m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

イケフェス2017【住友ビルディング他】

2017-11-10 | イケフェス2017

イケフェス、最後にやってきたのは住友ビルディングのガイドツアー。

帰る道すがら、ちょうどツアーが始まる時間だったので参加することに。

 

 

住友ビルディングは昭和37年に建てられた延床面積、西日本最大のビル。

 

 

現在も賃貸オフィスビルの1階当たりの床面積としては大阪最大のマンモスビルだそう。

 

 

エレベーターホールも広大。

最近の改装時に階数によってカーペットの色を変えるなど、表示をわかりやすく工夫されたそう。

 

 

大理石の壁にシンプルな時計。

 

 

当時のままのデザインが残る会議室へ。

会議室へアプローチは木に囲まれた空間に。

 

 

会議室の中も竣工当時の木の壁面が残されている。

 

 

 

 

なんと窓側は木の壁面が自動で開閉できるようになっていた。

 

 

閉ざされてた壁面はブラインドのように90度回転し、外の光が取り込めるようになっている。

閉じられた空間から木の壁が開いて外の景色が飛び込んでくるのはあっと驚く仕掛けだなあ。

 

 

そして食堂。

こちらも天井や壁面などは当時のままだそう。

 

 

間接照明が使われた天井。

 

 

大きく切り取られた窓からは中の島のビル群が眺められる絶景が広がる。

 

 

 

 

食堂に隣接する会議室。

普段はなかなか潜入することはできない巨大なオフィスビルのツアー、参加できてよかった。

 

 

住友ビルディングを出て、淀屋橋を渡ると日本銀行大阪支店の建物。

こちらも以前、見学ツアーに参加→☆

 

 

 

昭和10年開店の大阪最古級のバー、堂島サンボアバー

 

 

タイルのファサードが素敵な阪口ビル

 

 

日本橋の食堂園を見たので、新地の食道園もチェック。

 

 

レースのようなファサードのビル。

 

  

地下へ下りる階段にこんなかわいいタイルが入れられてたビルも。

 

 

手描き風の動物模様がリアルに描かれてるタイル。

 

 

この鳥も可愛いなあ。

タイルも一枚一枚の縁が波打ってるのがクラフト感あるなあ。

 

 

透明感のあるきれいなグリーンのタイル。

 

 

こちらのグリーンのタイルもやきものの風合い。

 

 

溝を彫りこんだような模様のタイルの面白い。

 

 

こんなテラゾー仕上げの床も見つけた。

 

雨の中よく歩き、いろいろと楽しいものを発見できたイケフェスの一日だった。

 

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イケフェス2017【北野家住宅&江戸堀コダマビル&今橋ビルヂング】

2017-11-07 | イケフェス2017

イケフェス、次にやって来たのはまだ内部は見たことがなかった北野家住宅。

昭和3年に建てられた木造三階建ての町屋。

大阪の都心部が空襲で焼け野原となった際に、焼夷弾の直撃を受けたにもかかわらず奇跡的に残った町屋なのだそう。

北野家で、ひろ009さん夫妻に遭遇。

 

 

とても急で細い階段を上がって2階へ。

窓辺が明るいお部屋。

ソファが置かれ、洋室のような雰囲気。

 

 

竹が1本渡された簡素な欄間?!

 

 

大広間。

 

 

床の間。

 

 

こちらの広間の欄間には鳳凰の透かし彫りが入れられていた。

 

 

廊下の天井

 

 

奥の小部屋にはこんな飾り棚。

丸窓がついてる棚も。

上の開き戸は微妙にアールに張り出している。

 

 

おばあちゃんの家にあったような懐かしい雰囲気の小ぶりな家具がいくつかあった。

 

 

1階にあった金庫。

こじんまりした町屋で、現在は住まわれていないそうだけど、今も住まわれているかのような設えがされていて

持ち主の方が快く案内してくださった。

 

 

