが。


3階部分のほとんどを占める講堂は広々としていて約400名収容可能。


ずらりと並んだ長椅子も、建設当初からのものだそうで、大事に使われていた。



背もたれの形が微妙に違う椅子も可愛い。



本館廊下。


講堂から出て、まず最初に案内して頂いた部屋は、西洋作法室。
マナーなどを学ぶ部屋で、西洋作法室のある学校は珍しいとのこと。
こちらの学校には、日本作法室と西洋作法室の二つの作法室があるとか。





いくつかあった天井装飾は、ペンダント照明がぶら下がっていたと思われる。


重厚感ある家具やカーテンのファブリック。


次に、日本作法室へ。



入口を入って、靴を脱ぐ廊下スペースには、竹の細工が施された丸窓がついていた。



金網の照明カバー。



二間続きの広間には、お琴がずらり。
現在、日本作法室は、筝曲や茶道や華道などに使用されてるとこのと。


欄間も縁が漆塗りのようで、幾何学的なデザインも素敵。









床の間も書院や違い棚などが設けられていて、丁寧につくり込まれたものだった。


古い扉のデザインも可愛い。



ドアノブのデザインも、残されていた古いものには、凝った装飾が入っていた。


そして高校生の教室となっている南館へ。
南館と北館は、昭和38年に建てられ、一度改装されたそうだが、
この天井の間接照明を兼ねた装飾が斬新で驚いた。



天井が波打つようなデザインで、とても学校とは思えない雰囲気。



しかも天井装飾兼間接照明は、階毎にデザインが違っていた。
教室の扉や窓枠のカラーリングも女子校らしくパステルトーン。



1階の天井はこんなデザイン。



ひとつの教室は、展示室として設えられていて、高校の広報部の学生さんたちが、文化祭が終わった後から今回の公開に向けて準備されたという。
来年100周年を迎える学校の歴史や建物についてのパネル展示に、黒板にはこんな手描きのモダン建築祭向けのチョーク画など、、
学校を上げて歓迎してくださっている様子が伝わり、あたたかい気持ちになった。
現役の学校にも関わらず、生徒さんや先生が写り込まなければ、写真撮影やSNS掲載も可ということで、建築ファンとしてはとても有難い見学会。
学校関係者の皆さんや、今後の神戸山手女子中学校高等学校の更なる発展を
思わずお祈りしたくなったのだった。




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仙洞御所の紅葉&うららカフェ他

2023-11-24 | 建築巡り・街歩き【京都】

京都を歩く会秋編は、初夏に訪れた仙洞御所へ再び訪れて、今度は紅葉を見ようということになってた。
事前に紅葉に良さげな日程を決めて予約。
そして、前回は、お茶に訪れたヴォーリズ建築のうららカフェでランチしてから行こうということに。


うららカフェの、この元キッチンスペースが落ち着くので、ここを予約してたのに、、通ってなかった〜


先客が出て行かれたので移動させてもらう。
ここを4人で陣取ったが
やっぱり、ここが落ち着く。

日替わりのメニューはクリームシチュー。750円とお安い。

それにデザートとコーヒーを。
ここで仙洞御所の予約時間までゆっくりさせてもらった。

前回、館内をゆっくり見せてもらった時のレポは、こちら→





そして、2時半から予約していた仙洞御所のツアーが始まった。
池泉回遊式庭園をぐるっと1周。


庭園の入口を入ると、目の前がパッと開けて、広大な池が目に飛び込む。
その周りの木々が美しく紅葉していて、
どよめきが。



真っ赤に色づく紅葉。


天気も良く、紅葉の色づきもちょうどいい感じで、最高過ぎる紅葉日和。




















天気がいいので、池に鏡のように紅葉が写って、ダブルできれい。










1時間のツアーがあっと言う前だった。
紅葉を存分に堪能できた。
前回の仙洞御所の詳し目のレポはこちら→


帰り道、カフェ探しながら南下途中、ただならぬタイル壁を発見。


色とりどりのタイルが一面に貼られてる。
駐車場になっていたので、車が置かれてる部分は見えなかったのだけど、元々は、何だったんだろう?


