m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

神戸アートマルシェ2024&兵庫県庁

2024-04-24 | 建築巡り・街歩き【兵庫】


この日は、こだんさんにお誘い頂き、神戸アートマルシェ2024へ。
花隈駅で降りて、やって来た神戸メリケンパークオリエンタルホテル。


神戸ポートタワーが見え、
海がすぐそこで、いかにも神戸らしいスポットだが、この辺りに来たの初めてかも、、

モザイクタイルでできたオブジェもあった。






こちらは、降り立った花隈駅のタイル。
ピンク色がかわいい!
以前も、電車に乗ってて通りかかり、このタイルにつられて思わず途中下車してしまったことが。




神戸アートマルシェは、思ったよりとても楽しくて、作家さんや、ギャラリーの方々といろいろとお話しながらひとつひとつ見て回っていたら、全然時間が足りなかった。
その中から気になった作品など。
Xの自分の投稿から↓











アートマルシェを楽しんだ後は、用事のあるこだんさんと三宮で別れて、兵庫県庁まで。
平日でちょうど開館してるのと、
2026年には老朽化の為、解体されるという1号館.2号館を見ておこうとやってきた。

現在の県庁舎は5代目で、1号館は昭和41年に、2号館は昭和45年に、3号館は平成2年に、当時の営繕課長光安義光設計により建設された。





前を通る度にこの茶色のグラデーションのタイルが魅力的だなと思ってた。


タイルの質感もそれぞれ表情があっていいなあ。



正面玄関の車寄せ。
タイル貼りの柱から伸びる庇の菱形モチーフのデザインが素敵。
照明も仕込まれているみたい。



玄関ホール。
意外にシンプルな内装で、天井には、大きな四角形の照明が何ヶ所かついていた。


照明には、マーガレットのような花のレリーフが入ってた。
県花がのじぎくなので、のじぎくをモチーフにしたものだろうな。

ロビーの壁面には、大理石の象嵌作品も。


赤みを帯びた大理石に、白い大理石で抽象的な模様が嵌め込まれている。

階段ホール。




エレベーター周りに一部モザイクタイルの使われていたところも。




平成2年に建てられた3号館は残るそう。


車寄せの照明。

ロビーの天井には、三浦啓子さんのステンドグラスが全面に入っていて、とても美しい。


神戸らしい海の色がイメージされているのだろうか?ガラスの揺らぎが水の中を思わせる。
この後、道中で通った「けんもつ珈琲店」へ立ち寄った。
続く、、

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日生の牡蠣バーベキューとカキオコ&備前・cafe MUGENAN +

2024-03-31 | 建築巡り・街歩き【兵庫】



今期3回目の牡蠣を食べに、両親を連れて日生へやってきた。
ここ最近、母の病気がいろいろ発覚して、病院へ付き添うことが多くなってきたが、
まだ気力と体力のあるうちに行きたいと思う所にあちこち連れて行っておきたい。と思いつつ、ちょこちょこ出かけてる。
少し前に室津へ牡蠣の食べ放題に行ったから、カニとか別のものがいいんじゃないか?と提案したら、両親共、牡蠣がいい!と言うので、今回は、日生までやってきた。
日生へは、何度か訪れているが、18年前にも両親と訪れていて、ちょうどこのブログの1回目が日生の記事だった。


あの時と同じように、向かいの五味の市で牡蠣を買って、海の駅しおじでバーベキュー。
(前日までの要予約で90分2500円)
カゴに入った牡蠣、1番大盛りの3000円のものを買ったが、更におまけで追加してくれた。またお代わりに来ます。と言ったが4人ではこれで十分だった。


市場のお姉さんがいうには、今年は特に牡蠣が大きくて、焼いても縮まない、との言葉通り、身がすごく大きくて立派な牡蠣ばかり。


今回もアヒージョにと、オリーブオイルとニンニク、バゲット持参で。
3000円の牡蠣が食べても食べてもなくならない〜4人だと1人10個はありますよと言われてたが、もっと食べた気がする。
それに一粒が大きいので、結構すぐに満腹になった。
ひょっとして食べ放題より、効率よい?!
食べ切れなかった牡蠣は、火を通してからオリーブオイルと共に瓶に詰めて、帰ってパスタに絡めることに。


バーベキューの後は五味の市で買い物して、これまた18年前から根強く残ってたカキフライソフトを買って、後の食べる行程があるので、皆で少しずつ味見。
牡蠣フライにソフトクリームをたっぷりつけて、、と言われたけど、やっぱり別々で食べたいな。



そして、日生から以前は無人島であった鹿久居島へ渡る橋ができたとかで、車で渡ってみることに。
子供たちが小学校の頃に、この鹿久居島で縄文体験ができるというので、友人家族と1泊したことがある。
その時は、悪天候の中、小さなフェリーで渡って、転覆すんじゃないかと恐怖の体験をした記憶あり。
なつかしい、、あのまほろばの郷、調べたらまだ残ってた。



牡蠣の養殖の風景。



いいお天気で、海も空もきれい。
特に海の風景を好む父が喜んでいた。



鹿久居島の先の頭島まで橋は繋がっていて、
こんな魚のモニュメントも。


環境汚染の風刺的なモニュメントのようで、
魚の中は、漂流物らしき、様々なゴミが詰まってた。




再び本土に戻ってきて、次なるミッションのカキオコのお店へ。



日生の路地裏を入り、


「ほり」へやってきた。


さすがに1人一枚はキツいので、旦那以外、3人で2枚をシェア。


どちらかというと広島焼き風の生地に牡蠣がたっぷり入ってた。


焼いてる間に、周辺を駆け足で。


美容院の入口周りのタイルと、店名のサインも陶器でできてて良い感じ。


玄関周りに貼られてた瓦のような立体感のある形のタイル。



この後は、備前方向へ20分ほどドライブし、
備前焼の工房にあるカフェ、cafe MUGENAN +を見つけたので行ってみることに。



門が耐火煉瓦を積み上げて造られているようで、

所々に、釉薬などが貼りついた箇所が見られる。

これは、きれいだな。


山の上には、工房や窯があるよう。



薪が大量に積み重ねられている。
窯の焼成に使用される赤松の木材。
乾燥させる為に外に積み上げてるのだそう。
雨が心配だが、中までは浸透しないので大丈夫とこのと。


常滑でも見た焼酎瓶が積み重なる風景。
備前でも土管が造られてたことは伺ったことあるが、焼酎瓶も造られてたのかな?!