その次にやって来たのは江戸堀コダマビル。

こちらも内部特別公開中。

昭和10年に綿布商、児玉竹次郎氏の住まいとして建てられたもので、現在は音楽スタジオ、イタリア資料室、

などのサロンビルとして使われている。

 

 

スパニッシュ様式に和風が加味されているというデザイン。

ファサードのバルコニーが付いた縦長の窓も魅力的

 

 

建物前に飾られた大きな柱頭は解体された旧日本火災海上保険株式会社大阪支店ビルのものを譲り受けたものだそう。

 

 

1階のショップの三連窓には上部にステンドグラスが入る。

 

 

 

 

 

入口扉の取っ手。

改修時のものだろうけど、やきものの取っ手の色合いが美しい。

 

 

玄関入ったところにあるステンドグラス

 

 

階段親柱や手摺子に入れられた彫刻もいい表情。

 

 

階段のささらという側板にも細かくカーブの装飾が入れられてて美しいなあ。

 

 

 

 

屋上床に敷かれたクリンカータイル。

 

  

アーチを描く煙突も。

 

 

ベランダ柵

 

 

3階は懐かしい昔の道具の展示室となっていた。

 

 

この中に炭を入れて使ったというこたつ。

華麗なデザインだなあ

 

 

その後、今橋ビルの公開を見ようとやって来たけど、早く着き過ぎて、そばの大阪倶楽部の写真を撮る。

こちらも以前特別公開に参加したことがあった。→☆

 

 

 

 

ロビーまで立ち入り可、だったので中にも入ってみた。

この恐い鬼の顔が貼り付いた壁泉。

 

 

その周りを取り囲む美しい色合いのタイル。

 

 

こちらは中でいう階段踊り場の窓に入ったステンドグラス。

外側の装飾も凝ったものだ。

 

 

そうこうしてるうちに、今橋ビルディングの見学の時間に。

大正14年に建てられた、元消防署のビル。

現在はイタリアンレストラン、デルポンピエーレとなっている。(ポンピエーレはイタリア語で消防士)

 

 

 

この1階部分は少し天井が高くなっていて、消防署時代は消防車が入るガレージだったとか。

 

 

消防署時代の赤い非常灯がそのまま残されている。 

 

 

1階の消防車が入っていた車庫の部分は現在、オープンキッチンのカウンター席になっている。

 

 

1階から3階まで鉄のてすりが付いた階段は消防署時代からのものだそう。

 

 

2階のレストラン客席。

中2階には昔司令室だったという部屋が個室として使われていた。

 

 

 

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イケフェス2017【安井建築設計事務所本社ビル他】

2017-11-05 | イケフェス2017

イケフェスの続き・・安井建築設計事務所へやってきた。

事務所では「建築家・安井武雄 船場を彩った作品たち」という写真や模型で建築作品を紹介する展示が行われてた。

安井武雄の建築では後ほど通る高麗橋野村ビルディングの東洋風な不思議な外観が好み。 

 

 

展示室の入口両脇には安井武雄が設計したという元野村銀行社長、野村元五郎邸の玄関格子扉が移設されていた。

 

 

こちらの曲線が美しいアールヌーヴォー調の衝立も安井武雄設計のものだそう。

 

 

展示室前にあった椅子もカッコよく、座りやすそうなデザインだなと思ったけど、これは違った。

展示室の中は写真撮影禁止だったけど、今は無き安井武雄設計の建物が大きなパネルや模型などで紹介されていたりと

興味深かった。

 

 

後で通った高麗橋野村ビルディング。

昭和2年に安井武雄設計により建てられたもの。

 

いい色合いのタイル貼りの一階部分や、瓦で縁取られた各階の壁面やこのなんともいえないコーナー部分などなど・・

 

 

(天気のいい別の日に撮った)このビルの入口も不思議装飾にあふれてる。

看板周りの装飾も中華風で面白く、両脇には月と竹?がモチーフの柱が立つ。

玄関ホールも東洋風な意匠が興味深い。

 