不規則な感じで、有り合わせを貼ったという感じだけど。






かまぼこ状の額縁タイルや階段などに使われる滑り止めのタイルなんかも。
次回京都に来た時には、車で隠れてた部分のタイルもあらためて見に来たい。
自転車で、今まで大抵の通りを走ったと思ってたけど、まだまだ通ってない通り、見てないタイルはあるものだなあ。



一見、音符のような楽しさあふれる面格子。



郵便受け、letters




タイル貼りの田中ビル。


良い味わいのボーダータイルが、貼られてた。


実はうららカフェに集合する前に、津田画廊で開催中の石井春さんと娘さんの石井景子さんの二人展へ伺っていたのだが、石井春さんとお会いできなかったので、帰りに皆と別れてからもう一度立ち寄ったのだった。



可愛いタイルの小作品が並ぶ。




竹中大工道具館でも拝見した作品とも再会。


結晶が美しい深いブルーのタイル。


石井景子さんのコラージュ作品も素敵だった。

帰りに伺った際には、石井春さんはおられて、多くのお客さんがおられる中、画廊の方が声をかけてくださったおかげで、お話することもでき、ひととき、ポルトガルやタイルのお話ができてうれしかった。
これまでポルトガルで制作されておられた作品だが、今後は、日本で、日本の土や釉薬を使い、制作されるとのこと。
これからの作品も楽しみ。

石井春さんの竹中大工道具館での展示→☆
京都水族館の作品→☆
京都地下街ポルタの作品→☆













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泉佐野の町歩き&旧大将軍湯のマジョリカタイル

2023-11-23 | 建築巡り・街歩き【大阪】

旧新井家住宅への行き帰りの道中に見たものなど。
塀がやたらと可愛い邸宅。
和風の邸宅だったが、塀にはタイルが貼られて、天辺はフリルのような
装飾が洋の雰囲気で可愛かった。




モザイクタイルの壁面のあるお店。


変電所のおしゃれな面格子。




工場らしき建物があったが、何の工場かは不明。


タイル貼りと、下見板貼りの建物。


会社事務所のよう。


タイルとガラスブロックに囲まれた入口。


モールディングタイルも縁取りに使われてた。




大きな丸窓とタイルのある中華料理店の廃店舗。



竹模様の入った型板ガラスの扉とタイルの貼られた家。


ヘアーサロンオカダの床タイルは、


こんなモザイクタイル。



そして、こだんさんがご案内くださった旧大将軍湯。


こちらの外壁にマジョリカタイルが残っていると。


外壁がタイル貼りになっていて、



白いタイルを縁取るように、模様の入ったタイルが囲み、


下部のコンクリート部分に、マジョリカタイルが貼られてた。
こちらのマジョリカタイルは、さらさ西陣や船岡温泉の隣のチップルソンでも見た記憶がある。


あやめを模したアール・ヌーヴォーデザインのタイルも間に貼られていた。


左右のタイル壁では、白いタイルの縁取り部分のタイルが違っていた。


こちらはグリーン系のタイルが貼られてる。


タイル位置の等間隔を意識したからか、途中で切断されてるタイル。



アパートの階段。
丸く突き出た庇と階段の柵がかっこいいい。


小窓の面格子。


この後は、せっかく南の方までやって来たので、
移動して、田尻歴史館まで訪れた。
久しぶりにステンドグラスだらけの素敵な邸宅を堪能。ちょうど手作りマーケットのようなものも開催されていて、そちらも楽しめた。
田尻歴史館の以前のレポはこちら→


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旧新井家住宅一般公開

2023-11-21 | 建築巡り・街歩き【大阪】

泉佐野市にある新井家住宅の一般公開へ訪れてきた。
新井家住宅は、大阪、船場で証券業営む新井末吉により、昭和7年に、迎賓館兼住居として建てられた。
2023年春より、レンタルスペースとして活用されているとのこと。