カフェは、門を入って手前にあった。



備前焼のショップも兼ねていてモダンな内装。


商品もモダンでおしゃれなものが多く、



備前焼は、ちょっと雰囲気重めのイメージがあったが、
可愛いケーキと合わせたら映えそう。







備前焼とドライフラワー、合うな〜


そして、こちらの備前焼を使ったスィーツがサーブされた。
かわいい〜



私はプリンに。



皆が休憩してる間に、山の上の工房へ。



登窯かと思っていたが、穴窯だそうで、三基あるとのこと。



昔、備前でも造られていた土管も並んでた。

牡蠣からカフェまで満喫できて、皆、満足して帰途へついたのだった。

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チャータードビルのギャラリーVAGUE KOBE&喫茶ポエム他

2024-02-08 | 建築巡り・街歩き【兵庫】

お茶して、そろそろ帰ろう駅に向かっていた時に、午前中ご一緒してたフォロワーさんから連絡が入り、チャータードビルの布目タイルがすごい、との情報が。

これは、行かねばなるまい、と向かった。
チャータードビル、ずっと以前に1階のカフェレストランへ行ったことがあったが、そこが閉店してからずっと閉まったままだと思ってた。
確かに1階はまだ改装中だったが、去年4階にカフェ&ギャラリーVAGUE KOBEがオープンしたのだとか。


大理石に囲まれたエントランスホール。
ここからエレベーターで4階まで。


4階のカフェ&ギャラリーは、とてもシンプルな空間になっていて、お部屋のひとつひとつがゆったりしていた。


カフェも、何もない空間にテーブルがぽつんと置かれ、お茶するのも緊張感漂うかんじ。他の部屋も贅沢にスペースが取られてた。



家具などの展示もされていて、購入もできるようだ。




旧銀行時代の名残として、マントルピースも残されてた。
木製のマントルピースは、内側にタイルが貼られている。



窯変が美しい艶やかなボーダータイル。


金庫室もあり、中の床は、モザイクタイル貼り。



そして上階のルーフトップへ。
その階段壁から、すごいボリュームの布目タイルがびっしり貼られていた。






布目タイルを縁取るように、役物タイルが巡らされ、壁の凹凸に沿って様々な形状の役物タイルが使われて、うっとり。

タイルの布目のラインも、直線ではなく、ゆらゆらと動きがあるのがとても良い。



階段壁から、廊下スペースまで贅沢に貼り巡らされるタイル。


縁の役物タイルは、青みがかり、中の布目タイルは、茶色がかっていたり、


場所によっては、青みがかっていたり、
少しずつ変化がつけられている。


ギャラリーとして使われていた部屋は、コンクリートの壁が剥き出しで、何か内装材を剥がしたような跡がそのままのような無骨な雰囲気がかっこいい。


元浴室らしき小部屋もあって、
入口は、きちんと役物タイルで縁取りされていて、

床面には、モザイクタイルが残されていた。

2パターンのモザイクタイル。



窓の外は、お隣の新港ビルディングのアール・デコの美しい塔屋がバッチリ見える素敵なロケーション。


階段室は、贅沢なことに、2階まで布目タイルが貼られてそうだった。1階は大理石。
素晴らしいタイル空間が見れてよかった〜


前後するが、チャータードビルの前にお茶休憩した喫茶ポエム。
アーケードの商店街からちょっと入った所にある可愛い喫茶店。
たまたま目に入り、入店。

レトロな店内、棚には漫画がぎっしり。
2000冊あるのだとか。






プリンと珈琲を。
なんだか特別感ある感じのプリンの器がうれしい。

この日も盛りだくさんな1日だった。





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神戸そぞろ歩きツアー&欧風料理もん&タイル巡り他

2024-02-07 | 建築巡り・街歩き【兵庫】
昨日は、フォロワーさんに情報頂き、神戸そぞろ歩きツアーに参加してきた。
いくつかの近代建築や建物のさまざまな痕跡を巡り、詳しい解説を伺いながら2時間半ほど歩いた。
著名な元実業家の邸宅跡地に建てられたマンションのアプローチに残された石垣や塀、今はなき建物の銘板など、普段は見過ごしがちなものにも注目しながらの町歩きはまた新鮮で楽しめた。
(兵庫県公館~神戸栄光教会~兵庫県庁~竹中大工道具館収蔵庫~神戸市立海外移住と文化の交流センター~現神戸外国人倶楽部~モロゾフ住宅~旧ハンター住宅跡地~JR西日本ゲストハウス~小磯良平アトリエ跡他いろいろ)


後半に訪れたモロゾフ住宅。
昭和28年建築。戦前期にモロゾフ製菓を日本人と創業し、戦後にコスモポリタンを起業したロシア人パティシエのバレンタイン・エフ・モロゾフの住居だそう。


玄関の庇の持ち送りのラインが面白いラインを描いてた。



勝手口の小さな扉と面格子。
 

この日あちこちで出会ったタイルなど、、

角という角が全部面取りされてたタイル貼りのビル。






丁寧に面取りされ貼られたタイル。




アイボリー色のこのタイルの雰囲気もよかった。



兵庫県公館の車寄せの内側両脇に三浦啓子氏のステンドグラスのロクレールが入れられていた。




兵庫県庁のタイル。
前から渋くていいなと思ってたが、後2年で建て替えされるそうなので
それまでにまたタイルをじっくり見に来よう。
外から見て、ステンドグラスの素敵な部屋?も見えた。