 

 

 

 

 

1階周りに貼られた大ぶりのニュアンスのある色合いのタイル

 

 

すぐ近くにはこちらも安井武雄設計の昭和8年に建てられた大阪ガスビルがある。

大阪ガスビルは去年のイケフェスで見学ツアーに参加→☆

  

 

 前を通った生駒ビル。

こちらも前回見学ツアーに参加→☆

 

 

前後するけど、その前に見に行った大阪商工信用金庫本店ビルに移築保存されたモザイク。

 

 

元々は昭和36年に東洋紡本町ビルの屋上に設置されていたもので、繊維産業の街大阪・船場のシンボルとして制作された

今井兼次による「糸車の幻想」という作品。

 

 

 

 

 

モザイクには廃棄される陶磁器などをリサイクルしたものもあるそう。

 

 

今井兼次は日本のガウディと呼ばれただけあって、ガウディっぽい。

長崎で見た聖フィリッポ教会や日本二十六聖人記念館も今井兼次デザインのもの。

 

 

 

 

 

よく見ると、ほんとに小皿、お茶碗、お皿などなど、そのまま貼られてるものも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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イケフェス2017【日本橋から堺筋本町まで歩く】

2017-11-03 | イケフェス2017

食堂園を見に日本橋まで来たので、千寿ビルのモザイク画を見に立ち寄った。

 

 

モザイク以外の階段周りの壁面にはブルーの濃淡のタイルが貼り巡らされていてきれい。

 

 

 

 

モザイク画は左右の壁に雰囲気の違うものが描かれている。

 

 

 

 

雨が結構降ってたのできれいに撮れず;

 

 

 

 

床には星のモチーフがいくつか入れられてた。

 

 

歩いているとタイルに囲まれた路地?があり、思わず吸い込まれるように中へ。

 

 

所々、ポイントに入れられた赤と青のタイル

 

 

奥までたどり着くと、なんとそこにはらせん階段があり、そこの壁にはモザイク画がびっしり描かれてた。

 

 

今は使われていないような階段・・

昔はこの2階に何かお店があってその入口を彩るようにこのモザイクが描かれたんだろうか~

今は人知れずひっそりと路地の奥に眠ってた。

 

 

そして村野藤吾設計の浪花組本社ビルに差し掛かった。

ここは2015年のイケフェスでガイドツアーに参加。その時の記事→☆

とても村野藤吾とは思えないような外観だけど、中は意外とシンプルで、村野藤吾設計の家具類なども

たくさん残っていて興味深かった。

 

 

すぐ隣くらいにあったタイル尽くしの空きビル。

 

 

ブルーのタイルが鮮やかできれいだった。

 

 

そして、目に留まった巨大なモザイクタイルツリーのビル。

ビル全体がモザイク画に。

 

 

蔦に覆われた珈琲店

 

 

茶色のタイルに覆われてた渋いビル

 

 

末吉橋の端のたもとにあった、かわいい壁画が描かれたお店。

 

 

カフェミモザ。

めちゃ可愛い外観。。

入ってみたかったけど、この日は閉まってた。

窓やドアにはステンドグラスが見える。

 

 

なんと玄関ポーチには白鳥のモザイクタイルがすてき!

さぞ店内も可愛いんだろうなあ。今度あらためて行ってみたい。

 

 

その後見つけた渋ポストとタイル

 

 

グリーンから黄色のグラデーションが美しいなあ。

 

 

歩いていると、塔屋の乗ったビルが出てきた。

このビルは初めて見るかも。

大正13年に建てられた、輸入食料品などの販売を行っている旧明治屋のビルだった。

現在、1階はローソンが入っていて、風蘭ビルとの看板が。

 

 

ビル自体はシンプルな感じだけど、屋上にはこんな塔屋が乗っている。

低めなので、ちょっと近づくと見えなくなるが。

 

 

イケフェスの旗は立ってなかったけど、勝手にイケフェス?!