大門を入ると、アプローチに日本庭園が広がる。


唐破風のある玄関、2本の矢羽は新井家の家紋だそう。


にも矢の透かし彫り。


主玄関のすぐそばに、もう一つの入口があり、
この部分だけ、造りやレリーフが洋風。
入口の先には、かつては洋室があったそうだが、すでに解体されてしまったのだそう。





主玄関から中へ。
この藤のテーブルかわいい。


奥座敷には一間半の大床の間があり、随所に銘木が使用されている。



床の間に奥行きあるので、書院が幅広・・
細かな組子細工や飾り欄間、
欅の大天板に、紫檀の床框、


そして、床框前にはさざ波文様のある橡の板の間と説明があったが、
たしかに、波のような細かな筋が入っていて、艶やかな光沢を放っていた。


床柱は一位前彫といわれるもので、面白い形の狆くぐりもあった。


床脇のそばの障子には幾何学文様の組子細工。


15畳の大床の間のある座敷の向こうは10畳の続き座敷、間の欄間は、漆塗りの枠に桐板が使用されている。


松と鷲の透かし彫り。



奥座敷を見渡す。
このお部屋もレンタルできるのだそう。


奥座敷を囲む廊下には欄干が巡らされていた。


こちらは13畳と10畳の座敷。


欄間は、漆塗の枠の中に梅の木が彫られていて、それを、周囲の菊の文様の透かし彫りが支えているという繊細なもので、とても可愛かった。



奥座敷と同じく、格天井に和風のシャンデリア。





奥座敷を望む。



照明は、こちらのパターンのものがあちこちに使われていたけど、
支える金具なども凝っていた。



こちらはペンダントタイプ。



窓の鍵にペンギンマークがかわいい。


思わず他のもチェック。
全てペンギンなのかと思ったら違ってた。
「ベスト」



「王冠」・・こんなマークもあるんだなあ。



茶室。


こちらは主屋棟の元洋室の入口。
先ほどの洋風の玄関を入ったところ。
現在は扉のみ残っていて、残念ながらその先は解体されてしまっているそう。



洋室の扉の周りの壁紙は、剥がれかけながら残っていた。



主屋の寝室などとして使用されていた部屋。



窓の外は中庭で、解放感がある。


その対面には、旧廊下と旧女中部屋のスペースを一体化して、リノベーションしたキッチンスタジオ。
建具や天井などの古い部材もそのまま用いられていて、新旧が美しく融合していた。


料理をして、そのままこちらの長テーブルで食事もすることができるようで、
レンタルするにもとても快適そう。



最後に、案内の方に教えてもらった猫を探しに、お庭へ。
他のお客さんに、あそこにいるよ~と教えてもらった。
大工さんの遊び心だろうか?可愛いな。

建物は通常は、会員登録の上(要審査)、座敷や奥座敷、キッチンなど、貸しスペースとして借りることができるよう。
外国人観光客にも人気のようで、英語での説明書きも完備されていた。
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京都モダン建築2023【寺江家住宅~平安女学院大学~聖アグネス教会~京都府庁旧本館他】

2023-11-16 | 建築巡り・街歩き【京都】
京都モダン建築祭、11日後半、ずっと歩きなので、いろんなものが目に入って、なかなか進まず。
とりあえず、次は平安女学院大学までの間の寺江家住宅を目指す。


lettersの文字が入った金物と洗い出し仕上げの壁面、木製サッシに、型板ガラスが味わい深い。


「郵便新聞受」ツヤのある木製のサッシに、石製の腰壁。


このドアノッカーも以前見つけて、日本にもこんな個性的な細工のものがあるんだと驚いた。ポルトガルのポルトでいくつか見かけたものと同じく手の形をしてる。
遠藤剛煕美術館の入口扉。


向かいの自宅?の方にも手の形のノッカーが。


青緑がきれいなタイル、


そのそばにモザイクタイル貼りの地蔵祠。





そして、渋い型押しタイルの貼られたショーウィンドウ付きの元商店?


タイルに入ったラインは、元成徳中学校のエントランスのタイルのと似てる。


地蔵祠付きのこちらの建物に貼られたタイルも


きらきらと輝く結晶釉が美しい。


艶やかなブルー


艶やかな茶系のタイルと面格子。


この色むらとツヤ!