内科クリニックのレリーフタイル


1階はレリーフタイル、2階以上は、グリーンのタイルがバランスよく貼られてた。


三幸学園。建物が新しいようだけど、タイル貼りで、灯台を思わせるような塔や丸窓が並んでいたりと、神戸らしいかわいい建物だった。


ブルーからグレーのグラデーションが味わいのあるタイルの家。




ライト風味のある中華料理店の壁面と照明。


アール・デコチックなこんな装飾も



タイルと面格子


久しぶりに見た絵の具を散らしたような印象派タイル

優雅な弧を描いていたタイル壁のあるらせん階段。


階段周りのやきものの良い風合いのタイル

床に貼られてそうな可愛いタイルが、お店?の外壁に貼られてた。

つるんとした光沢のある斑入りタイル



色とりどりの茶碗が埋め込まれた壁面

ザラっとした粗めの土とアースカラーが素敵な床タイル

お昼は、行きたかった「欧風料理もん」へ


階段の壁面は、赤茶色のタイル貼りに。

お昼時で満席だったので、2階へ案内され、しばし待つ。

南蛮人?が描かれた照明が可愛い。


アイアンの壁掛けや照明、藤田嗣治の絵も掛けられてたり、、

順番が来て1階へ。
インテリアが可愛くて目移りする。



背後の柱の上には、船の舳先についてそうな半魚人の彫刻。


クリームコロッケの定食にした。
美味しかった。

















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神戸シナゴーグと神戸の町歩き&日台レトロ・モダン建築シンポジウム

2023-12-16 | 建築巡り・街歩き【兵庫】

日台シンポジウムの日、せっかくなので午前中は、タイルなどを愛でながら町歩きを少ししてから向かうことに。






茶系のタイル壁に赤いテントが映える窓辺。


釉薬の縮れがアクセントになっていた飲食店のタイル壁。


たまに見かけるデザインの華やかな面格子。


手摺がキュビズム味のあるビル。


以前門が閉まってるところを見ていいな~と思ったビル、ブーミン北野。
開いた扉と、後ろのフェンスが重なり過ぎてて混線状態の入口。


ギザギザ階段の手摺。


四層吹き抜けのホール。



全てのフェンス、階段手摺が、立体感のあるデザインに。













手摺だけでなく、各階、デザインの違うタイルや照明が使われていた。
ステンシルで絵付けしたような、ややポルトガルっぽさのあるタイル。




落ち着いたトーンのガラスタイルが貼られた壁面。



イスラム幾何学模様のタイル。


壁面の照明を仕込んだステンドグラスも。



最上階の屋上への門。
デザインの中に英語の筆記体があるような。


更に神戸シナゴーグ目指して歩いていると、地下の飲食店の下り口に貼られた
ブルーのタイルに惹き寄せられた。



小さ目の正方形のタイルは、白化粧で縦横の刷毛目が付いているものもあり、
濃紺の発色が美しい。


そして、神戸シナゴーグへやって来た。
外観しか見れないだろうなと思っていたが、ちょうど人が出入りしていたので、内部見学&撮影の許可を得れた。



神戸シナゴーグは関西唯一のユダヤ教のシナゴーグで、建物は昭和45年に建てられたもの。


扉の装飾。



礼拝堂



中央にはクリスタルのシャンデリアが下がり、



その両サイドには、フルーツを模したガラスの飾りがつくシャンデリア。


ガラスの飾りがとっても可愛くて、ぶどうやレモン、洋ナシ、青りんごなど、
色とりどりのモチーフがぶら下がっている。



両サイドには、アーチ窓が並び、小ぶりのシャンデリアがぶら下がっていた。

礼拝堂の隣には、大きな集会室が備わっていて、ちょうどパーティーの準備中だった。


タイル貼りのマンション。
所々に白いタイルが、貼られているが、規則性なさそうだし、なんだか補修跡のように見える。しかし補修するなら、もう少し馴染む色を選ぶかなあ?!





窓の付き方も、変わっていて、壁が目隠し兼ねて、外観のアクセントにもなっていた。



sky mansion-Ⅱ
ここには、白いタイルが一列整列していたので、、
やはり、外壁も装飾的に入れられてたのかな?!


玄関先の梅の花?のステンドグラスに見惚れてたら、
すぐそばの外灯も梅の花でデザインされていた。
素敵。



こちらの異人館の玄関。


壁のツタも紅葉がきれい。




こちらはグラデーションのきれいな蔦。


門の前に鎖で繋がれた像のある謎な家。


すぐ隣にあった、カフェ「クマとサーモンと」
まずこのネーミングに惹き込まれ、サーモンも食べたいし、お昼に入ってみよう、と2階のカフェへ。
1階もかわいいリースのお店だった。


シンポジウムまで、あまり時間がなくて、急いでる旨を伝えると、
ゆっくりと時間を過ごすカフェであるとのことだったが、
急ぎで作ってくださることに。
小さなお店の半分は雑貨などが置いてあり、使い勝手のよさそうな可愛い食器類もそろってた。



そしてサーモン丼にサラダとみそ汁のセットが登場。
お味噌汁は、メインの具材や大中小を選べて、
メインを鮭で、小サイズ選んだのに、具沢山ですごく美味しかった。
早食いするのがもったいなく、また今度ゆっくり来てみたいお店だった。



ランチ後は、慌ててシンポジウムの会場のクリエイティブセンター神戸へ。







エントランスホールの大理石の階段の親柱、いつ見てもソフトクリームに見える。


ピンクとグレーの大理石のコンビがかわいい。


会場には、台湾の面格子などが入れられた魅力的なアパートなどの写真の迫力の展示。





老屋顔のお二人のトークは、スライドを見ながら、台湾の魅力的な面格子の紹介など。


右のバットやボール、運動する人が見える面格子は小学校の体育用品室のものだったそうだが、、単純なラインのようで複雑。芸術的すぎる・・
今はもうないものだそうだが。



この斬新な3D状の面格子は、凱旋門とシャンゼリゼ通りを表したもの。
娘とのヨーロッパ旅行の思い出を面格子に込めたのだとか。
他にも自分の家の苗字や職業を表したものなど。
台湾の面格子、ほんとに自由だなあ。