少し中を見せていだたいた。

 

 

エントランス床は小さなモザイクタイルが2列のラインで格子状入れられている。

ラインで入っているモザイクタイルも可愛いなあ。

 

 

エントランスホール

 

 

旧明治屋時代の間取り図などが入っていた。

 

 

階段はシンプル。

 

 

廊下はスチールサッシの窓が三つ並ぶ。

 

 

三つ並んだ窓の金具のデザインが全て違っていたのはわざとなのかなあ?

 

 

 

 

どのハンドルも味があっていいなあ。

 

 

 

 

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イケフェス2017【食堂園】

2017-11-02 | イケフェス2017

 イケフェス、土曜の朝一に訪れたのは食道園宋右衛門町本店ビル。

昭和43年にダンスホールやバーなど商業建築を得意とした生山高資氏が手掛けたというビルだそう。

イケフェス二日間は開店前の時間帯に建物公開されてた。

 

 

ファサードは浅いV字に波打つ石貼りの壁面に、1,2階の竹製?のフェンスは矢筈のようなデザインで和風の趣。

 

 

店内に一歩足を踏み入れるとそこはあっと驚くゴージャスな世界が広がっていた。

 

 

エントランスホール床は大小のドット模様のテラゾー仕上げに。

 

 

1階の客席をエントランスホールから眺める。

天井の照明が、華やかで気分が盛り上がる。

 

  

客席の入口にある衝立も、キラめいてる~

 

  

そして驚いたのは全ての客席の壁面はモザイク画で覆われてた!

なんと贅沢な空間!

モザイク画は夕暮れの都会のビルが立ち並ぶシルエットや、

 

 

橋のある風景などなど、とても美しい。

排煙フードも銅製で丸いフォルムがかわいいもので、インテリアのひとつとして溶け込んでいる。

 

 

隣の客席との仕切りには型板ガラスが使われていたり、、

 

 

 

 

 

ホールの床も六角形の模様のテラゾー仕上げに。

 

 

中央には当初は噴水があったそうだが、水が跳ねたりするので、現在は静かに水が流れ落ちるタイプのものに

変わったとのこと。

 

 

モザイクタイルでできたプランターなんかもあった。

 

 

エントランスホールには衝立で囲まれた客席が数席あった。

この衝立も味わい深い型板ガラスでできている。

 

 

衝立内側

 

 

衝立内側の客席の下にはこんなちょっとレトロなタイルが敷かれてた。

 

 

壁の切り替えも斬新だなあ

 

 

2階以上の客席も興味があったので、お願いすると見せて頂くことができた。

階段の壁面にあったニッチもモザイクタイルで装飾されている。

 

 

階段周りにも立体感のあるタイルがふんだんに貼り巡らされていた。

 

 

2階のエントランス床のデザイン。

客席は新しくなってしまっていたようだけど。

 

 

更に3階へ上がらせてもらうと、こんなフロントのコーナーもあった。

カウンターがレトロ 

 

 

そして葡萄のような照明も。

明かりを灯してもらうと、その影もまたゴージャス。

 

 

 

 

 

こんなスクエアタイルが貼られていた壁面も

 

 

 天井の換気口も花のような形に。

食堂園、昭和バブリーで華やかな空間を存分に味わうことができた。

こんな雰囲気なので、食事をするのもさぞお高いのだろう、と思いきや、

なんとランチは800円くらいからあるそう。

機会あればぜひ行ってみたいな。

 

 

 

 

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イケフェス2017【関西大学千里山キャンパスツアーその四】

2017-11-01 | イケフェス2017

 

関大キャンパスツアーの続き・・

次にやって来たのはまた、ユニークな形をした建物。

昭和39年に工学部の為の専門図書館として建てられたもので、現在はITセンターとなっている。

 

 