この持ち送りもかわいい〜


こちらも以前何度か通ったことのあるオレンジのマーブルモザイクが素敵なシフォンケーキのお店「檸檬」
まだ一度も立ち寄ったことがなかったので、ついでにひと休みしていこう。


郵便受けとモザイクタイル。


うなぎの寝床のように細長い店内は、カウンターと、奥にテーブル席が3つほど。



更にその奥には、坪庭もある。
お店の方に伺うと、元美容院だった建物で、シフォンケーキのお店は、10年くらい前から始められたとか。


ブリュレシフォンケーキのセットを頂く。
アイスクリーム付き。飲み物はレモネードに。


このすりガラスとの市松模様になった出窓も美容院時代のままだとのこと。
素敵にリノベーションされ、活用されててうれしいなあ。


造酢店の建物。
2階がモザイクタイル貼りに。


ここは、好きなタイルと面格子の組み合わせ。


タイルには不思議な結晶が現れてる。


旧寺江家住宅に到着。


昭和10年に建てられた店舗兼住宅。
通りに面した部屋は洋風の造りに。
部屋と並行して通り庭があり、おくどさんなども並んでいた。
お茶席などもあったようだが、時間が押してきていたので次へ向かう。


歩いてるとちらりと見えた、町屋を改装したお店の、店内のタイルが目に入る。
準備中のところ、お声を掛けて見せて頂いた。


タイル尽くしの素敵な店内。
一見古いタイルをそのまま活かして使われてるのかと思いきや、お店のオープン時に新しく貼られたものだそう。
カウンター中の調理台周りもタイル貼り。


色といい、雰囲気といい素晴らしい。


縦ラインの型押しタイルに、竹のような雰囲気のレリーフタイルがアクセントに入れられている。


メニュー表も陶板でできているというこだわりよう。
なんと素敵なお店だろうか、、


おでんや天ぷらの「月蜥蜴」というお店。
夕方からの営業のようでなかなか行きにくいけど、ぜひとも一度は行ってみたい。


タイル貼りの腰壁に面格子、型板ガラスと三拍子揃った窓辺。
型板ガラスの模様と面格子の丸い模様がリンクしてていい感じ。


このタイルの窯変具合にはうっとり。


新しいスクラッチタイルだけど、並べ方にもこだわりが。


亀甲型のタイル。
表面に刷毛目がついていて、一枚ずつ違った表情。


そして平安女学院大学へやってきた。
有栖川宮旧邸有栖館へ。
建物は、京都地方裁判所の仮庁舎として使用された後、現在の場所に移築され、京都地方裁判所の所長宿舎として2007年まで使用され、
2008年からは、平安女学院により活用されている。






広間から見える庭園は、十一代目小川治兵衛の作庭だそう。


ちょうど学生によるガイドツアーが始まったので参加。
聖アグネス教会は、明治31年にJ.M.ガーディナー設計により建てられたゴシック様式の煉瓦造りの教会。



いつも外観を眺めるばかりで、なかなか聖堂内へ入れる機会がなかったのでうれしい。


上下二段に分かれて、尖塔アーチ窓に入ったステンドグラスが華やかな聖堂内。


花模様がモチーフの赤と黄、やわらかなグリーンで彩られたステンドグラスはシンプルながら可愛い雰囲気。

 

バラ窓も。


祭壇のそばのステンドグラスだけ、色味も違って、もう少し手が込んだもののように見えた。


平安女学院大学明治館へ移動。
明治28年A.N.ハンセルによりクィーン・アン様式で建てられた煉瓦造りの建物。
曲線を描いた妻壁が特徴的。




階段ホール


講堂は、船底天井にハンマービームの小屋組みが美しい。







寄木貼りの床は、復元されたもので、一部建築当初のものが残されている。端の色の濃い部分。



煉瓦をそのまま露出させた部屋もあり、黒板やオルガンも当初からのものだそう。



敷地内には、菅原道真の産湯に使われたという井戸が残されていた。
網目状のものは、元々井戸の蓋だったものだそう。



最後に訪れた京都府庁旧本館。
明治37年に松室重光設計により建てられた煉瓦造りのネオ・ルネッサンス様式の建物。


大理石の手摺が美しい階段ホール。








こちらは正庁。
式典などが行われていた広間。


緻密な漆喰装飾が施された天井。


旧知事室。


大理石とタイル貼りの暖炉。
暖炉前の衝立も良いなあ。



銅板転写タイル


旧食堂の暖炉もタイル貼り。






京都府庁旧本館でモダン建築巡りは終了。
その後、京都へ来たら度々寄ってるリサイクル着物の戻橋へ。


近くの洋館の医院。


門が開いていたので、玄関をちらりと覗くと改装中のようだった。

この後、戻橋で着物を3着買い(スカートにリメイク用)
荷物が重くなったので、この日の散策も終了。
バスに乗って駅へ向かった。
よく歩き、建築を見て、タイルもたくさん見れて満足の一日だった。