この後は、わくわく建築のお二人や先生方のお話、神戸モダン建築祭のご報告など楽しんだ。
年々、「建築を見て楽しむこと」がメジャーになってきて、市民権?を得てきているなあと思う今日この頃。
自分にできることは、今まで通り、巡った建築やタイルを細々と発信してくことで、これまで建物やタイルに関心がなかった人に、少しでも魅力に気づいてもらえることかなと。
これからも建物やタイルを見ることを楽しんでいきたいな。


KIITOのお隣、新港貿易会館の建物コーナーに付くアール・デコな照明。





スクラッチタイルにもうっとり。


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老屋顔さんたちとゆく神戸近代建築巡り

2023-12-13 | 建築巡り・街歩き【兵庫】

先日は、「日台レトロ・モダン建築シンポジウム」で来日された老屋顔さんおもてなしツアー?!にご一緒させて頂けた。
ツアーは、Q2上屋からスタート。
モダン建築祭で行けず、気になってた建物だったのでうれしい。


神戸市の方がご案内くださった。
昭和7年に建てられた神戸港新港第四突堤Q2上屋は、船のターミナルと鉄道駅を兼ねたもので、Q岸壁の2番目ということでQ2と呼ばれていたのだそう。
こちら船が発着するターミナルで、入国審査などを行っていたという。






1階へ下りると、こちらは鉄道駅のプラットホームだったところ。


アール・デコの意匠の大きな赤い扉が印象的。


お話では、ここからアインシュタインは日本へ上陸し、列車で京都へ向かったのだとか。


赤い扉の中へ入ると、広いホールの両端は、チケット売り場になっていて、
こちらは乗船チケット売り場に。



このチケット売り場のカウンターが、とっても素敵。
アールを描くコーナー、アール・デコデザインの窓の桟。





コーナー部分には、布目タイルが貼られ、額縁のような縁取りや、凹凸など
の変化が付けられていていい感じ。
木綿レンガという風に言われていたが・・布目タイルじゃないのかな?





階段下についていたアーチ窓の中は、階段下のスペースを利用した半地下の御手洗い。


たっぷりとした弧を描く階段の1段目、2段目。


こちらは鉄道チケット売り場のカウンター。
乗船チケット売り場よりちょっと窓が広く取られてた。




鉄道チケット売り場の中。


奥へ行くと、荷物預かり場だったスペース。


貴重品入れのロッカーも。


年季の入った無骨な鉄骨が渋い。


壁の風化具合もいいなあ。



1階から2階への階段ホールは、丸窓とアーチ窓から光が差し込み、柱にはアール・デコの意匠が施されている。







2階までは、お客さんが立入できる場所なので、
階段の幅もゆったり広く取られ、


フロアには、蜀江文様の無釉タイルが貼られていた。


こちらのお部屋は、通信関係の事務所。


部屋の窓からは、階段ホールのアーチ窓が見える。


電信電報室のカウンターの持ち送りも凝ったデザインに。


3階のデッキへ。



待合室のベンチたち。


改装されているが貴賓室だったという部屋。


緩やかに張り出した窓。


最も光が美しく入るという階段ホールへ案内して頂き、
こちらの窓の下で、一人ずつ記念撮影タイム。



老屋顔さんのお二人。



壁は剥がれっ放し、使用されていた当時のままの状態で残されているのがまた貴重で、雰囲気ありまくり。










そして3階の宿直室。
かまどや流し、調理台が残されている。


細工の可愛い流しの排水溝の蓋。


かまどの焚口の蓋のレリーフ。


玉石タイル貼りのお風呂も残されていた。



こちらは、トイレ。



最後は、このQ2の壁を背景に皆で集合写真を。
隅々までじっくり見せて頂けて、Q2上屋を満喫できた。


この後は、海岸通り沿いに建つ近代建築を眺めつつ、ランチ場所を目指す。
クリエイティブデザインセンター神戸。


新港貿易会館。


税関。
こちら側から見ると、まさに船の形。


神港ビルのアール・デコデザインが美しい塔屋。


商船三井ビルディング、海岸ビルディング。


サラダバイキング付きイタリアンのランチをした向かいにあった昭和ビル。
この建物は、初めて見る。かも?


1階にある二つの縦長窓に入る幾何学的デザインの面格子。


1階から2階の階段のアール・デコデザインの透かしが、複雑ですごく凝っていた。何か文字でも隠されているのだろうか?とも思ったが読み取れず。





給湯室だったかな?!
蜀江文様のタイルが床に貼られてた。



御手洗いの扉を開けると、床一面に、無釉モザイクタイルが市松状に。






2階以上は、階段の透かし装飾も少しあっさりしたものに。





通りがかり、ヘアーサロン石田の床も白黒の市松貼りで、とてもモダン。
内装も気になる。



明治44年に建てられた海岸ビルディング。
中を見学。



1階から3階まで、入口入って正面に階段が通っていて、
3階天井には、ステンドグラス。


ステングラスは新しいもののよう。





タイルがめちゃめちゃいい感じのビル。


裏側。




思わず走り寄って見たが、ブルーのグラデーションの美しいタイルだった。






神戸港震災メモリアルパーク。
阪神淡路大震災で被災したメリケン波止場の一部がそのままに、保存、整備されている。



三宮のアーケードの入口。
モザイクタイルがびっしり。


途中に遭遇したパズル風タイル。


このタイルの風合いも良い~



旧神戸市立北野小学校の「北野工房のまち」で時間調整の為、見学&休憩。
入口の布目タイル。


近くにハープの面格子があると聞いて見に行く。
ハープと音符がデザインされた面格子、音楽教室が入っているようだったので、特注で作ったものかな。



バイオリンの看板も素敵だった。



お家の門に嵌められていたトルコ風の絵付けタイル。



双子のようなお家、ピンクの門がかわいい。



レンガ塀と植物


そして神戸華僑総会へ到着。
華僑総会の写真は、モダン建築祭で散々撮ったので→
今回、特別に入らせて頂けた渡り廊下。




渡り廊下の先にあった和室。


前回気になっていた暖炉だけど、よく見たら、1階のダイニングと2階にあった暖炉は、元あった暖炉の前にかぶせるように置かれたものだというのに気付いた。元の鉄板のレリーフが見えてる。