ドーナツ状の閲覧室を16本の柱が支え、箱状の部屋を吊り下げるという形に。

ドーナツ状の元閲覧室の真ん中には当初は中庭があったそうで、庭のグリーンを眺めつつ本が読めるという贅沢な造りになってたとか。

残念ながら今は庭はなく屋根がかかってしまってるらしいが。

 

 

支える16本の柱は下にいくほど太くなっていくエンタシス式になっていて、安定感が感じられる。

柱の表面はざらっとしたかき落しのテクスチャに。

こちらの軒下空間であるピロティは学生の活動の場を想定して造られたという。

今でも雨の日はこの軒下に学生が集まり、活用されているのだそう。

 

   

上から吊られた箱状の部屋。

 

 

鉄とガラスの組み合わせ、箱が交互に重なるように配置された部屋は奇抜なデザインで、

中からの様子はどんな感じなのか気になった。

こちらの内部は見学できずだったが。

 

 

 

   

そして次に訪れたのは第三学舎の1号館。

昭和43年に建てられたもので、

 

 

外観は塔がポイントとなっているが、塔には時計も何もついていないシンプルなもの。

試行錯誤をした跡がうかがえるスケッチなどが残されてるそうだが、最終的にごくシンプルなデザインになったそう。

 

 

正面玄関を入ると左手には階段があり、当初はオープンな階段だったが、消防法により後付けでガラスが入ったそう。

この補強の入ったガラスがなければ、また違った雰囲気だったんだろうなあ。

 

 

 

 

2階のフロアに上がると、2カ所にこんな天窓が入っている。

3階、4階とも同じく天窓が入る。 

 

廊下の真ん中にぽっかりと二つくり抜かれた天窓

 

 

吹き抜けの贅沢な空間・・

 

  

最上階の4階の天窓

 

 

階段にトップライトからやさしい光が降り注ぐ。

素敵な空間だなあ。

 

 

エントランスホールに下がってる照明は新しいものだそうだが、シンプルでこの建物にマッチしたものだった。

 

 

そして最後に訪れたのが、関西大学学生会館。

こちらは昭和40年に建てられたもので、当初は予算の関係で他の設計事務所に依頼していたそうだが、

最終的には村野藤吾が設計することになったのだとか。

内部には入ることはできないが、中には金属製のらせん階段などが残されているそうだ。

 

 

建物横に階段棟

たっぷり2時間の村野藤吾設計の関西大学キャンパスツアーはここでお開きに。

この後はこの敷地が千里山遊園だったころの園路の跡をたどり、駅まで下った。

キャンパスの端から端まで歩き回りながら村野藤吾の主な作品をほぼ見せて頂くことができ、充実のツアーだった。

 

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イケフェス2017【関西大学千里山キャンパスツアーその三】

2017-10-30 | イケフェス2017

キャンパスツアーは更に移動して、誠之館へ。

誠之館3号館は千里庵と呼ばれる和室で、茶道など学生のクラブ活動などに使われているそう。

村野藤吾設計の和室で部活なんて、贅沢だなあ。

しかし大学の建物ということで、部材にはさほどお金はかけられてはいないそうで、ベニヤなど簡素な建材が使われているとか。

 

 

この建物の雰囲気や屋根の形、以前見学した京都のウェスティンホテルの佳水園の建物に似てるなあ。

ゆるい勾配の屋根が圧迫感を感じさせず、周りの緑に溶け込む感じ。

 

 

こちらは誠之館2号館。

こちらも学生のクラブ活動の施設として使われているそう。

この2号館はコンクリートブロックで造られていて、1階部分はブロックの表部分が、

2階部分は裏側が表面に出され、遠目で見ても荒々しい壁面が見える。

 

 

ブロックの裏面が表に出された2階部分。

タイルと同じようにブロックも表裏が使い分けられていて、それによって建物の表情に変化を持たらせているのが面白いなあ。

  

 