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京都モダン建築祭2023【元成徳中学校~東本願寺視聴覚ホール~本願寺伝道院~顕道会館~元淳風小学校】

2023-11-13 | 建築巡り・街歩き【京都】
京都モダン建築祭、4日に続いて、11日に2日目の参戦。
この日は、烏丸駅から元成徳中学校→東本願寺視聴覚ホール→本願寺伝道院(外観)→顕道会館→元淳風小学校→寺江家住宅→平安女学院大学有栖川宮旧邸有栖館→聖アグネス教会→平安女学院大学明治館→京都府庁旧本館→戻橋(リサイクル着物店)



前回はバスと地下鉄を使ったが、今回は徒歩圏内で行けそうなので、
最後に阪急の駅に戻る以外は歩きで。
おかげでいろいろ道草し、タイルを愛でながら歩けた。
このスクラッチタイルは、飲食店に貼られてた新しいタイルのようだけど、細めのボーダータイルに、横にスクラッチのラインが入って、それを縦に並べるというような、斬新?な使い方がされてた。


ここのタイルは味わいあって好き。
伊羅保のように釉薬に動きがあって、やきものの風合いがある。
通る度に、何度も出くわしているタイルもたくさんあるけど、
目に入るまでは、すっかり忘れているので、どのタイルも初めて出会うような新鮮味があって楽しい。


微妙なブルーの濃淡と光沢の美しいタイル。



面格子のデザインとクリーム色のタイルとのバランスが好き。



こちらも新しいスクラッチタイルだけど、二種類の色味の違った土が混ぜられているようで、複雑な表情。



元成徳中学校へ通りかかったので、モダン建築ようやく一軒目。
昭和6年に建てられた元成徳中学校。
入口周りは大谷石が使われている。



所々削れてる大谷石のアーチ


門柱には、アールデコな門灯と、華麗な装飾の入った銅板のレリーフ。
もう一つの門に学校名が刻まれてた。



エントランスの両脇上部には、こんな銅製の装飾も。
小さいけど密度が濃くて素敵なデザイン。



アーチが連なるエントランスホール。


エントランスホールに贅沢に貼られるタイル。


型押しだろうけど、ラインにあたたかみがあって良いな。


アーチ越しの階段。



階段の始まりの手摺は、大理石とタイルのコラボ。
階段は、ケヤキの一枚板が使用されているという贅沢さ。



2階から3階へ。
窓もたくさん並んでいて、とても明るい。


階段ホールから3階の廊下へ、
このアールのついた腰壁にもうっとり。


ずらりと教室が並ぶ廊下。
現在は、京都文化協会他、各種団体により活用されている。



教室の入口にいくつか、金物の細工の凝ったプレートを掛けるフック?が
残されていた。建築当初のものだろうか?
細かい所も凝ってる。



階段の壁面に付く細工も素敵。


そして、これまで見たことがなかった旧作法室の公開もされていた。
天井は、格式の高い折上げ格天井に。


欄間の向こうにも部屋が広がっているようだが、
今回の公開は、こちら側の半分だけ。


松と竹が描かれた襖の引手や、



笹の葉の釘隠し。

細部にまでこだわり、贅が尽くされた校舎を堪能。


京都駅方面目指して再び歩き始める。
歩くと、すぐ目に飛び込んでくるタイル。
この布目タイルもなんと質感のよい布目タイルなんだろうか~
釉薬の美しさも引き出されていて、最高。
下部のグリーンとの組み合わせもよい。


何のお店なのかよくわからなかったが、建物全体に、側面にも贅沢に貼られている。





洋菓子店クロバーのやさしいグリーンのタイル。
引菓子やブライダルケーキ専門店のようだけど、
以前こちらで焼き菓子を購入したことがある。
この日は閉まってた。


屋根張一式 トユ
看板がトユの形





路地にちらりとタイルの気配がしたので、行ってみると、


こんな布目タイルを発見。
目が粗いというか、凹凸が激しいというか、こういうタイプの布目は初めて見たかも?!美しい〜


2階にはちょっと和な雰囲気の面格子が入ってる。


玄関を挟んで向こう側の腰壁には、又違った色合いと地模様の布目タイルが貼られてる。
どっちのタイルもいい~
モダン建築、2軒目に着く前にすでに道端のタイルで満たされてしまった。