2階のチェストから、いろいろとお宝が出てきて、皆でわいわいと品定め。


ステンドグラスの扉が美しい小さな棚。



この後は、お茶からの食事会へ。
いろいろと楽しく、長い一日だった。



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神戸モダン建築祭2023その二

2023-12-01 | 建築巡り・街歩き【兵庫】

神戸モダン建築祭、山側をほぼ制覇した後は、港方面へ向かった。
途中で通りかかったカトリック神戸中央教会。
以前見せて頂いたことがあったが、せっかくなので立ち寄る。


聖堂内へ入ると、間接照明のようなやわらかな光が差し込んでいた。
建物内には、14本のスリットが入っていて、そのスリットにはステンドグラスが入る。




ステンドグラスを通して入る光がカラフル。


ステンドグラスは、正面からは見えないのだけど、
横から覗き込むと、地面から天井まで、細長いステンドグラスが嵌められている。


14本のステンドグラスは、ブルーの寒色系から暖色系まで、虹のように変化していく。















祭壇側から見ると、ステンドグラスが目に飛び込んでくる。


コンパクトに螺旋を描く階段。


建物内外の壁面は、白っぽい表面が荒々しい煉瓦のようなタイルが貼られていて、建物の雰囲気共々村野藤吾ぽいなと思っていたが、
サイトによると、村上晶子さんという方の設計だそう。
他にも小聖堂も見どころだったようで、次回訪れた時には見てみたいな。


お昼ご飯も食べておかねば、と思ったところにちょうど現れたタイ料理店、
「クルアタイ」人気のお店のようだった。


ここで、人気メニューだというガパオライスのランチを頂く。
生春巻き、スープ、タピオカスィーツ付き。
スパイシーで美味しく、お腹いっぱいになった。


更に繁華街のタイルをチェックしつつ南下。







渋いタイルが貼られた階段壁。








高砂ビルに到着。
昭和24年に建てられた高砂ビル。
1階は事務所、上階は倉庫として使われていたそう。
時代のニーズに合わせて50年前に賃貸ビルに転換。
当時珍しかったロフトを作り、
現在もギャラリーや、飲食店、音楽スタジオなどに活用されている。


入口はガラスブロックが入り、レトロな照明がつく。


エントランスホール。



ドラマや映画などのロケ地としても使用されていて、
映画「アウトレージ」の組長事務所として使われた部屋もあった。


その後、子供の本の森にやって来たら、見学時間は15時からだった~
断念・・


そして神戸税関へ。
建物は、昭和2年に建てられた2代目庁舎を保存活用しながら船をイメージして建てられたという3代目庁舎。



エントランスホールは、柱に囲まれた吹き抜けの空間が圧巻~
以前は、入れても撮影禁止だったので、写真に撮れるのはうれしい。



吹き抜けの空間を見上げる。


ホール床は、モザイクタイル貼り。



大理石の階段ホール。


上から見下ろす。



2階の回廊はモザイクタイル貼りに。



御手洗いの扉は結霜ガラスに金物のドアハンドルが渋い。


内部は、黒い大理石がシックな空間だった。


個室扉のドアノブ


そして貴賓室へ。
扇状に弧を描く室内。


上品な漆喰装飾や、



扉の寄木細工のデザインも素敵。


3階へ上がると、吹き抜けの天井装飾が目の前に。
とても細やかな装飾だった。


中庭へ。






新館までやってきたのに、屋上へ上がれること気づいてなかった;


次なる建物、フィッシュ・ダンスを見にメリケンパークまで歩く。
こんなモザイクタイルがいくつか。





フィッシュ・ダンスは、世界的なアメリカ人建築家フランク・ゲイリーによる
日本で唯一の作品なのだそう。
魚が跳ねたようなオブジェ。
この中に、部屋があるのかと思ってたら違った・・


魚のオブジェの表面。
金網のような素材がツギハギされて造られていて、所々に錆が生じてる。


魚とは別に隣にある建物、こちらも対になっていて、
この建物の中にオフィスや会議室があった。
外観からしてとぐろを巻いたような形なので、内部も螺旋を描く個性的な
建物だった。
建物内は撮影禁止。


更に松尾ビルへ足をのばす。
松尾ビルは、大正14年に建てられた神戸に残る最古の百貨店建築だそうで、
大正時代のオリジナルが極力残され、現在も現役で活用されている。