そして誠之館2号館の前にそびえたつのはKUシンフォニーホール。

これまで見た校舎とはまた雰囲気の違うちょっと不思議な形をしたホール。

昭和38年建築当初は玄関入口の庇はなかったそう。

 

 

傾斜地に建てられていて、その横の階段を上がりながら建物を見学。

 

 

建物側面にもいろんなデザインがされている。

 

 

ガサっと丸く削り取られたような壁面も

 

 

非常階段と裏の出入り口

 

 

階段を上がり切ったところからKUシンフォニーホールの屋根を。

 

 

そしてその高台から次に見学する第四学舎の2号館講義棟を眺める。

横に長く、一見それほど特徴的でない建物。

 

 

下りてきて、建物の足元を見ると地面との間にわずかに隙間がある。

これは足元をすいて、巨大で長大な建物をより軽く見せるための工夫だそう。

 

 

こちらの壁面は第一学舎の煉瓦色のタイルとは違って白っぽいタイルでまとめられている。

目地は深めで、陰影がはっきりと出るデザインになっている。

 

 

ピロティにはガラスに囲まれたボックス状のスペースは男子トイレがある。

今は足元に覆いがかかってしまっているが、覆いを取ると、1本の柱がトイレを支えている状態になっていて、

ガラス張りのトイレが宙に浮いた感じに見えていたそう。

当時はそのガラスももっとスケスケで中の人影がわかるほどだったとか・・

遊び心のあるデザインだなあ。

 

 

隣の1号館との間につけられた渡り廊下

 

 

1号館には学術フロンティアセンターが増設されている。

こちらは増設することで1号館の建物に耐震の為のブレスなどを入れることなく持たせられるよう

耐震補強も兼ねているのだそう。

建物同士で支え合う、みたいなことができるんだなあ。

更に見どころの建物へ続く・・

 

 

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イケフェス2017【関西大学千里山キャンパスツアーその二】

2017-10-29 | イケフェス2017

博物館から第一学舎の2号館へやってきた。

こちらは大教室棟となっていて、レンガ色の少し小ぶりのスクエアタイルが貼られている。

建物はそれぞれ、タイルの目地幅や深さ、貼り方に多様性を持たせ、建物に応じて貼り方を変えるなど

いろいろと工夫がなされているのだそう。

 

 

こちらの2号館のタイルは目地は浅めにとられてた。

 

 

 

 

2号館の校舎の中央の大階段は一見普通の階段に見えて、

実際上ってみると、段差が程よく緩やかで、華奢な感じの手すりも手になじんだ。

 

 

幅の広い大きな階段だけど、細部は軽やかに見えるよう工夫されてるようだった。

 

 

あちこちに置かれてたテーブルと椅子。

新しいものだそうだけど、脚が繊細で美しいデザインだなあ。

 

 

このフェンスのデザインも素敵!

 

 

隣の3号館の階段も上らせてもらえた。

こちらの階段手摺もほんとに軽快な雰囲気。

よく見ると左右の手すりのカーブが違うデザインに。

 

 

 

 

 

 

 

こちらは総合研究室棟

 

 

こちらの建物は建物の面によって煉瓦タイルの貼り方を変えているとか。

東面にはタイルの凸線が入っている裏面を表にし、

 

 

南面にはタイルの裏面と表面がミックスされ、貼られてるのだそう。

光が当たることで、陰影が違ってくるとのこと。

同じタイルでも貼り面を変えることで、違った趣を出すなんて、斬新なアイディアだなあ。

 

 

そしてこちらは岩崎記念館。

村野藤吾の千里山キャンパス初の作品であった旧大学院学舎の建て替えだそう。

こちらの建物はよく見ると窓のデザインが一層毎に異なっているという。

1階の窓は壁面からは凹んだ位置についているが、4階の窓枠は出っ張っているなど窓にも変化が持たされているのだそう。

 

こちらは壁面と同じ位置の2階の窓。

 

 