ようやく、東本願寺に到着。
視聴覚ホールってどこ?!
ナビが示す地図には建物がなくて右往左往・・
それもそのはず、視聴覚ホールは地中に埋まってた。
景観に配慮し、地中に建てられたのだそう。


地下二階へ下りていくと、
コンクリートの筒状の建物がにょっきりと建っていて、
その周囲が天窓になっていて、地上からの光が差し込んでいる。
先ほど、建物を探していた時に、円形のガラス貼りの箇所があったが、
ちょうどその真下だったのか・・


建物は、高松伸設計により、平成10年に建てられた。
ホールの中。


ギザギザ波打つ壁面に、すだれのような照明がきれい。


ホールを小さくして、逆さにしたようなものが見える。


上から見ると、ベンチが置かれた休憩スペースに。



東本願寺の可愛い意匠たちを集めてみた。



そして次なる目的地へ向かう。



路地を入ったところに、小籠包のお店を発見。
なんだかよさそう・・
ちょうどお昼時だし、ここでお昼ご飯にしよう、
とお店を覗いたら、17時からだと言われ・・無念


すぐそばに旧富士ラビットの「なか卯」があったので、
ここで食べて行くことに。



登録有形文化財の建物だが、チェーン店の「なか卯」が入っている。


元自動車販売会社のビルということで、ステンドグラスもタイヤ。


ファサードに面して、全部で三か所にステンドグラスが入れられている。


やはり車がモチーフ。


こちらも家並みと車。


トラックのようだった。
他のお客さんは、ステンドグラスなんかには、目もくれず
丼をかき込んでるようす。



ステンドグラスを愛でながら親子丼とうどんのセットを食す至福のひととき。


更に本願寺伝道院を目指し、歩く。
旧鴻池銀行七条支店。


ふっくらモザイクタイルの腰壁。
模様が面白いタイル。



渋いタイルが全面に貼られた法律事務所。



美しいなあ。



そして、とっても不思議な建物を発見。
民家のようだけど、唐破風がついていたり、洋風の出窓があったりと、
和洋折衷で、一見古いようで、新しい建物なんだろうか?
家の前の石碑はなんだろう?


扉には、妙に可愛いライオンがついていた。


そして、いい色の型押しタイル貼りの腰壁に可愛い郵便受けがつく。


本願寺伝道院の裏手に出てきた。
裏から見るのは、初めてかも?!
こんな塔があったんだったかな?


建物の周囲に石像の怪獣がいてるので、一匹ずつ写真に収める。
コロンとしてて可愛い子たち。


こちらも翼があるので、鳥類?!


翼が生えた象。


なんか静まり返ってると思ったら、プラグラムの行を一段見間違えてて、この日は公開してなかった。。
以前に一度は、講座で入った記憶はあるのだけど。


次にやって来たのは顕道会館。
大正12年、増田清設計により建てられた。


入口には三つのアーチが並び、
それぞれのアーチ上部には、細やかなレリーフ装飾が施されている。





1階のホール。
鉄筋コンクリート造りで、ホール内は、目立った装飾もなく、シンプル。





2階の仏間は、1階とは違って、天井が緩やかにカーブを描いていた。
なんとなく居心地のよい空間だった。


前から気になってたきれいなタイルが全面に貼られたビル。
表に回ってみたら、井筒左女牛ビルとのことで、5階には、源氏物語の世界を表現したという風俗博物館があるみたい。
八つ橋の井筒とは関係あるんだろうか?
照明がなんだかそれっぽい。




中にもきれいなブルーのタイルがあった。


元淳風小学校へやってきた。
入口のアーチが魅力的。
内部撮影禁止で、外観もこのラインより前へ出てはいけないという厳しいきまりがあり。

この後は、平安女学院目指して北上。







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佐川美術館他

2023-11-13 | 建築巡り・街歩き【その他】

近江八幡を後にし、やってきたのは佐川美術館。
ここに来るのは初めてで、一度建物も見てみたいと思っていた。
チケットを買って中へ入ると、目の前には広大な水が張られた庭があり、
建物は、その水庭に浮かんでいるかのように建っている。
広大な敷地にゆったりと建てられた建物。