商店街に面した1階は三連アーチ、その上には階段状の飾りと窓が見られ、
ドラッグストアが入っている。



両脇にガラスブロックが入れられた玄関。


玄関ホールを入ると、大正14年当時から導入されているという
手動式エレベーターが今も現役で残されている。
希少な国産エレベーターだそう。




エレベーターの階数表示板も美しい。



エレベーター内部。









天井や柱などに装飾も残されていた。
この後、神戸山手女子中高等学校の見学ツアーの時間が迫ってきていたので
慌てて向かう。


商店街の中、地下へ下りる階段壁がタイル貼りだったので、
思わず吸い込まれるように下まで下りてしまった。


緑の濃淡の中に所々、白が混じるタイル壁。


面格子やバルコニーの格子があちこちに取り付けられていた家。


帰りも歩きで・・


散策しながら下って行くと、タイルがいい感じのマンション発見。
入口にはヤシの木もあって、その植え込み周りもタイル貼り。


グリーンの、様々な色味が混じった、立体感のあるタイルが贅沢に貼られてた。
床のタイルもいいな。








そして、近くまで来たので久々に関帝廟のマジョリカタイルを見て帰ることに。


本堂の入口両サイドに、上部はカラフルな透かし彫り、
下部には、その透かし彫りに負けない華やかなマジョリカタイルが貼られてる。


よく見ると、縁取りのレリーフタイルも細くて可愛い。


もう一方は、違ったデザイン。
中国寺にぴったりのカラーリング。


やきものの狛犬も参拝ルートに組み込まれていて、
その風貌が味わい深かった。





おもしろい面格子発見。


ショーウィンドウに、紙工作で作られた紅葉。


最後に見覚えのある喫茶店、ヒュッテに通りがかったので、
ここで締めのお茶して帰ることに。



お店に入ると、夕方だったからか、一人貸し切り。
ホットケーキと紅茶を注文して、写真を撮らせてもらう。
以前入った時は、お昼で、お客さんもたくさんおられた記憶。




誰もいないので写真撮り放題だ~







奥は喫煙者用の部屋とのこと。
水槽があり、魚が優雅に泳いでた。


この間接照明的なもの、見覚えあった。


少し時間がかかります、と言われたホットケーキ、
いびつだったが、かなり大きくて、美味しかった。


この後は、三宮まで歩いて、帰途へ。

この日もよく歩き、たくさんの建物が見れて充実の一日だった。。
時間配分ミスで神戸港新港第4突堤Q2上屋が見れなかったことだけがちょっと心残り。




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神戸山手女子中学校高等学校見学ツアー

2023-11-27 | 建築巡り・街歩き【兵庫】


神戸モダン建築祭、今回唯一当選した神戸山手女子中学校高等学校の見学ツアーへ行ってきた。
学校へ着くと、生徒さんや先生方に迎えて頂き、ツアーは、こちらの学校に縁のある建築科の大学院生の方から説明を受けながら本館と南館を回り、
後ほど本館のみ自由撮影させて頂けるという至れり尽くせりの見学会だった。


神戸山手女子中学校高等学校の前身は、大正13年に創設され、来年100周年を迎えられるという歴史ある学校。
こちらの本館は、昭和11年に建てられた鉄筋コンクリート造3階建の校舎。
両脇に北館と南館があり、敷地に制限があった為、三階部分は、ほぼ講堂の面積で占められている。
柱のない講堂の上部には、学校のシンボルとなるような塔屋が置けなかったとのこと。
外観は、屋上まで伸びる柱や縦長窓がすっきりと、最上階には連続アーチが軽やか。



本館の玄関部分は、コーナーが丸みを帯びた柱や照明などアール・デコの意匠が美しい。


玄関ホール。
クワトロフォイル型の天井装飾は、当初はペンダント照明がぶら下がっていたのだろうか。


もう一歩中には、こちらの照明。
クワトロフォイルの中に正方形の照明が組み込まれている素敵なデザイン。


玄関ホールにある受付窓口には、こんな和風の持ち送りのついた大理石のカウンター、その下には、モザイクタイルが貼られてた。


タイルは、やわらかなミントグリーン系の色合いで、正方形のモザイクタイル四つを一纏まりにして貼られていて、
今までありそうで、ない貼り方だった。


階段の柱には、玄関の柱と同じく、横のラインが入り、
渦巻文様のレリーフの入った幾何学的な装飾が等間隔で入れられていて、等間隔を守ったからか、端の三角形だけになった部分を発見して萌えた。






3階の講堂。
入口扉上部は、緩やかにアーチが付けられていて、


扉には植物文様らしきレリーフが。


3階部分のほとんどを占める講堂は広々としていて約400名収容可能。


ずらりと並んだ長椅子も、建設当初からのものだそうで、大事に使われていた。



背もたれの形が微妙に違う椅子も可愛い。



本館廊下。


講堂から出て、まず最初に案内して頂いた部屋は、西洋作法室。
マナーなどを学ぶ部屋で、西洋作法室のある学校は珍しいとのこと。
こちらの学校には、日本作法室と西洋作法室の二つの作法室があるとか。





いくつかあった天井装飾は、ペンダント照明がぶら下がっていたと思われる。


重厚感ある家具やカーテンのファブリック。


次に、日本作法室へ。



入口を入って、靴を脱ぐ廊下スペースには、竹の細工が施された丸窓がついていた。



金網の照明カバー。



二間続きの広間には、お琴がずらり。
現在、日本作法室は、筝曲や茶道や華道などに使用されてるとこのと。


欄間も縁が漆塗りのようで、幾何学的なデザインも素敵。









床の間も書院や違い棚などが設けられていて、丁寧につくり込まれたものだった。


古い扉のデザインも可愛い。



ドアノブのデザインも、残されていた古いものには、凝った装飾が入っていた。


そして高校生の教室となっている南館へ。
南館と北館は、昭和38年に建てられ、一度改装されたそうだが、
この天井の間接照明を兼ねた装飾が斬新で驚いた。



天井が波打つようなデザインで、とても学校とは思えない雰囲気。



しかも天井装飾兼間接照明は、階毎にデザインが違っていた。
教室の扉や窓枠のカラーリングも女子校らしくパステルトーン。



1階の天井はこんなデザイン。



ひとつの教室は、展示室として設えられていて、高校の広報部の学生さんたちが、文化祭が終わった後から今回の公開に向けて準備されたという。
来年100周年を迎える学校の歴史や建物についてのパネル展示に、黒板にはこんな手描きのモダン建築祭向けのチョーク画など、、
学校を上げて歓迎してくださっている様子が伝わり、あたたかい気持ちになった。
現役の学校にも関わらず、生徒さんや先生が写り込まなければ、写真撮影やSNS掲載も可ということで、建築ファンとしてはとても有難い見学会。
学校関係者の皆さんや、今後の神戸山手女子中学校高等学校の更なる発展を
思わずお祈りしたくなったのだった。




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松山大学温山記念会館見学

2023-10-10 | 建築巡り・街歩き【兵庫】

以前より、ここのタイルが見たいと思っていた、甲子園口の松山大学温山記念会館の見学の機会を有難くも与えて頂くことができ、先日訪れてきた。
松山大学温山記念会館は、昭和3年、松山出身の実業家、新田長次郎が孫の為に建てたスパニッシュ様式の邸宅。
設計者は、木子七郎で、新田長次郎の娘婿とのこと。
現在は、松山大学が所有し、関西地域の教育研究の拠点として活用されている。