そしてタイルは光沢のあるものが使われていた。

第一学舎は同じような茶系のタイルでまとめられていたが、それぞれに変化がつけられ、

工夫がされているということを解説を聞いてよくわかった。

ツアーは更に続く・・

 

 

 

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イケフェス2017【関西大学千里山キャンパスツアーその一】

2017-10-28 | イケフェス2017

イケフェス1日目は関西大学キャンパスツアーに当選してたので参加してきた。

関西大学博物館は以前、個人的に見学したことがあったけど、今回はキャンパス内の村野藤吾設計の校舎を

いくつか見て回れるということだったので楽しみにしていた。

村野藤吾は1955年から1980年にかけて約30年間もの間、こちらのキャンパスの設計に携わり続けたそうで

当初は村野藤吾設計の建物は40棟あったのだとか。

現在は20棟と半減してはいるが、それでも一つの敷地内でまとまった形で見ることができる唯一の貴重なスポットだそう。

 

 

まずはこちらの関西大学博物館。

1955年の建築当初は簡文館という図書館として建てられたもので、キャンパス内に残された村野藤吾の最古の建築だそう。

今では周りの建物や木々に隠れて目立たない存在になっているが、当初は丘の上の目立つ位置に建てられたという。

外観はタイル貼りになっていて、

 

 

タイルがモザイク状に貼られている箇所があり、

そのモザイクのデザインが全て微妙に違っていて楽しい。

 

 

縦長の窓はヨーロッパの石造建築によく見られるようにクラシックな印象を与えるという。

更に窓には飾りが入れられ、バルコニーが付いていて優雅な雰囲気を漂わせている。

窓面と直交する部分のタイルは色タイルが使われていたりと細かいこだわりが。

 

 

昭和3年に建てられた校舎と村野藤吾設計の簡文館との境目。

 

 

建物内へ入ると、美しいラインを描くらせん階段が。

 

 

 

 

S字を描くカーブ

村野藤吾らしい軽やかで優雅な階段。

 

 

 

 

 

 

階段途中の照明

 

 

こちらは昭和3年建築時に玄関となっていた階段

いい色合いの煉瓦タイルが階段にも壁にも

 

 

 

 

当初建築時から、補修用のタイルがちゃんとストックされてるそうだ。

 

 

昭和3年建築部分は階段を上がると花台と受付窓口があって、

周りの壁は大判の布目タイルに覆われていた。

 

 

 

 

 

 

階段周りにも。

 

 

博物館の2階に上がると当初図書館の閲覧室だったところが博物館の展示室に改装されている。

展示室になったことで、窓が全てふさがれてしまっているのが残念。

 

 

 星空のようなロマンチックな天窓はそのままに。

 

 

 

 

階段室への扉。

真鍮の取っ手のラインがきれい。

 

 

ガラスのスクリーンに入るグリルも村野藤吾のデザインによるもの。

この後は第一学舎の2号館へ。

 

 

 

 

 

 

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イケフェス2017【大阪市立大学ガイドツアー】

2017-10-27 | イケフェス2017

今年のイケフェス、今日は大阪市立大学のキャンパスツアーに当たっていたので行ってきた。

詳しい解説付きでたっぷり1時間半の見学会を楽しめた。

昭和9年に大阪商科大学本館として建てられた、現在大阪市立大学1号館。

中央には時計台があり、軸線を強調した左右対称の建物は整然とした威厳の感じられる校舎をイメージ。

戦前の建物ながら装飾のないモダンデザインという新しい試みで建てられたのだそう。

 

 

前庭を囲んで、同じく昭和9年に建てられた旧図書館の現在学生サポートセンターが建っている。

この芝生広場には当初はヤシの木が植わっていたそうだけど、今年の6月に伐採され、すっきりと校舎が見渡せるように。

 

 

時計塔を中心に左右に伸びる校舎。

 

 

 

 

 