建物の設計創案は、陶芸家の15代樂吉左衛門によるもので、
設計施工は竹中工務店とのこと。


切妻造の長い平屋建ての建物が2棟並んでいる。


エントランスまでのアプローチを歩く。


水庭の水のゆらぎが、杉板型枠コンクリート仕上げの壁面や屋根の軒裏に反射してきれい。






この日はガウディ展が開催中で、展示室は撮影禁止。


中庭も水庭になっていて、回廊で繋がった向かいの建物が見える。




特別展以外にも平山郁夫や15代樂吉左衛門の茶碗の展示も楽しめた。
茶室も公開されているようだけど、決まった平日の予約制。
ゆったりとした建物と展示が楽しめる美術館だった。



ここから、前に戻って、ヴォーリズ記念病院の後、旦那が行ったことないというので、ラ・コリーナにちょっと寄り道。




青空と、生い茂る緑の屋根





天井には、無数の炭が貼り付けられていて、独特な景観の吹き抜けのホール。2階は喫茶室に。






自然の木のうねりを活かした柱や梁など、
あちこちに楽しい造形が見られる。



八幡堀まで戻ってきて、車を停めてから
散歩しながらランチへ向かう。


ヴォーリズの旧八幡郵便局。
この日は閉まってた。


郵便局のすぐ近くの食堂ヤポネシアで、カオマンガイのランチを。野菜が盛りだくさんで美味しかった。


食後、旧吉田悦蔵邸へ向かう道すがら、ヴォーリズ建築の近江八幡教会へ立ち寄る。
初代の建物は明治40年に建てられたが、火災により焼失し、現在の建物は、昭和58年に再建されたもの。


聖堂も拝見。
中央には、簡素な感じのシャンデリアが下がり、


三箇所に入れられていたステンドグラスは、分厚いガラスを割って、断面を見せるステンドグラスであるロクレールっぽい。





入口扉についていたのも。
ぶどうと


魚。


すぐそばには、昭和10年に再建された(初代は明治40年)同じくヴォーリズ設計の旧近江八幡YMCA会館であるアンドリュース記念館。



かつて玄関があったという北側。


向かいには、昭和15年、ヴォーリズ設計による、近江兄弟社の独身青年社員宿舎であった、旧近江兄弟社地塩寮が建つ。




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近江八幡・吉田悦蔵邸

2023-11-11 | 建築巡り・街歩き【その他】

ヴォーリズ記念病院見学後、ランチして、吉田悦蔵邸へやって来た。
吉田悦蔵は、ヴォーリズの近江八幡の商業学校時代の教え子であり、
片腕として、生涯ヴォーリズを支えたといわれる人物。
現在、四代目のご夫婦がこちらの邸宅を保存維持されていて、
お住まいされながら、一般公開もされている。


ご当主さん案内の元、見学させて頂いた。


玄関には、ヴォーリズらしい造り付けの収納兼ベンチが設置されている。
収納部分も引き出しが三段もあったりと、細やかな造り。


玄関ポーチのタイルは、布目で、泰山タイルだといわれていた。


まずは1階のリビングへお通し頂く。
南向きの窓からは、明るい光が入る。
うっすらとミントグリーン系の壁紙が上品。



壁は土壁だそうだが、特殊な加工で、現在では再現するのは難しいものだとか。


リビングには暖炉があり、白いタイルが貼られてた。
上部は、絵画がはめ込まれた形に。


その白いタイル部分の上中央には、みにくいアヒルの子を描いたタイルが貼られていた。どこのタイルかは不明らしいが、
アール・ヌーヴォーぽい、、外国製?!