車寄せから玄関へ向かうと、いきなり、入口のタイルに囲まれた美空間が出現。心の準備ができてなかったので、おお~っこれか~と驚く。
タイルの壁面は、外へ向かってやや開くように角度が付けられていて、
タイルに誘われるように中へ。


エントランスを囲むようにコの字に貼られたタイルは、連続して並べるとイスラムの伝統的な文様でもある八芒星と十字が現れるものになっている。
濃紺の差し色以外は、明るいブルー、グリーン、黄土色、白といった、やわらかなトーンの色彩でまとめられていて、上品で美しい。
十字になる部分は、白いものから、肌色系のものまで、少し変化がつけられているようだった。


これらのタイルは、加藤郁美さんの「にっぽんのかわいいタイル」の中でも紹介されていて、このタイルの石膏型が見つかったことから、多治見の笠原出身のモザイクタイルの創製者といわれる山内逸三制作のものとのこと。


色の塗分けは、一枚一枚、手作業で行われているため、所々むらがあったり、濃淡があったりと、同じものはひとつもなく手仕事の跡が見られる。
文様は細かいし、塗り分けするには、さぞ手間がかかったことだろう。



玄関の中に入ると、アールにカーブを描く壁面には、ニッチが設けられていて、その下部にも、やはりタイルが貼られている。
こちらのタイルも、同じデザインの試作品が見つかったことから、山内逸三の作だとのこと。


こちらのタイルは、ややグレー味を帯びた背景に、やはりグリーン、ブルー、黄色の不透明釉で彩色されていて、


中央部分は、タイルが湾曲しながらも、上下のボーダータイルと共に、ぴったりと収まっている。
収縮することを計算の上、このアールの壁面にぴったりと沿わせる技術がすばらしい。


たたきには、ボーダータイルがヘリンボーン状に貼られていて、その周囲には、布目のボーダータイルが囲んでいる。


上がり框には、アールの壁面と同じくチューブライニングのボーダータイルが
ぴったり収まっていて、色味もデザインも上品なコーディネイト、ほんとに素敵なタイル空間にうっとり。


ホールから玄関を見渡す。


入口の扉は、入口のタイルと同じく、スパニッシュの邸宅では典型的な意匠でもある八芒星が中央に彫刻された重厚なもの。


扉の横には、小窓があり、
瓶の底のような牛の目ガラスが使われており、外からの光を取り込んでいる。



邸宅内は、当時最先端のセントラルヒーティング設備が完備。
玄関にも設置されていて、そのグリルの装飾も美しい。


玄関ホールは、ゆるやかなアーチを描く梁と階段裏のカーブが美しく、目に留まった。






玄関ホールから階段への眺め。
照明は新しいもののようだけど。


階段ホールは、三つのアーチ窓が階段状に並び、小さなバルコニーが張り出す。このバルコニーが良いアクセントになって、階段室の雰囲気をより一層高めていて素敵だった。


階段のアーチ窓にはステンドグラスが入り、オパール味を帯びた乳白色のガラスが、やわらかな光を通している。
ガラスが外側に大きく膨らんでいたのが心配だったけど。


そして1階へ戻り、ダイニングに続く応接室から。
現在はセミナー室として使われている部屋。庭に面して、大きく窓が取られ、隣にはサンルームのような部屋が続く。






部屋の一画には、鹿の剥製の周囲に貼られたタイルが見られる。




タイルは、アーチの間に、馬に乗った騎士、植物文や動物文様に囲まれた僧侶のような姿が描かれた2種類で、とても細かな図案。
多彩に色が塗分けがされていて、手が込んでいる。
こちらは石膏型などが見つかっておらず、作者は不明のよう。


応接室中央のシャンデリア。



応接室も、隣のダイニングも、中央の豪華なシャンデリアの周りに、
鎖で繋がった少し雰囲気の違う陶製の傘のシャンデリアがいくつか下がっていた。


アンバー色のガラスの支柱が美しいフロアライトも。


お隣には三つのアーチ窓が並ぶサンルームのような部屋。



半円アーチ部分の淡い色彩のステンドグラス。



こちらの床もやはり寄木貼りだけど、デザインはこのようなちょっと変わった
感じに。


元ダイニングルームには、新田長次郎の銅像が置かれている。
日本産業の発展に多大な貢献をした新田長次郎は、
松山大学の前身である松山高等商業学校の創設者でもある。
温山記念会館の温山とは、新田長次郎の雅号にちなんで命名されたのだそう。