正面玄関を入ると中央には大階段がある。

塔があり、大階段があるのは名門大学の証なのだとか。

 

 

 

 

階段の途中にはアールデコ調の飾りの入った丸窓が両サイドにあり、天井には今はふさがれているが、

天窓があったという。

当初は階段室に天窓からやわらかい明かりが降り注ぐという設計になっていたそう。

 

 

 

 

塔の2階から前庭を望む。

 

 

塔に付く時計の真裏。

 

 

そして時計台の中はほんとに何もなく、屋上へはこのはしごを伝って上がれるようになってるのだそう。

 

 

1号館2階にある120教室はこの部屋だけは天井周りに装飾が施されている。

元々は食堂だった部屋だそうで、皆がくつろぐための食堂にだけ唯一装飾が取り入れられていたのだそう。

 

 

天井の廻り縁や黒板の後ろの柱上部、梁などに装飾が見られる。

 

 

 

 

こんな飾りも。

校舎の中でこんな装飾が見られたのは後にも先にも、この元食堂だけだった。

 

 

1号館北東からの外観は半円形に張り出したバルコニーが付いていて、

直線的ですっきりした印象のデザインの中にもアクセントが効かされている。

 

 

校舎の強調された横のラインと共に、平行して伸びる渡り廊下

スピード感や流動感を現す外観。

 

 

渡り廊下をくぐる。

 

 

サポートセンターへ。

こちらは旧図書館だった建物。

 

 

旧書庫だった部屋が会議室にコンバージョンされているのだそう。

コンバージョンとは、あるものを別の形で再利用することだとか。

重い本に耐えうるように梁が細かく入れられ、天井も低め。

 

 

旧書庫だった当時の窓が二つそのまま残されていた。

こちらは鉄製の窓枠になっている。

 

 

3階の書庫へ。

こちらは先ほどの部屋より広め。

何重にも重なる梁が壮観。

 

 

こちらは旧図書館の新聞閲覧室だった部屋で現在女子更衣室となっているところ。

ゆるやかなアール状に窓が並び、明るい光が差し込む部屋

 

 

 

 

部屋の真ん中にある太い柱から放射状に梁が伸びる。

美しい特別感のある部屋だなあ。

 

 

こちらは旧図書館だった頃の正面玄関に当たる面。

1階から階段を上がった踊り場には、少しくぼみを持たせたバルコニーが形作られてる。

 

 

そして当時では一番大きなガラスを使って作られたという窓。

こちらも当時の鉄製の窓枠がそのまま残されている。

 

 

ちょうど旧新聞閲覧室(女子更衣室)の上の階になる第一会議室。

バルコニーは旧新聞閲覧室の半円に張り出した窓の部分で、中央にあった柱はこの時計のついている柱に続いているそう。

 

 

こちらの会議室には丸窓も残されていた。

 

 

そして驚いたのは2階の階段を上がり切った正面の扉を開けると、そこに広がっていたのは天井裏の空間。

1階の事務室の上部に当たるところ。

こんな大空間が天井裏として残されているなんて。

 

 

サポートセンターの中庭は学生からアイデアを募集して整備され、開放されているという。

 

 

丸窓と縦長窓がリズミカルに並ぶ外観

 

 

広報室となってる部屋には最も古いガラス窓が残されている。

ガラスはゆがみのある手吹きガラスで鉄製のサッシが入る。

照明はモダンなデザインのもので、古いものと新しいものの融合が見られる部屋となっている。

 

 

 

 

 

最後に書庫の中庭へ。

新旧の書庫が両側に建ち、旧棟は細かいピッチで入れられた柱の形がむき出しになって見える。

 

 

その柱は上に行くほど細くなっているという。

上に行くほど細くすることで材料は減らせるが手間がかかるものとなる。

人件費の安い当時だからできたことだそう。

 

ここでツアーは終了。

校舎の内部、裏側まで、見どころの多い見学会を楽しむことができた。

 

 

 

コメント (2)
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