こちらは暖炉に置かれていたもの。
庭から出てきたものだそうだけど。
モザイクで作られていて、辰砂釉がきれいな発色。


こちらは風景を描いたものだけど、アヒル同様アール・ヌーヴォーぽいライン。


暖炉の内側には、耐火煉瓦が使われていて、いくつかの会社の刻印が見られる。サンプルを使ったのでは、とのこと。


座り心地よさそうなソファ。
ソファも文化財指定されているもので、
最近修理されたという。


リビングは二間続きになっていて、
こちらのスペースは、ピアニストであるお母さまの演奏会などにも使われている。


家具調度品がとても素敵で、代々、骨董品などを集める趣味を持たれていたとのこと。


机の上にはランプのついた裁縫道具入れなども。


これらの椅子も文化財指定されたもの。


可愛い形の椅子。


そしてリビングから出られるテラスには、タイルがあしらわれた壁泉跡があった。


布目のタイルがよい味わい。
中にはモザイクタイルも。


こんなオウムのタイルは、初めて見た。


貝殻を焼き付けたようなタイルも貼られていた。


テラスの先に見えるのは、離れの茶室。
こちらは非公開。


次に和室へ。
入口は、このような扉がついていた。





こちらの茶室は、日牟禮八幡から移築された江戸中期の建物だそう。


舟板が再利用されている。


茶室では、お茶のお稽古などもされていたそうだが、
人気の教室で、手狭になった為、後ほど離れにも茶室を建てられたのだそう。


襖の引手は竹の節が使われていた。



そして、ダイニングルーム。
ミントグリーンが素敵なダイニングルームだったが、
壁の色は、何度も塗り替えられているそうで、
最初からこの色ではなかったもよう。


造り付けの戸棚は、収納力もばっちりだそう。


ダイニングを出た所にあるスペースは、コート掛けなど
収納の為のスペースに。



隅にあるのは、2階へつながる糸電話的なもの。
いろいろと工夫が凝らされているなあ。


階段を上がって2階へ。



階段途中にある洗面所兼トイレ。
アメリカ製のホーローのシンクが二つ。
コロンとした形が可愛い。


2階の書斎兼居間。


細かく彫り込まれた軽井沢彫りの家具が美しい。


書斎の奥の部屋には、おばあさまが嫁入り道具として持って来たのでは、というクローゼットが、ワンポイントに薔薇の寄木細工が施されていておしゃれだった。





部屋の片隅には、座面がメッシュな小ぶりの椅子。
あちこちにさりげなく置かれてる家具がいいなあ。
家具は全部で23点が文化財として登録されているという。


そして、寝室。
実際にこちらで寝起きされているというが、生活感が全くなく、美しい。


寝室にはこの部屋の中で、身支度が完結できるようにと
洗面台が備わっていて、その両脇には、夫婦それぞれのクローゼットが造り付けで設置されている。



グレー味を帯びたホーローの洗面台、シックで素敵。
鏡は収納を兼ねている。


歯磨きのコップ置きと、歯ブラシ立てが一体となり、用の美を感じるデザイン。


階段ホールにぶら下がる照明は、ローズがモチーフでモダンな雰囲気。



廊下の隅にぴたりと収まっていたのは、ランドリーボックスとのこと。
竹製のようだけど、なんておしゃれなランドリーボックスなんだろう。


和室の入口に使われている杉戸絵の描かれた戸は、別の武家屋敷から持ってこられたものだそう。


その扉を開けると和室




ヴォーリズ直筆の絵とサインが残されている。


3階にも客室として使われていた部屋があり、そちらには、昔の旅行鞄が並べられていた。
昔の旅行鞄、、なんと大きいのか、、歴代の旅行鞄が並べられていたが、


やはり、この一番大きなものが最も古いそう。
カバンだけでも相当な重量があるという。


3階の部屋の床だけが、建築当時のまま残されているとのこと、
何ともいえない良い艶があった。



そして、金物のドアノブ。
ヴォーリズといえば、クリスタルのドアノブだけど、
初期の頃は、この金物のドアノブをアメリカから輸入して使用していたそう。
こちらは、ヴォーリズが建てた最初期の住宅なので、残されていたようで、
後ほど衛生面や耐久性などからクリスタルに変わっていったという。


部屋の隅には、ぽっかり穴のあいた造り付けのチェストがあった。
この穴は、室内で身支度を整える為に、水を張った洗面器を置いて使用したそう。

以上、いろいろと解説をして頂きながら一通り見学させて頂いた。
実際に住まわれている中での建物が見学できるという機会はなかなかないことで、使われている家具と共に建物が生き生きしているのを感じた。
公開する側にとっても勇気がいることだと思うけど、建物が大切に保存維持されて、活かされていて更にそれを見学できる機会を与えて頂けるのは、とても有難いことだなと感じた。



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