ダイニングルームのヒーティンググリル。


勝手口?のたたきにも、表玄関と同じくヘリンボーン状にタイルが貼られ、
周囲は布目のボーダー、立ち上がりにはモザイクタイルが貼られてた。


小さな空間にも凝った細工がすばらしいコート掛けなどが残されていて


宿泊室として使われている小部屋にもこのシャンデリア。


そして2階へ。
こちらは、談話室として使われていた部屋で、中央には、ビリヤード台が置かれている。



床はモダンなデザインの寄木貼り。



天井のガラスの照明カバーには、アール・デコ文様がうっすらと入っていた。


窓に沿った造り付けのL字型のゆったりしたソファは、座り心地よさそう。


階段から見上げていた小さなバルコニーは、この談話室についていたもの。



アーチの小さな扉を開けると、階段を見下ろせる。
遊び心で付けられたものなのだろうか?
細かな仕掛けがおもしろい。


談話室の向かいの洋室には、素敵なアール・デコのステンドグラスが存在感を放っていた。





ステンドグラスは、マーブルがかったちょっと渋めの色合いの中に、ブルーのきれいな差し色が入り、無色のものも地模様が様々で、とても美しくまとまっている。


緩やかに弧を描く窓周りには、


窓に沿って、造り付けの家具とヒーターがビルトインされていて、スマート。



天板には、アール・デコな換気口がおしゃれだった。


2階の和室には、丸窓のある窓辺に、一枚板で作られたという違い棚が組み合わされていて、初めて見るような造りに。


丸窓は、開閉できるようにもなっていた。


広縁には、低めの台がついていて、座って日向ぼっこできそうな良い空間だった。


お隣の洋室との境には、台形アーチの扉があって、
扉の寄木細工もモダン。


お隣の会議室1


新しそうな照明だけど、デザインもこの部屋にぴったり。


造り付けの可愛い棚。
引き出しのつまみは、市松模様に。


バルコニーに出ると、階段室のアーチのステンドグラスが外からも眺められ、


足元には、やや凹凸のある渋めのタイル。


和館と洋館の間にある階段室の手摺は、シンプルな格子状のもので、
和にも洋にも馴染むものだった。


外へ出て、お庭から建物を。


テラスには、壁泉があって、思わず近寄ると、
陶製かと思ったライオンは、銅製のようで、背面にはグリーンのモザイクタイルが貼られてた。


洋館の方の妻壁にあった換気口。
換気口周りまでが手抜かりなくデザインされてた。


和館側の壁面。
和室にあった開閉式の丸窓が見える。



お庭は、広大な池泉回遊式庭園になっていて、


お庭の一画には、防空壕までが備わっている。
邸宅竣工の翌年に造られたものだそう。
こちらの中へも案内して頂いた。


入口上の天井にはガラスブロックがはめ込まれていて、
つくられた当初は明かりが入ってきたのかも。


防空壕の内部。



お庭には、こんな灯籠も。
傘を閉じたようにも、アール・デコぽくデザインしたようにも見える。



最後に、今回見学手続きなど、お世話してくださった方のフォトジェニックな一枚。
とてもこの空間の雰囲気に似合っていて、思わず撮らせて頂いた。(掲載承諾済)

見学は、管理人さんの案内を含めて2時間たっぷり楽しませて頂いた。
見学後の旧宮塚家住宅のムジカでのお茶会や食事会含めて楽しいひと時でした。
今回ご一緒させて頂いた方々、ありがとうございました。


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赤穂市立民俗資料館&赤穂段通&壱枚乃絵海辺のテラスカフェ他

2023-05-01 | 建築巡り・街歩き【兵庫】

坂越から、赤穂市立民俗資料館へやってきた。ずいぶん以前に家族で鹿久居島へ訪れた時に、立ち寄った記憶があり、久々の再訪。


建物は明治41年に建てられた現在する日本最古の塩務局庁舎。


パステルカラーの下見板貼りの外壁、
中央が膨らんだエンタシスの柱や、扉の格子が美しい。



エントランスの天井は、吹き抜けで回廊が巡らされ、明かり取りの窓からは
光が取り込まれ、明るい天井に。


1階の元事務室は展示室になっている。
この日は、民俗資料の他、兜の展示も。




ハンマービーム(片持梁)が施された2階の天井。





展示室には赤穂で使われていた日常生活用具などが所狭しと展示され


レトロな看板や


昭和レトロな電化製品なども。


廊下に沿って、旧会議室、旧宿直室、旧厨房などが並び、
各部屋は、展示室として活用されている。


廊下にかけられた古時計。


渡り廊下の先は、赤煉瓦造りの旧文書庫。









資料館を出た後は、移動して少し周辺を歩く。
明治から大正時代に建てられた元呉服屋さんを改装した旅館、加里屋旅館Q。


旅館に併設されてるカフェが、3種のお菓子とドリンクのセットがワンコインと、超お得そうだったので、入ってみたかったが、、
この後、パンケーキを食べる予定だったので断念。


旅館並びの虫小窓がついた歯科医院。


おびただしい量の看板に埋め尽くされていたのは、赤穂玩具博物館。


レトロなホーロー看板がずらりと並ぶ。


入口が分からないほどに埋め尽くされていたが、ドアが見つかったので、声をかけてみるが返事はない。
入口には、カーブを描くモザイクタイルのショーケースが。
平日は、午後3時からのようで、まだ開店前だった。


表だけでなく、塀も看板で埋め尽くされてた。






他にも規模の大きな町屋がちらほら。




通りがかりに、赤穂段通の工房に見学可能との看板が出ていたので入ってみた。
赤穂で段通が作られていたとは、知らなかったが、
かつては塩田の女性たちの副業として造られていたのだそう。
「赤穂段通を伝承する会」の研修生の方が、丁寧に案内してくださった。
赤穂段通(中央)は日本三大段通と言われる、鍋島段通(右)、堺段通(左)のうちのひとつ。
その中でも赤穂段通では、織った後、表面を切り揃え、隣の色との境は、V字になるように、丁寧な仕上げがされるという。
掛けられた段通の表面を見比べてみると、なるほど、美しさが全然違う。


実際に織られているところも見せて頂いた。
サイズは畳に敷くことを想定しているので、一畳サイズのものが造られていて、織ってはハサミで表面を整え、、といった感じで、
とても手間暇かかるようで、一畳を一枚織り上げるには、一年がかりだそう。
研修生の方は2,3年かかると言われてた。


又使用例としては、京都の祇園祭時に、屏風の下に敷かれているのが赤穂段通だそう。
手間がかかるのでお値段は張り、なかなか需要と供給のバランスも難しく、
廃れつつある伝統技術であるが、なんとか途絶えないようにと
「赤穂段通を伝承する会」では苦心して技術を受け継いでいっておられる。
まずは知ってもらうことからと、いろいろとお話を聞かせて頂けた。


その後も周辺を少し歩く。
純喫茶風の建物。
閉まってた。


水玉面格子の家。
2階のベランダいっぱいに面格子がつけられていた。
新しいお家のよう。


楕円形の窓とタイルのあるスナック。






この後、車を走らせてやってきたのは、旦那が自転車友に教えてもらったというパンケーキのお店「壱枚乃絵 海辺のテラスカフェ」


海辺の絶景を眺めながらパンケーキが頂けるカフェなのだ。
平日だったこの日もテラス席は満席だったが、少し待つと案内して頂けた。


海よりも数段高いところにあるが、
ブルーのタイルが貼られたテラスには水が貼られてて、海との一体感が感じられる。


季節限定のいちごのパンケーキを。
いちごも盛り沢山で、パンケーキもふわふわで美味だった。











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